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ギョメイギョジにまつわる漫ろ言 [折々散歩]

カーラジオを聞くともなく聞いていましたら、ちょうど国会中継中で、衆院本会議の場面でした。
紫のふくさに包まれた解散ショウショが議長席に届いたとの実況中継の後、ややあって、「日本国憲法第7条により衆議院を解散する..」と読み上げる声の途中、突如「万歳」の大声が響き、次々に他の議員先生たちにも伝染していきました。
解散ショウショとは、「証書」ではなく「詔書」なのですね。「詔書」とは「みことのり」、つまり天皇の命令、またその命令を直接に伝える文書のことですって。ですから、「ギョメイギョジ」が添えられています。ギョメイとは「御名」すなわち天皇のお名前。「ギョジ」とは「御璽」すなわち、天皇の印章(=はんこ)です。
ところで、皇位継承のシンボルたるところの「三種の神器」=八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草那芸(草薙)之大刀(くさなぎのたち)のうち、勾玉と剣を合わせて「神璽・宝剣」といい、たとえば「大鏡」のこんな記述などによっても、天皇のアイデンティティを証明する絶対的な存在として扱われていたことが窺われます。

花山天皇の出家(大鏡)

【原文】 あはれなることは、おりおはしましける夜は藤壺の上の御局の小戸より出でさせたまひけるに、有明の月の明かかりければ、
「顕証にこそありけれ。いかがすべらむ」と仰せられけるを、「さりとて、とまらせたまふべきやうはべらず。神璽・宝剣わたりたまひぬるは」と粟田殿のさわ
がし申したまひけるは、まだ帝出でさせおはしまさざりけるさきに、手づからとりて、春宮の御方にわたしたてまつりたまひてければ、かへり入らせたまはむこ
とはあるまじく思して、しか申させたまひけるとぞ。
 さやけき影を、まばゆく思し召しつるほどに、月のかほにむら雲のかかりて、すこしくらがりゆきければ、「わが出家は成就するなりけり」と仰せられて、歩み出でさせたまふほどに、弘徽殿の女御の御文の、日頃破り残して御身も放たず御覧じけるを思し召し出でて、「しばし」とて、取りに入りおはしましけるほどぞかし、粟田殿の「いかにかくは思し召しならせおはしますぬるぞ。ただ今過ぎば、おのづから障りも出でまうでなむ」と、そら泣きしたまひけるは。
【雑訳解釈】 しみじみと悲しいことは、花山天皇がご退位なされた夜は、清涼殿の藤壺(藤壺)の御局(みつぼね=お部屋)の小戸からひそかにお出ましになられた所、夜明けの空の月がたいそう明るく照っておりましたので、帝は
「あまりに明るすぎて丸見えで、気が引けることだ。どうしたらよかろうか」
とおっしゃったのを、
「そうは仰せられましても、(ご退位、ご出家を)中止なさるわけには参りません。神璽 と宝剣が既に春宮(とうぐう=皇太子)の御方に御渡りになってしまわれているのですから」
 
と粟田殿(あわたどの=藤原道兼)がせき立て申し上げなさったのは、実は、まだ帝がお出ましになられる前に、神璽と宝剣を自身の手で、春宮の御方にとっくにお渡し申し上げなさっていたので、帝が宮中へお帰りになるような事はあってはならないとお思いになって、このように申し上げなさったのじゃと。
 明るい月の光がまぶしくて、気が引ける思いでいらっしゃた時に、月の表面に群雲がかかって少しあたりが暗くなってきたので、帝は
「私の出家は成就するのだなあ」
 とおっしゃって、歩き出された時、(最愛のお后で、最近お亡くなりになった)弘徽殿の女御(こきでんのにょうご)からの生前のお手紙で、破り捨てることもできず、肌身離さず御覧になっていた御手紙を置き忘れなさったことを思い出され、
「しばらく待て」
 と、取りに入られた時の事でございますよ。粟田殿が
「何故そのように未練がましくお思い遊ばされるのですか。たった今が過ぎてしまえば、自ずとさしさわりも出てまいりましょうに」
と、嘘泣きをなさいましたのは。


