仰々し 仰々しとや 行行子 [折々散歩]
自宅の近辺で、シギ・チドリが見られるスポットがあると教えていただいて、昨日の仕事帰りに来るまで偵察してみました。
残念ながら、こんな鳥や、、、、
こんな鳥には会うことができましたし、
こんな鳥が上空を舞っていましたが、お目当ての鳥には会えませんでした。
ちょっと欲求不満でしたので、寄り道をして、久しぶりに児島湖畔を歩いてみました。
長く堤防工事をしていて、通行するのがはばかられたのですが、工事はすでに終わっていました。
風が少し強くて、湖面に波が立ち、水も濁っていましたが、まずまずの眺めです。
水質汚濁で全国ワースト上位のにランクされる湖沼として、不名誉な記録を続けている児島湖ですが、四季折々の景観は美しいと思います。
対岸の山々を新緑が彩り、五月の風に裏葉が輝いています。
湖面にきらめく西日。
遠景
「女軍の戦」で知られる城趾・戦跡がある常山がそびえます。児島富士とも呼ばれます。
木杭が何やらゆかしい湖面です。
遠くに工業地帯も見えます。トンビが、大きな獲物をゲットしました。
路傍に咲いている可憐な花は、野茨(ノイバラ)の花でしょうか?
茨の花に会うと、与謝蕪村の句が思い出されます。
花いばら 故郷の路に 似たるかな
路たえて 香にせまり咲く いばらかな
愁ひつつ 岡にのぼれば 花いばら
子規が高く評価し、萩原朔太郎が次のように評している蕪村の句は、確かに近代的叙情に通じる詩情を感じさせます。
「愁ひつつ 岡にのぼれば」などは、少年期の私にも無条件に共感される境地でしたもの。「メランコリー」という奴ですね。春愁でしょうか、若さ故の憂愁でしょうか?はたまた、シルバー入門中の私には、「老愁」という言葉で表される心境がより近しいかも知れませんが。
「愁ひつつ 岡にのぼれば」などは、少年期の私にも無条件に共感される境地でしたもの。「メランコリー」という奴ですね。春愁でしょうか、若さ故の憂愁でしょうか?はたまた、シルバー入門中の私には、「老愁」という言葉で表される心境がより近しいかも知れませんが。
僕は生来、俳句と言うものに深い興味を持たなかった。興味を持たないというよりは、趣味的に俳句を毛嫌いしたのである。何故(なぜ)かというに、俳句の一
般的特色として考えられる、あの枯淡とか、寂(さ)びとか、風流とかいう心境が、僕には甚だ遠いものであり、趣味的にも気質的にも、容易に馴染(なじ)め
なかったからである。反対に僕は、昔から和歌が好きで、万葉や新古今(しんこきん)を愛読していた。和歌の表現する世界は、主として恋愛や思慕の情緒で、
本質的に西洋の抒情詩とも共通しているものがあったからだ。 こうした俳句嫌いの僕であったが、唯一つの例外として、不思議にも蕪村だけが好きであった。なぜかと言うに、蕪村の俳句だけが僕にとってよく解り、詩趣 を感得することが出来たからだ。今日最近にいたって、僕は漸(ようや)く芭蕉や一茶(いっさ)の句を理解し、その特殊な妙味や詩境に会得(えとく)を持つ ようになったけれども、従来の僕にとって、芭蕉らの句は全く没交渉の存在であり、如何(いか)にしてもその詩趣を理解することが出来なかった。それ故に僕 にとって、蕪村は唯一の理解し得る俳人であり、蕪村の句だけが、唯一の理解し得る俳句であったのだ。(「郷愁の詩人与謝蕪村」より 青空文庫) |
ところで、堤防脇の小道を歩いておりますと、ヨシ原の茂みから甲高いさえずりが聞こえてきます。
この声は聞き覚えはあるのですが、何者か正体をつかめない謎の声でした。
この声を、昔の人はどう聞きなしただろうかと想像するも、私の想像力の範囲を超えたかまびすしさ、賑やかさです。
この声を、昔の人はどう聞きなしただろうかと想像するも、私の想像力の範囲を超えたかまびすしさ、賑やかさです。
ヨシ原を執念深く観察しながら歩いておりますと、やっと、声の主の姿が見えました。
トリミングしてみますと
活動場所や見た目の類似から、すでに見知ったオオジュリンかと思っておりましたが、帰宅後ネットで調べてみますと、どうも鳴き声が一致しないと感じました。
鳥の鳴き声の「ききなし」をまとめたこのページを参照させていただくと、「仰々しい、行行子」という仰々しい鳴き声は、まさしくあの謎の声の主にぴったりと思えます。web上にある「オオヨシキリ」の写真を参照しても、ほぼ間違いないと思うのですが、いかがでしょうか?
鳥の鳴き声の「ききなし」をまとめたこのページを参照させていただくと、「仰々しい、行行子」という仰々しい鳴き声は、まさしくあの謎の声の主にぴったりと思えます。web上にある「オオヨシキリ」の写真を参照しても、ほぼ間違いないと思うのですが、いかがでしょうか?
そう言えば、確かに草野心平のこの詩では、「行行子」と書いて「ヨシキリ」と読ませていました。「ギョウギョウシ」という鳴き声からの名付けだったのですね。
富士山 ー作品第肆ー |
お名前は?_
水辺に咲いていますからねえ。 「キショウブ」でしょうか?
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