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菊の香や国家秘密はそぐはざる [時事]

「特定秘密保護法案」というものの動きが急なようです。
11月3日の日曜討論を聞くともなく聞いていましたら、出演していた自民党の中谷特命副幹事長は「国民の命や国家の安全を守るためには機密はどうしても必要だ。」と強調しておられました。そして、「知る権利も大切だが、知られたくない権利もある。」とおっしゃっていました。
私、頭脳の回転がひどく鈍いので、「なんだかヘンだなあ」と感じながら、「それもそうなのかなあ」とも思い、そのままにしていましたが、今朝の散歩中、ふっと気づきました。

確かに「知られたくない秘密」は誰にもあります。
戦後の「うたごえ運動」でよく歌われたという曲に、「黒い瞳の」というロシア民謡があります。ネットで検索してみるとこんな歌詞です。矢沢保訳とあります。
黒い瞳の 若者が
私の心を とりこにした

もろ手を
差しのべ 若者を
私はやさしく 胸にいだく

愛のささやき
告げながら
やさしい言葉を 私は待つ

緑の牧場で 踊ろうよ
私の愛する 黒い瞳

私の秘めごと 父さまに
告げ口する人 誰もいない

ところで、私の記憶では、もう一番、続きがあるのですが、ネットでは見つけられません。
そこで、念のために手元にある歌集(夏に開かれた学生時代の同窓会で配られたもの)をひもといてみると、、、ありました。

告げ口したとて かまやせぬ
父さまにも 母さまにも 思い出がある

 


人に知られたくない大切な秘めごとは、土足で踏みにじられることのあってはならない個人のプライバシイであって、基本的人権の重要な要素でしょう。それ故に、内心の自由、思想信条の自由もまた、憲法が保障する大事な権利です。
ところが、「特定秘密保護法案」では、「特定秘密」を扱う人のプライバシイは、泥足で蹂躙されることになるそうですから、不思議でなりません。
NHK解説委員室の解説アーカイブスから引用します。


安達)行政機関は特定秘密を扱う人について、過去の犯罪歴や病歴、借金の有無、それに酒癖がいいか悪いかなどについて調べます。弁護士会などは思想的背景の調査も行われるとしています。テロ対策などの関係です。本人の調査は当然といえば当然かもしれませんが、行政の判断で家族など周辺の人にも調査が及ぶと指摘もあり、プライバシーが守れるのかという疑念です。それに国会議員の活動さえも制約されるという声もあります。

それでは、中谷特命副幹事長の「知る権利も大切だが、知られたくない権利もある。」という言葉は、何だったの?と言いたくなります。そして、今朝の散歩でふっと気づいたのは、中谷特命副幹事長の、言葉のわずかな省略が、「お人好し」な私に誤解を与えていたということです。
はじめ、私は、こう聞いて、それもそうだなあと感じちゃったわけでした。「(国民の)知る権利も大切だが、(国民の)知られたくない権利もある。」
でも、中谷特命副幹事長がおっしゃったのは、「(国民の)知る権利も大切だが、(国家の)知られたくない権利もある。」ということで、文脈上、後者こそが勝って重要という主張だったのですね。
で、本音の所は「(国民の)知る権利よりも(国家の)知る権利が大切で、(国家の)知られたくない権利もある。」というお考えなのでしょうか?全く気づきませんで、浅はかなことでした。

このことに気づいて、私は、奇しくも、この番組が放送された11月3日「文化の日」が、日本国憲法の交付された日であったことを思い出しました。
日本国憲法は、確か、国の主権者は一人一人の国民だということをうたっていたはずで、主権者が知らないような秘密(機密)を国家(権力)が隠し持つということはあり得ませんし、「(国家の)知られたくない権利」など許してはいないのではなかったでしょうか?だから、あの方達(安倍さんを含む「改憲いのち」の方々です)は憲法がお嫌いなのだなあと、改めて納得した次第です。


 抜けるような青空、路傍の菊のかぐわしい香り、刈り終えられた稲田にかかる朝霧、心を洗われる晩秋の田園風景です。

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TPPは、 日本の各地方の、このような牧歌的なたたずまいを容赦なく荒廃させずには、いないでしょう。
「そんなことはない、安心なさい、限定5項目は聖域として死守する」と、いくら口先でおっしゃっても、交渉で何が話されているかさえ「秘密」なのでは、安心しようもないではありませんか。
「(国民の)知る権利も大切だが、(国家の)知られたくない権利もある。」というのは、万事にこの事態が及ぶと言うことなのでしょうね。
そして、件の 「特定秘密保護法案」たるや、何が「特定秘密」かは国民に「秘密」にして、「秘密」に触れたら重罰を課すというものだそうで、行き着く先は「見るな聞くな」の暗闇国家でしょうか? そんな見通しの悪い、暗雲と濃霧に覆い尽くされて、気づいてみたら「いつか来た道」を歩かされていた、なんてのは、ごめんこうむりたいものです。

 
 菊の香や国家秘密はそぐはざる
陽を浴びてなお冴えわたる黄金菊
天高くかおる路傍の小菊かな
朝露に香り移すや野辺の菊

 
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