春 其の一 [木下透の作品]
このカテゴリーの文章は、おおむね、私自身の回想に関わるので、常体(だ・である調)で書くことにする。
木下透は、私の高校時代の筆名である。彼の作品を紹介するのが、この項の趣旨である。未熟さは、その年齢のなせる業なので、寛容な目で見てやっていただきたい。
今回は、高3の時に、「春」という同一の表題で何編か作ったソネット(14行詩)形式の詩のうちの一つだ。便宜上、其の一と名付けておきたい。
春 其の一 木下透
茶色い風が吹いてはいない
かわいたチリが舞ってはいない
古新聞紙が飛んではいない
静かな静かな春の訪れ
雨 しめやかに降りそそぐ
柳の新芽 青い水玉
枯芝の焼け焦げから 濡れた緑が一,二寸
しっとりぬれた砂の間に 私はそっと素足を潜らす
私は何も失くしてしまった
古こうもり傘を伝う雨つぶ
静かな静かな春の訪れ
私はやはりひとりなのだ
いやしかし・・・重いけだるさ
静かな静かな春の訪れ
一昨日だったか、岡山市後楽園を散歩してみた。
芝生の焦げ目が、早春ならではのアクセントとなっている。。
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