追憶の キューサンマルは 霧の朝 [今日の暦]
高校時代のある秋の日、いつものように登校してみると、校門周辺に教師達が一種こわばった空気をただよわせて三々五々佇んでいます。朝霧に包まれた光景だったかと記憶しています。
よく見ると、いつも授業を受けている親しい顔もあるし、担任の少々照れくさそうな顔もありました。
何やらわからず、とにかく教室に行き、普通通りに授業が始まったのですが、謹厳実直という形容がそのまま当てはまるような、年配の教師(といっても、今の私より遙かに若く、ひょっとすると40歳そこそこだったかも知れません)が、非常に緊張して、「実は」と話し始められました。早朝勤務時間カットのストライキに参加したとの由を、高校生に分からせようと腐心しつつ、懇切に説明しておられました。話しておられる間、手が小刻みに震えていたことを、一種厳かな瞬間に立ち会ったような気がして、不思議によく記憶しています。
別の授業では、雑談に、「君らの担任は、若いのに(ストに参加して)偉い。」とほめられ、我がことのように嬉しくくすぐったい気持ちがしました。
誰々がストに参加したか、しなかったか、と詮索する発想など、浮かぶ余地もありませんでしたが、自分の信頼するあの人・この人には参加していて欲しい、いや、きっと参加したに違いない、、、というような思いが、私のというよりも、級友たちの共通した気分であったかと思います。
後にふり返ってみると、1969年9月30日のことではなかったかと推理しています。
手元の「岡山高教組運動史-1-」をひもといてみると、こんな記述があります。
「69年(昭四四)六月には、全県下をゆるがす『校長・教頭一号アップ問題』が発生しました。”前代未聞の差別昇給”として怒りに燃えた高教組・県教組・公職組三者共闘は、のべ四〇回におよぶ大動員、、旭川原をうめつくした一万人集会、デモ行進によるアピール、徹夜交渉などをくりひろげ、9月30日にはいわゆる九・三〇実力行使を展開します」
この「九・三〇(キューサンマル)闘争」の一コマを、私は高校生として目撃したのだったと思います。
1969年というと、1月にはいわゆる東大安田講堂事件が起こり、その余波で、その年の東大入試が中止されるという年でした。正司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」が芥川賞を受け、ベストセラーになったのもこの年でした。村上龍の「69(シクスティナイン)」も、この時代の空気を伝えています。時代と格闘し、時代に対して「もの申す」ことを是とする時代、そのために自己の変革をも迫られる時代。そのような、時代の持つボルテージの中で、「九・三〇闘争」は取り組まれたのでしょう。
今、学校現場には、新しい成績評価システムが導入され、その結果を賃金とリンクさせる動きが本格化しているようです。
「物言へば唇寒し秋の風」 芭蕉
とばかりに、教師の誰もが口を閉ざし、「評価アップ」に汲々として、保身と自己擁護につとめるようになった時、教師同士の協力関係は、育つのでしょうか?「子ども一人ひとりの願いや幸せ」が、置き去りにされる懸念はないのでしょうか?そのような学校は、果たして子どもたちにとって、懐かしく愛しき「母校」たり得るでしょうか?
今朝の散歩は、久しぶりに徒歩でした。
朝焼けの空が美しかったのですが、望遠レンズしか持っていませんでした。ふと思いついて、ケータイで写してみると、なかなか見事です。いつもの苦労は何?という感じですね。
今日のカメラシステムは、pentaxK10とDAL55-300mmに、フロントテレコンバーターをつけたもの。長くて、重くて、仰々しいスタイルです。人様に見られる勇気はありません。
- ショップ: Joshinの中古PC J&Pテクノランド
- 価格: 13,800 円
smc PENTAX DA L 55-300mmF4-5.8 ED 簡易包装
- 出版社/メーカー: Pentax
- メディア: エレクトロニクス
OLYMPUS テレコンバージョンレンズ 1.7倍 デジタルカメラ用 TCON-17X
- 出版社/メーカー: オリンパス
- メディア: 付属品
秋景色を望遠撮影しても、雰囲気があります。広角側(55mm程度)だと、ケラレ(周辺光量の低下)が見られますね。
小鳥に会うこともできました。
さて、写りは?
やはり、イマイチですかね。がっかり。
人気ブログランキングへ
コメント 0