粟田殿のセリフ「神璽・宝剣わたりたまひぬるは」の「ぬる」は、自然的な完了を表す助動詞「ぬ」の連体形ですから、という「神璽・宝剣」が、自然に、次期天
応のもとに移動してしまって、どうにも動かしがたいというニュアンスになります。本当は、自分(たちの一族)が、策略をこらして強引に花山帝を退位させよ
うとはかっているにもかかわらず、よく言うよ!なのですが。

御名御璽の御璽は、この神璽とは別もので、天皇のハンコで、大宝律令の時代以来、幾度か作り直されたそうですが。現在のものは、3寸(約9.09cm)四方の黄金製の角印で、「天皇御璽」刻まれているそうです。重量は約3.55kgとか。


主権在民を謳う日本国憲法下の、国権の最高機関としての国会の行方が、こんな前時代的な「御名御璽」によって権威づけられていることに、少々違和感を覚えますがね。
いやいや、そもそも、日本国憲法自体、「朕は、日本國民の總意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、樞密顧問の諮詢及び帝國憲法第七十三條による帝國議會の議決を經た帝國憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽」という「上諭(じょうゆ)=天皇の言葉として記された法令の公布文」とワンセットで公布されたのでしたっけね。

またまた横道にそれましたが、議員先生のにぎやかな「バンザイバンザイ」の雄叫びが、少し静まるのを待って、「ギョメイギョジ 平成26年11月21日 内
閣総理大臣安倍晋三---」という朗読の声が聞こえました。これを読み上げていたのは、伊吹文明衆院議長サンだったそうですが、伊吹サン、こう読み上げた後で、「バンザイはここでやってください」と、「フライング バンザイ」をたしなめて、お決まりのセレモニーのタイミングを仕切って、改めて大声の「バンザイ」が議
場に響いていました。
何から何までオソマツな、笑うに笑えぬ笑劇、ドタバタ劇、茶番としかいいようがありません。いや、ゾクゾクッと肌寒いホラー劇ですか?
解散時のお決まりのセレモニーだそうですが、そもそも、なぜバンザイなのか?何がバンザイなのか?いや、それよりも、なぜ解散なのか?ちっともわかりません。
いえ、姑息な狙いがあまりにも見え見えで、わかりすぎてバカバカしくて、それだけに、コワイ、、というのが、私の周辺のおおかたの声です。
「今なら勝てる」解散→国民の信を得た→長期政権化→アベイズム(戦後レジームの転換)の総仕上げ。という青写真を描き見ていらっしゃるのでしょうね。
要するに、「民意」を侮り、国民を見くびっておられるのでしょうが、反面、タイミングが遅れたら命取りになるという危機意識も、さすがに感じておられるのでしょうね。
となると、「民意」の方が、シラケたり、嘆いたり、早々絶望したりに止まって、不本意ながらも暗黙の現状追認を与えてしまっては、「仕掛け人」の思うつぼだと、くれぐれも自分に言い聞かせたいと思うのです。

たまたま聞いたラジオの実況が、少し気持ちを曇らせましたが、今日はイヤな一日というわけではありませんでした。

空は晴れていて、こんな鳥にも会えました。

オオバン
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ツグミ
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これは?
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ユリカモメ
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ジョウビタキ オス
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キンクロハジロ
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 今日はここまで。残りはまたの機会にいたします。


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ふゆん

万歳のタイミングに笑いましたー!
その後ここで万歳ですって指示でたのも
政治家さんみんな大丈夫なんだろか?と('ㅂ' )
by ふゆん (2014-11-22 04:24) 

kazg

ふゆん様
まったく同感!です。
by kazg (2014-11-22 04:38) 

楽しく生きよう

国会議員の品位はどこへ。
情けない。
by 楽しく生きよう (2014-11-22 09:37) 

kazg

楽しく生きよう様
本当に、そうですよね。
by kazg (2014-11-22 21:24) 

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