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舞へ舞へかたつぶり 秋の雨に濡れたとて [折々散歩]

9月15日、アッシーの手待ち時間に、秋雨の後楽園外周遊歩道を、傘を差して散歩してみました。
「これなあに?」と問うまでもありませんか?
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童謡にも歌われるとおり、一般に「デンデンムシ」とも、「カタツムリ」呼ばれますが、地方によるとデデムシとももナメクジとも呼ばれるそうです。
民俗学者柳田国男は「蝸牛考」(かぎゅうこう) で、地方による呼び方のちがいを全国的に調べ、その分布が、京の都を中心とする同心円状に広がっていることを明らかにし、「方言周圏説」をとなえました。以下、wikiの要約を引用します。

近畿地方 デデムシ 最も新しい
中部地方・中国地方など マイマイ 新しい
関東・四国 カタツムリ 中間
東北地方・九州 ツブリ 古い
東北地方の北部・九州の西部 ナメクジ 最も古い
そして、この事実を一般化して、(カタツムリの名称に限らず)一般に方言というものは時代に応じて京都で使われていた語形が地方に向かって同心円状に伝播していった結果として形成されたものなのではないかとする方言周圏論を展開した。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9D%B8%E7%89%9B%E8%80%83

都ではすでに廃れた古語の名残りが、地方に残っている例も、ここから説明できそうです。
「きょーてー」(岡山弁)-「けうとし」の転。
「いぶせー」(広島弁)-「いぶせし」の転。
「いぬる」「しぬる」(岡山弁)-ナ変活用『往ぬ」「死ぬ」の連体形。
「え行かざった」-「え行かずありたり」=行くことができなかった。
「よういわん」(関西弁)-え言はず。
etc.


ところで蝸牛(かぎゅう)は中国語で、「荘子」を出典とする「蝸牛角上の争い」という故事成語も
知られています。ちなみに「デジタル大辞泉」の解説は次の通り。
蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の争い

《「荘子」則陽の、かたつむりの左の角(つの)にある国と右の角にある国とが争ったという寓話から》小さな者同士の争い。つまらないことにこだわった争い。蝸角(かかく)の争い。

ところで、『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』は、平安末に、当時流行の「今様」という歌謡を集めたもので、
後白河法皇によって編まれたものです。そこに印象深い歌が採録されています。

舞へ舞へ蝸牛(かたつぶり) 舞はぬものならば 馬の子や牛の子に蹴(くゑ)させてむ 踏み割らせてむ  
 まことにうつくしく舞うたならば 華の園まであそばせむ

口語訳:舞え!舞え! カタツムリ。 もしも舞わないのならば、 馬の子や牛の子に蹴らせてしまうよ。 その足で踏み割らせてしまうよ。 もしも本当にかわいらしく舞うたなら、素敵な花の園まであそばせてあげようよ。
 
これに曲をつけて初音ミクさん(合成音声)が歌唱したものを、ユーチューブで発見しました。
http://www.youtube.com/watch?v=g-8tlCijZ2Q

有名な「遊びをせんとや生れけむ、戯(たわむ)れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動(ゆる)がるれ。」もあわせて歌唱されています。

念のため口語訳:人間って、遊びをしようとして生まれてきたのだろうか。じゃれ遊びをしようとして生まれてきたのだろうか?遊ぶ子供の声を聞くと、ひとりでに自分の体まで揺れ出してくるよ。 

最後は秋雨に濡れるツタの葉。
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