SSブログ
<

郷愁という名のメルヘン カルロス爺さんの思い出 木下透 連載 第2回 [木下透の作品]

このカテゴリーの文章は、おおむね、私自身の回想に関わるので、常体(だ・である調)で書くことにする。

木下透は、私の高校時代の筆名である。彼の作品を紹介するのが、趣旨である。未熟さは、その年齢のなせる業なので、寛容な目で見てやっていただきたい。

高三の時に書いた「短編小説」を、連載で紹介したい。今日は、その第2回目。


 

郷愁という名のメルヘン 

カルロス爺さんの思い出

木下透

連載 第2回 

爺さんの手、しわだらけでごつごつしているけど、とってもやさしいんだ。そしてとっても器用なんだ。爺さんなんでも自分で作るんだ。爺さん家(ち)のいすも、ベッドもテーブルも。みんな自分で作ったんだ。
自分で作ったひじかけいすに腰かけて、パイプでたばこをくゆらせながら、爺さんぼくらにお話してくれるんだ。
ぼくらの知らない海や山や、遠い遠い国のお話。ぼくら、胸をときめかせて、じっとそれを聞いてる。
ひじかけいすに腰かけて、脚組んで、とんとん、とんとん、と、つま先で床を鳴らすのが爺さんの癖。

爺さん、時々自慢のスープをごちそうしてくれるんだ。
冬の、雪の降ってる夜だって、部屋の中は暖炉で暖かくて。そして爺さん、こんなお話聞かせてくれた。・・・それは、幼い胸をときめかせる懐かしいメルヘン。

「この村を流れている小川.それをずんずん上っていくと--------------そう、十日も二十日も歩いてやっと行くつけるところに --------------ちいさな森があってのう。昔々、そうわしらのじいさんのそのまたじいさんもまだ生まれていないころ、その森の奥の泉のそばに一人の美しい少年が住んでおった。
泉の水はこんこんと一年中湧き出ておった。真冬にも凍らず、夏になっても枯れないきれいな水が湧き出ておった。
少年はたいそう楽しく暮らしておった。」
森の小鳥や動物たちと・・・・」


ぼく、あったかくて、ついうとうとと眠り込んでしまってた。それでも爺さん、話をやめないで、独り言のように、子守歌のように、・・・つぶやいている。
「優しい心の少年は、泉に映る自分の影に恋をした。美しいナルシスは、・・・」

つづく

 


ナルシスについては、「コトバンク」に次のような解説があります

 

ナルキッソス【Narkissos】 

ギリシア伝説の美少年。その名は〈水仙〉の意。フランス語ではナルシスNarcisse。多くの乙女やニンフのエコーたちから求愛されたが,そのすべてをすげなくしりぞけた。これを恨んだひとりが,彼も恋の苦しみを味わうようにと復讐の女神ネメシスに祈ると,ナルキッソスは泉に映った自分の姿に恋し,想いが満たされぬまま,やつれはてて水仙の花に化したという。ローマ詩人オウィディウスの《転身物語》で有名なこの話は,中世には,うぬぼれを待ちうける運命の教訓として用いられた。―――世界大百科事典 第2版の解説

ナルシスの生まれ変わりとされる水仙

花言葉は
「うぬぼれ」「自己愛」「エゴイズム」
(日本水仙)「自己愛」
(白)「神秘」「尊重」
(黄)「私のもとへ帰って」「愛に応えて」
(ラッパズイセン)「尊敬」「心づかい」 

_IGP8625_R.JPG
 
_IGP8624_R.JPG
 
_IGP5723_R.JPG
 
_IGP3817_R.JPG
 
_IGP3209_R.JPG

今年の2月の撮影です。

 
↓訪問記念にクリックして下さると、励みになります。


nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

フォト蔵にアップしている私の写真はこちらです。

写真販売サイトにも画像を掲載しています。
写真素材 PIXTA


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。