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だまされも だましもせぬと 誓うた日  [私の切り抜き帳]

このブログ、「秘密法」の話題が続きます。

今日、外出の途中、カーラジオから流れてきたニュースに耳をとらえられました。

ノーベル物理学賞の益川敏英さん、同じく化学賞の白川英樹さんらをはじめ、日本の知恵者・賢者とも言える、そうそうたる学者・研究者の皆さんが、連名で「特定秘密法案は憲法の基本的人権と平和主義を脅かす立法で、直ちに廃案とすべきだ」との声明を発表されたそうです。

「溜飲が下がる」 という言葉があります。「チョーキモチイイ」ってカンジ、ですか。


詳しい記事を東京新聞に見つけました。

それによると、声明に発表した「特定秘密保護法案に反対する学者の会」に名を連ねられた皆さんは、次の31名。

そして「インターネットを通じ、三百人以上の学者が賛同の意思を示しており、さらに増える見込み。」とあります。

 

写真
 

 さらに、東京新聞の記事は、こう続きます。

声明では「知る権利や国政調査権が制限され、表現や学問の自由が侵害される恐れがある」と指摘。「市民の目と 耳をふさぎ、『秘密国家』『軍事国家』への道を開く」と廃案を求めた。衆院で採決強行の末に法案を通過させた自民党の姿勢にも「戦争へと突き進んだ戦前の 政府をほうふつとさせる」と抗議した。

記者会見で久保亨・信州大教授(歴史学)は「日本は世界的に見て、公文書管理や情報公開の取り組みが遅れている国。なぜこんな法律をつくるのか」と疑問を投げかけた。

改憲に反対する「九条の会」の事務局長も務める小森陽一・東大教授(文学)は「政府が憲法違反の決定をしても秘密にされる。秘密保護法ではなく『秘密隠蔽(いんぺい)法』だ」と憤った。

まさに、「わが意を得たり!」と大声ではしゃぎたくなりました。

でも、同時に、こうした「学究の徒」の皆さん方が憤らねばならないほど、事態が深刻だって事ですよね。

いま、しきりに思い出される詩があります。

高知県の元中学校教師竹本源治さんの「戦死せる教え子よ」という作品です。


戦死せる教え児よ
竹本源治

  逝いて還らぬ教え児よ
  私の手は血まみれだ
  君を縊ったその綱の
  端を私も持っていた
  しかも人の子の師の名において
  嗚呼!
  「お互いにだまされていた」の言訳が
  なんでできよう
  懺愧 悔恨 懺悔を重ねても
  それがなんの償いになろう
  逝った君はもう還らない
  今ぞ私は汚濁の手をすすぎ
  涙をはらって君の墓標に誓う
  「繰り返さぬぞ絶対に!」

             

作者の竹本源治さんは、大正8年生まれ。高知県旧吾川郡池川町出身。
池川中学校に勤務中の昭和27年、高知県教組の機関紙「るねさんす」に発表した作品がこの詩です。
この詩は翌年、ウィーンでひらかれた第一回世界教員会議で朗読され、これを聞いた人々は、国の違いを越えてみなハンカチで涙をぬぐったといいます。
この詩には、次の反歌も添えられています。

「送らじな この身裂くとも 教え児を 理(ことわり)もなき 戦(いくさ)の庭に」

 

この悲痛な思いを、二度と繰り返すわけにはいきません。

もしわたしたちが、正しく真実を見、真実を知る事ができなければ、 

「お互いにだまされていた」の言訳が  なんでできよう

という自戒を受け継ぎ生かす事は、決してできないはずです。


この詩と重なって、しきりに頭をよぎる、歌の一節があります。

「子供を守るうた」

(【作詞】上野博子【作曲】荒木栄)

ねえ、みんな 

この中に一人でも 

わけも分からず 

怒鳴られたり 笑われたり


人を蹴落として 自分だけがいい子になろうとしたら 

どんなに どんなに 悲しいことだろう

御(み)国(くに)の為に 死ねと教えた昔 

命を散らした教え子の顔が 

目に浮かぶ 目に浮かぶ 

良心の呵責が弱さを支え 

平和を守る心が 私を鍛えた

明るい太陽の その下で 

すくすくと伸びる子供達よ 

笑い顔 おこり顔 おどけた顔で 

野の花のように 

美しく育てよ育て 

平和な未来を 築くために

 

「勤評(キンピョウ)は戦争への一里塚」という合い言葉のもと、教師の「勤評闘争=勤務評定反対闘争」が、戦後間もない1950年代にたたかわれました。

日本が再軍備に向かう「逆コース」と呼ばれる一連の動きの中で、憲法と教育基本法(1947年版)の理想を諸改革が、次々と進められました。

その一環として、「勤務評定」により教師を序列化し、待遇に差を付け、お互いを競争に駆り立て、ひいては「お上」「御国」に盾つかない忠良な教師をつくり、子供の「人格」形成よりも 、「お上」「御国」に役立つ「人材」育成に専念させようとする動きがありました。(安倍さんと一緒やね。)

これにたいする「勤評反対」のたたかいは、「再軍備反対、戦争反対」のたたかいと一体のものでした。「子どもを守る歌」はこのたたかいを題材にし、それを励ますものでした。

この歌を、今の世に再び蘇らせなければならないのは悲しいことですが、子どもたちが、「野の花のように美しく」育つためには、知る権利と言論表現の自由、平和と真実の教育の自由が死活的に必須だと、改めて思うのです。

季節柄、「野の花」も限られますが、とりあえず、秋~初冬の草花です。

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