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新カテゴリー『獺祭魚』の蘊蓄 [獺祭魚]


以前、この日の記事で正岡子規の作品と俳号に触れたことがありました。
その時触れずにいた「獺祭書屋主人」についての蘊蓄が今日の話題です。
ネットを探っておりますと、土井中照さんのMONDO EHIMEというサイトを見つけました。
その中に「松山の一番」というコーナーがあり、「日本一のペンネーム」というページがありました。「へえ、そうだったんだ」が満載でしたので、無断で恐縮ですが、引用させて戴きます。

子規の本名はというと正岡常規。墓碑銘には「處之助」「升」「子規」「獺祭書屋主人」「竹ノ里人」が登場します。
 「處之助」は幼名。学校へ行く年になって「トコロテン」とからかわれてはいけない、と外祖父の大原観山が子規4・5歳のとき、易の地風から「升」と改めました。これ以降、友人や母から「のぼさん」と親しみを込めて呼ばれています。
 「子規」は明治22年、喀血した時より「啼いて血を吐くほととぎす」にちなみ使われています。明治11年、12歳の折り、初めて作った漢詩が「聞子規」というのも因縁めいています。
 「獺祭書屋主人」はかわうそ(獺祭)が捕った魚を並べる習性より、本をあたりに並べ散らかす様を号したもの。
 「竹ノ里人」は東京の住まいを呉竹の根岸と称し、そこで暮らしていたことからつけたものです。
 子規は雅号だけでも百あまり持っています。「筆まかせ」雅号の章には中の川の子規邸にあった桜の木から「老桜」と号したのが十歳ごろ。山内伝蔵より「中水」をもらったがあまり気に入りませんでした。十五・六歳の時、大原観山より桜の形容として「香雲」という号に変えています。
 「筆まかせ」に登場する雅号は他に「走兎」「風廉」「漱石」「士清」「子升」「常規凡夫」「眞棹家」「丈鬼」「冷笑居士」「獺祭魚夫」「放浪子」「秋風落日舎主人」「癡夢情史」「野暮流」「盗花」「四国仙人」「沐猴冠者」「被襟生」「莞爾生」「浮世夢之助」「蕪翠」「有耶無耶漫士」「迂歌連達磨」「情鬼凡夫」「馬骨生」「野球」「色身情仏」「都子規」「虚無僧」「饕餐居士」「僚凡狂士」「青孝亭丈其」「裏棚舎夕顔」「薄紫」「蒲柳病夫」「病鶴痩士」「無縁癡仏」「情魔癡仏」「舎蚊無二仏」「癡肉団子」「仙台萩之丞」「無何有洲主人」「八釜四九」「面読斎」「一橋外史」「猿楽坊主」。
 他には「桜亭仙人」「緩寛人」「於怒戯書生」「無茶苦茶散人」「四国猿」「弄球」「能球」など。
 子規の雅号の中に「漱石」があり、「筆まかせ」には「漱石は今友人の假名と変ぜり」とあります。また、ベースボールを「野球」と命名したのが子規と言われているのは「升(のぼる)」をもじって「野球(のぼーる)」としたからなのですね。
「名前/無用の雑学知識」(ワニ文庫)によると、名前の記録保持者は滝沢馬琴。戒名も加えて35というペンネームということで名前の横綱に挙げられていますが、これなら正岡子規が日本一多いペンネームの持ち主と言えそうですね。


今日の話題、「獺祭書屋主人」について、「獺祭書屋主人」はかわうそ(獺祭)が捕った魚を並べる習性より、本をあたりに並べ散らかす様を号したもの」と端的に解説しておられます。

「獺祭魚」と言う言葉もあり、例のごとくwikiによるとこう解説されています。

獺祭魚(だっさいぎょ、たつうおをまつる)は七十二候の一(雨水初候)。立春末候の魚上氷の後、雨水次候の鴻雁来の前にあたる。また転じて書物をよく好み、引用する人のこと。

礼記月令孟春の条に「東風凍を解き、蟄虫は始めて振く。魚冰に上り、獺魚を祭り、鴻雁来る」とあるのが出典。春になってカワウソが漁をはじめ魚を捕らえることを指した。カワウソは捕らえた魚を川岸に並べる習性があり、これが先祖を祭るときの供物のように見えたことから「魚を祭り」とされた。

晩唐の政治家、詩人である李商隠は作中に豊富な典故を引いたが、詩作の際に多くの書物をカワウソが魚を並べるように置いたため、獺祭魚と称された。ここから、多くの参考書を周囲に広げるさまを指すようになった。

正岡子規は自らを獺祭書屋主人と称したため、子規の命日である9月19日を獺祭忌と呼ぶこともある。

暦の上で「雨水」は、2月18・19日頃ですから、その頃の記事にするのがふさわしいのでしょうが、少々前倒しで乞ご容赦。

ニホンカワウソは、1979年、高知県須崎市で目撃されて以来目撃例がなく、2012年絶滅種に指定されたそうです。動物園には、こんな愛嬌のあるカワウソがいますが、これコヅメカワウソという別種です。

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 (2012年1月愛媛県とべ動物園にて撮影)

  

では、これは?

