梅雨はじめ紫陽花色の淡きこと [折々散歩]
紫陽花の季節です。
この季節になると浮かんでくるフレーズは、「紫陽花色のものの降るなり。」という詩句。三好達治のこの詩の一節です。
乳母車
三好達治
母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり
はてしなき並木のかげを
そうそうと風のふくなり
時はたそがれ
母よ 私の乳母車を押せ
泣きぬれる夕日にむかって
轔々と私の乳母車を押せ
赤い総ある天鵞絨の帽子を
つめたき額にかむらせよ
旅いそぐ鳥の列にも
季節は空を渡るなり
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふる道
母よ 私はしってゐる
この道は遠く遠くはてしない道
三好達治 「乳母車」 『測量船』
三好達治については、以前、達治忌にちなんで書いたこの記事でも触れました。
それにしても、わかったようでわからないのが、空から降ってくる「紫陽花色のもの」とはなあに?
若い母が押す乳母車に乗った幼い「私」の目に映る、透明感に輝く光のさざめきなのでしょうが、それは何色だったのでしょう?
なんとなく、深い青色をイメージしていましたが、紫陽花にもいろいろな色がありますよね。
半田山植物園の紫陽花を、いくつかアップしておきます。
PENTAXK10+AFアダプター1.7倍+RICOH XR RIKENON 50mm 1:2
OLYMPUSE420+ズイコーデジタル 35mm F3.5 Macro
オマケです。
この花は、この季節、よく目にしますが、ビヨウヤナギという名前だったんですね。
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