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一間(6尺)の大イタチ?の巻 [今日の「これなあに」?]

先月19日、上方落語の第一人者桂米朝師匠が亡くなられました。
上方の「お笑い」風の、アクの強さやくどさとはまったく対照的に、洗練された上品な高座が印象的でした。
私にとっては、運転中に車内で聴くCDの「お気に入り」の一つでもありました。
その米朝師匠の演目の一つに、「軽業」というのがあります。

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喜六、清八という二人が、伊勢参りの道すがら、ある村に入ると、大変な賑わいで、白髭大明神の参道にの両側に、物売りの店が並んでいて、諸国の名物に人だかりができています。
横手に入るとムシロ掛けの怪しげな「見世物小屋」があり、客寄せの声に誘われて、二人は中へ入ります。
山から取れたばかりの「一間の大イタチ」
「天竺の白クジャク」
目が3つで歯が2枚の「タゲ」
など、珍しげな見せ物の正体は?

同じようなネタは、有名な「がまの油」という噺の枕としても語られます。

6代目圓生師匠のかたり口を借りますと、こんな具合です。





えェ~、やすい見世物には、
随分、いかがわしい物がありましてね、
「さァ・ごらんなさい。
ただ今、評判のこれは《ベな》である。
また見ようといって、
見られるものではない。
さァ~見ておいで
《ベな》だ」
「なんだ、《ベな》 てェのは。」
「う~ん。おい、けものかね。」
「けものじゃ~ねェ~。けものじゃないよ。 
なまえが・・《ベな》 てェんだ」
なんか、さかなの、へんな
「じゃァ、入ってみようか」なんてェんで、木戸銭を払って中に入る、と、その・・
なべが伏せてある。
竹の棒を持った人が、これを、時々叩くんですね。
カン。
「べな」
カン。
「べな」
なべが伏せてあるから、べなだって。
「さァー、見ておいで。大ザルに、小ザルだ。さァ、評判の大ザル・小ザルだよ。」
大きいザルと、、、小さいザル、、。なるほど、むこうは、猿とは、けっしていわない。大ザルに小ザルだってェ~いってんだ。猿に間違えた方が悪いんだ。
「さァ~、見ておいで。
これは評判の大イタチ。
6尺もあるおおイタチだ。
さァ~山からとれたばかり。
そばへは、寄らないで。
怪我をするから。」
中に入りますってェ~と、
・・・板が一枚あるだけ。
「どこにいるんだい、
その、イタチ、というのは。」
・・・
「そこに立てかけてある。」
「え~~。たてかけてある?」
「板じゃァ~ねェ~えか~。」
「これは、6尺ある」
「6尺、ああ。」
「まん中に血がついている。」
「う~ん。血がついている。」
「6尺の大イタチ、だ。」
板に血がついている、、、大イタチ、、、。
「だって山から捕れたばかりだって、、、。」
「こういう物は川ではとれない。」
「そばに寄ると、怪我をする、倒れると危ない、、、。」

 見せ物小屋の定番と言えば、ほかに、、、、。

「天竺の白クジャク」---、頭上に干してある天竺木綿の六尺と三尺の褌(ふんどし)、合わせて9尺(クジャク)。
目が3つで歯が2枚の「タゲ」---ひっくり返したゲタ(下駄)。
「八間の大ドーロ」---高さが八間(約14 m)の大灯篭ではなく、入り口から出口までが八間の大道路があるだけ。お帰りは八間歩いてあちら。
大ざる、小ざる---大猿、小猿ではなく、大きなざると小さなざる。
大穴子(あなご)---地面に穴を掘り、人形を入れてある。
親子のパンダ---大きいパンと小さなパンがかごに入っている。
おおかみ娘---大きく日本髪を結った大髪娘が座っている。
取れたてのかっぱ---水に濡らした雨合羽がさおの先につるしてある。
源頼朝公のしゃれこうべ---「頼朝公は大頭と聞くが?」 「頼朝公ご幼少のみぎりのしゃれこうべでございます。」
などがあったそうな。

ところで、先日の「これなあに?」
イタチではないか?とご指摘いただき、だんだんその気になっております。

_K520541.jpg
正面からの撮影なので、ふっくら、丸々としていて、確信が持てませんでしたが、ネット上で検索参照してみて、どうもご尊顔が似ておいででですわい。

 
_K520549 -1.jpg
 
日本には、「ニホンイタチ(本土イタチ)」と「チョウセンイタチ」の2種が生息していて、よく似ているそうですが、ニホンイタチは「茶褐色で、腹面は淡褐色。口元は白色」、チョウセンイタチは「背は黄色みを帯びた粘土色で額がこげ茶色。口元からあごの境にかけてくっきりした白斑がある」そうです。チョウセンイタチのほうが、尾が比較的長いのだそうです。
横から観察していれば、きっと、胴長体型だったのでしょう。尾の長さも観察できていれば、はっきり識別できたかも知れませんが、いろいろ総合してみると、これはチョウセンイタチということでよろしかったでしょうか?(この口調、染みついてしましました。)
ちょっとピンぼけですが、長い尾が少しだけ写っておりました。
昔々、NHKの子供番組で、「チロリン村とくるみの木」という人形劇がありまして、「イタチのプー助」君が登場しておられましたなあ。お声は、一龍齋貞鳳(イチリュウサイテイホウ)さんだった由。
こんな横顔だったような気がしませんか?
_K520555 -1.jpg

 ところで、この遭遇現場、はっきりイタチとわかる横向き姿も目撃したこともありますし、ほぼその近くで、この方にもお会いしたことがあるのですよ。
データの記録を確かめてみますと2010年のことでした。

IMGP9187.jpg

 

 こんななぞなぞ歌をご存じでしょうか?

いたちのたぬき

作曲・うた:栗原正巳
作詞:うちのますみ・佐藤雅彦

いたちのたぬき
かにのかとり
さんまのまぬけ
おはしのおはなし
たまごとるタマ
ふろくふとる
バナナのバトル
はちまきまきとる
きゅうりのリトル
ジュースのストロー

そのこころは、

「いたち」から「た」を抜くと「いち」
「かに」から「か」をとると「に」
「さんま」の「ま」が抜けると「さん」
「おはし」の「おは」を「なし」にすると「し」
「たまご」 の「タマ」をとると「ご」
「ふろく」の「ふ」をとると「ろく」
「バナナ」から「ば」をとると「なな」
「はちまき」の「まき」をとると「はち」
「きゅうり」の「り」をとると「きゅう」
「ジュース」の「す」をとろう。「じゅう」になるでしょ。

おみごと!座布団一枚、ですな。

おあとがよろしいようで。


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