どっぷりと首までつかりて睡蓮花 [木下透の作品]
木下透は、私の高校生時代の筆名です。
このコーナーでは、そのころの「作品」を、思い出すままに紹介します。
どっぷりと首までつかりて睡蓮花
この句は、この記事で掲載した作品と同じ頃のものだと記憶しています。時期はもう少し遅く、梅雨時分だったようにも思います。
「どっぷりと」の語感と睡蓮花の可憐さがミスマッチと評されたのでしたっけ?
「どっぷりと日常生活に埋没する」、「どっぷりとマンネリズムに陥る」などのありがちな表現は、しかし、当時はまだまだ聞き覚えのないものでした。ですから、この「どっぷりと」は、当時としてはそれほど安直な言い回しではなかったはず、と一言弁明しておきます。
「とっぷりと」の方が小振りの花の感じが出たでしょうか?
「首までつかりて」は、幼児などが風呂で「肩までつかりましょうね」なんて言われて、湯の中に懸命に身を沈める、あの様子を思ったのですが、「首まで」では中途半端でしたかね?「頸(くび)まで」または「顎(あご)まで」と言った方がリアルだったでしょうか?
とっぷりと顎まで漬かるや睡蓮花
これでは、談林派みたいになっちゃいますね。オソマツ。
いずれにしても、睡蓮の花を見るたびに、思わず口にしてしまう句なのです。
玉野市、深山公園の睡蓮。
イトトンボ
ムギワラトンボ
コメント 0