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  (2014年1月岡山市後楽園そばの旭川にて撮影)


ヌートリアです。南アメリカ中・南部(チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ブラジル南部)原産の齧歯類。巨大ネズミという風体ですね。
「ヌートリア」とはスペイン語でカワウソ(の毛皮)を意味し、原産の南米では本種のことを「Coipo」と呼ぶ。英名でも「Nutria」より「Coypu」の方が一般的(wikiより)だそうです。

「稲美野ヌートリア通信」というサイトに詳しい説明が掲載されています。

一部を、これまた無断で引用すると、

うんちく: 毛皮はカワウソのように上質で、カワウソの毛皮と称して売買されたため、カワウソのスペイン語<ヌートリア>がまちがってこの動物の呼び名になった。
    ○ 帰化動物としての経緯と状況
      人間によって持ち込まれ、やがて人間の手を離れて野生化し、自然増殖を始めた外来の動物を、帰化動物と呼ぶ。
 日本には1907年に上野動物園に初めて輸入された。日本では1939年(昭和14年)に軍用の毛皮獣として150頭が輸入された。第二次世界大戦中は、防寒用の毛皮を採り、肉は食用とするために多数飼育された。1944年には4万頭も飼育されていたという。第二次世界大戦が終わると需要がなくなり、放逐されたり屠殺されたりした。生き残ったものが野生化し、各地で帰化した。
        海外では:
 海外では、北アメリカ、東アジア、東アフリカ、ヨーロッパなどに帰化している。その毛皮を目的に世界各地で飼育されたため逃げ出したものなどが再野生化している。土手などに穴をあけ、キャベツやコムギなどの畑を荒らすことがあるため害獣となった。
        日本では:
 日本では、岡山県に最も多く生息している。とくに岡山県児島湾干拓地一帯では、縦横にクリーク(排水溝)がつくられ、水性植物が生い茂るなど生息条件に恵まれ、かなり多数が生息している。イネや水路ぞいの野菜に大きな被害を与えるため、毎年2000~3000頭が捕殺されている。岡山県での捕殺数は、全国の90%以上を占める。 
「稲美野ヌートリア通信」より

本物のカワウソが血なまぐさい肉食獣であるのに対して、このヌートリアは基本的にベジタリアン。であるが故に、農作物を食害する等の罪科(とが)により、特定外来生物として捕殺されています。気の毒なことです。

 以前(2010年9月)早朝散歩中に、出会った起床直後で洗面中とおぼしきヌートリアの家族を撮影しました。

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仲むつまじく、何とも愛らしい情景でした。「害獣」と呼ぶのは人間様のご都合、という感が強くしますね。

カワウソつながりで、こんなお話もオマケしておきましょう。どっとはらい。


しっぽのつり【尻尾の釣り】

昔話。キツネが尻尾で魚釣りを試みて失敗する話。〈川獺(かわうそ)と狐〉とも呼ばれる。キツネがカワウソに魚の捕らえ方を問う。カワウソは,キツネの尻尾を水にひたして釣ると教える。キツネはだまされたと知らずに,尻尾を水に入れる。やがてキツネの尻尾は凍結し,そのために逃げることができず人間に捕らえられる。またカワウソの招待を受けながら,いっこうに答礼の饗応をしないキツネと,それを憤慨するカワウソの仕打ちとしても語られる。

しっぽのつり (日本みんわ絵本)

しっぽのつり (日本みんわ絵本)

  • 作者: 水谷 章三
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 1984/11
  • メディア: 大型本

 

きつねとかわうそ (こどものくに傑作絵本)

きつねとかわうそ (こどものくに傑作絵本)

  • 作者: いもと ようこ
  • 出版社/メーカー: 金の星社
  • 発売日: 1986/03
  • メディア: 大型本

きつねとかわうそ (にほんむかしばなし 2)

きつねとかわうそ (にほんむかしばなし 2)

  • 作者: 岩崎 京子
  • 出版社/メーカー: フレーベル館
  • 発売日: 1984/02
  • メディア: 単行本

狐とかわうその知恵くらべ (読み聞かせ絵本シリーズ―日本の昔ばなし (2))

狐とかわうその知恵くらべ (読み聞かせ絵本シリーズ―日本の昔ばなし (2))

  • 作者: 鈴木 サツ
  • 出版社/メーカー: 瑞雲舎
  • 発売日: 1995/06
  • メディア: 大型本

かわうそときつね (かみしばい日本むかしむかし)

かわうそときつね (かみしばい日本むかしむかし)

  • 作者: 堀尾 青史
  • 出版社/メーカー: 童心社
  • 発売日: 1969/03
  • メディア: 大型本

 


新たに、 『獺祭魚』というカテゴリーを立てました。取り集めたけれど未整理の写真を、ずらりと並べてみようかと思います。




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johncomeback

日本酒の「獺祭」を思い浮かべてしまいました(*´∇`*)
by johncomeback (2014-01-30 21:06) 

kaz

johncomeback様
幻の名酒との噂高い「獺祭」の名は頭をよぎりましたが、実際に口にしたことがありませんので、言及は控えました。伝えられる「酒造りの信念」には敬服していますが、、。
by kaz (2014-01-31 04:44) 

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