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歩ちゃんを死なせた「疫痢」に思うこと [健康]

NHKの朝ドラでは、花子の愛息で、わんぱく盛りの歩君が、急病であっけなく亡くなりました。
病名はどうも疫痢らしい。
疫痢といっても、今では過去の病気で、若い方には、ぴんと来ないかも知れません。
エボラ出血熱の方が、よく知られていて恐れられているでしょうし、少々旧聞に属するかも知れませんが、O157も、まだイメージしやすいでしょうか?


ネットでちょっと検索してみますと、「疫痢」とは、主に赤痢菌の感染による、小児の重症型の伝染性下痢症を呼ぶそうです。
赤痢固有の症状である嘔吐、高熱、下痢、腹痛などのほかに、昏睡、けいれん、自家中毒症状などを呈する、とあります。顔面蒼白・血圧低下・ひきつけ・意識混濁などを伴い、進行が急で死亡率が高いことから「はやて」とも呼ばれたそうです(「大辞林」、「デジタル大辞泉」など参照)。
 小児がどうして疫痢症状を示すのかという本態については、ヒスタミン中毒説、体質説、副腎皮質機能不全説、低カルシウム血症などの諸説が出されたが、未解決のまま推移しているうちに疫痢そのものが64年以降ほとんどみられなくなった(世界大百科事典 第2版)とあります。
先日のこの記事で、「小学4年生の時、近所の同級生の女の子が伝染病で亡くなりました。田植えの繁忙期で、農家の両親は、子供の健康状態などを斟酌するゆとりもなかったのでしょう。ほんの二三日前には、一緒に遊んだ覚えがあるのに、あっけない最期でした」と書きましたが、この女の子の病気が疫痢でした。
その訃報を聞いた私も、下痢症状を呈して寝込み、あるいはと疑いましたが、町医者の診療で単純な腹下しとわかり、、少しの間の絶食ののち、重湯→おかゆと、おなかをいたわるうちに回復したのでした。

私の生まれた集落には、近所に幼なじみの同級生が3人いました。
ひとりがこの女の子=Fちゃん。
もうひとりは、この記事「相前後して、幼なじみの同級生が病のため死亡しました。私のアルバムには、小学校入学式の日でしょうか、今ではとっくに廃校となったその小学校の校門の前で、彼とツーショットで写った写真が貼ってあります。」と書いた男の子(もう「子」ではないでしょうが、私の脳裏には、子ども時代の彼の元気なわんぱくぶりが焼き付いています)のM君でした。
ちなみに、私の「とっくに廃校となった小学校」は、同級生が17人でした。壺井栄を真似て言うなら、いわば「34の瞳」です。

その中で、最初に逝ったのが、このFちゃんでした。次に、20歳過ぎの頃に、T君が、虫歯(親知らず)の治療のさなか、悪いバイキンが入ったとかで急に亡くなったと聞きました。日に焼けて、俊足で身が軽い少年時代の笑顔が浮かびます。次いで、先ほどのM君。40歳を過ぎた頃、小学校の同窓会を中心になって世話をしてくれたのが彼でしたが、病を得て、定年を前に早期退職し、病気療養中でしたが、この記事の通り、2007年、帰らぬ人となりました。
すでに、数少ない同級生のうち、すでに3人が旅立ったわけです。

ついでに言うと、Fちゃんの家は、細い小路を挟んで、我が家の向かいにありました。4人兄弟で、一番上の兄がSさん、その下に三姉妹がつづき、同級生のFちゃんは、下から2番目でした。
農家の庭は、ちょっとした広さがあって、よく茂った見事な築山の他に、農作業をすることの出来る平らな広いスペースがありましたから、長兄のSさんやその友達など、異年齢の子ども達と、その庭でよく遊びました。軟式のテニスボールやピンポン球を投げて、バドミントンのラケットで打つ野球ゲームで、夕暮れまで遊ぶことが日課でした。外遊びは、男の子同士になりますが、座敷まであがらせて貰い、家の中で遊ぶこともしばしばあり、そうなると、三姉妹も一緒の遊びに交えて貰ったことでした。私にとっては、ちょっとうらやましい、大人数の兄弟の味でした。
ところが、兄弟の中では、最初にFちゃんが、次いで人生中盤で末の妹が嫁ぎ先で、さらに五〇代で長兄が、それぞれ病気で亡くなられました。今は、県外に嫁いだお姉さんが、折を見て入院中のお母さんのお世話をするという状態で、屋敷は、田舎の多くの家がそうであるように、しばらく空き家になっています。その庭にも、夏になると百日紅の花が咲きますし、前にも書いたとおり、お墓にも百日紅の巨きな木がありました。
このようなわけで、百日紅は、Fちゃんのお墓を思い出させ、「疫痢」という病気を連想させ、そして絶食と重湯→おかゆという夏の日の経験を蘇らせる花なのでした。そして、はるかに遠ざかるこれらの日々と、人影も次第に薄らいでゆく過疎の故郷にまつわる、淡く懐かしい郷愁を誘う花でもあるのです。

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 孫たちは、思い出し思い出し、何日分もの一行日記を苦労して書いていますが、私の一日遅れの日記は、まだマシというものでしょうか?

昨日は、午後、倉敷詩の自然史博物館に出かけました。前回休館日でしたので、リベンジです。

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入り口付近にある、恐竜の頭蓋骨模型。
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世界の昆虫の標本が子どもの心を引きつけます。
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私のカメラを奪って、小一の孫が撮りました。
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これは剥製のブッポウソウ。
今シーズンは、本物に会えませんでした。
いつか本物を見ることが出来るでしょうか?
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