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来るなら来てみろ赤トンボ、の巻 [折々散歩]

久しぶりに青空がのぞき、真夏日がぶり返しています。
蓮を見たくて岡山後楽園を歩いてみました。
真っ赤なトンボに会いました。

「赤トンボ」と呼ぶのはさしつかえないのでしょうが、ナツアカネか、アキアカネか、それともそのほかの種か?どうせ見分けられないと思うと、図鑑を見るのも億劫になりました(トホホ)。


後楽園のハスの葉に止まるアカトンボ
後楽園のハスの葉に止まるアカトンボ posted by (C)kazg

後楽園のハスの葉に止まるアカトンボ
後楽園のハスの葉に止まるアカトンボ posted by (C)kazg 


後楽園のハスの葉に止まるアカトンボ
後楽園のハスの葉に止まるアカトンボ posted by (C)kazg





赤トンボについては、過去の記事で再三話題にしました。
泉鏡花の「「縷紅新草」に登場する二つ蜻蛉(とんぼ)
・アカトンボが乱舞する光景を懐かしむ幼なじみのの手紙に寄せて、
・「赤トンボの歌」
など。(↑クリックすると過去の記事が開きます)
そういえば、「赤トンボの歌」の記事では、砂川闘争で歌われた「赤トンボの歌」についても触れました。
 砂川闘争について、「世界大百科事典 第2版」は、次のように解説しています。

 すながわじけん【砂川事件】
日米安保条約および米駐留軍の合憲性が争われた事件。1957年7月8日,東京調達局は,米駐留軍が使用する東京都下砂川町の基地拡張のために測量を強行したが,これを阻止しようとする基地拡張反対派のデモ隊の一部が米軍基地内に立ち入り,刑事特別法条違反で起訴された。この訴訟で,被告人らは,安保条約およびそれに基づく米国軍隊の駐留が憲法前文および9条に違反すると主張したので,一大憲法訴訟となった。第一審の東京地方裁判所は,59年3月30日,安保条約は違憲で,被告人らを無罪とするという判決を下した(いわゆる伊達判決)。
この判決を不服とした検察側が高裁を飛び越えて最高裁に上告したことを受けて、最高裁は、(1)憲法9条は自衛権を否定しておらず、他国に安全保障を求めることを禁じていない(2)外国の軍隊は、憲法9条2項が禁じる戦力にあたらない(3)安保条約は高度の政治性を持ち、「一見極めて明白に違憲無効」とはいえず、司法審査になじまない――として、真摯な憲法判断を避け、一審判決を破棄しました。
日米の支配権力におもねって真摯な憲法判断を回避した、この最高裁判決を、安倍内閣は最近、突然したり顔で持ち出してきて、「集団的自衛権」を合憲と強弁する論拠としているのは滑稽としか言いようがありません。この判決が、審理の過程で「集団的自衛権」など俎上にも載せていないことは、事情をちょっと調べれば、誰にだってわかる基礎事実です。
にもかかわらず、この判決を、集団的自衛権を合法とするほとんど唯一の根拠として振りかざす安倍内閣の歴史知らず(さもなくば、知っていながら、国民を侮って、白を黒と言いくるめる厚顔さ)には、ほとほとあきれます。
この性向は、安倍さん個人の資質、人柄によるものかと思っていましたが、先日のNHK政治討論会で息巻いていらっしゃった「稲田」さんとおっしゃる政調会長さんも、そっくりさんでしたね。(さらに過激度が増幅した感がありますか?)
私、あいにく、これまで、この方への印象が薄かったのですが、聞くところによると、安倍サンが「ともちんの事をいじめる奴は私が許さない」と贔屓にする「秘蔵っ子」で、「党内タカ派の方々からも「ジャンヌダルク」と期待されるほど覚えめでたく、将来「初の女性総理」のウワサもあるとかないとか?へーえ?存じませんでしたが、それは、ちょっと困りますナ。
一国の宰相たるお方、ものの考え方とか政治信条とかはどうあれ、人の話に耳を傾ける姿勢が基本になくてはね。「聞く耳持たぬ」「問答無用」で、異論が切って捨てられる世の中は、ごめんこうむりたいものです。

ましてや、外交の分野においては、異なる文化と歴史、価値観、微妙な利害関係を持つ国同士、胸襟を開いて一致点を見いだし、信頼の絆を深め、誠意を持って友好関係を築いていくことが必須的に肝要なはずです。

だのに、アメリカと仲良くなることにだけは、いたく熱心で、虎の衣を着ることには抜け目がないが、意見の異なる他国にたいしては、木で鼻をくくった高飛車な物言いしかできず、外交努力というもののかけらも見られない、、、というのでは、お先真っ暗です。そういう流儀ならば、確かに、「戦争法案」だって必要って事になりますワナ。
話がどんどん脇道にそれていきます。
いや、先日のNHK政治討論会での「稲田政調会長」さんの印象がちょっと強烈で、生理的な嫌悪と、薄ら寒さを禁じ得なかったもので。

いやいや、第一印象で人を判断するのは慎んで、もうしばらくウォッチングするのがよいでしょうか?とはいえ、正直、ウォッチングするのも苦痛なんですが。
いやいや、口が過ぎました。


今日のお題は、赤トンボです。
「赤トンボ」というと、こちらの「赤トンボの歌」とともに、「来るなら来てみろ 赤とんぼ」という歌のフレーズを、ついつい口ずさんでしまいます。
荒鷲の歌
見たか銀翼 この勇姿
日本男児が 精込めて
作って育てた わが愛機
空の護りは 引き受けた
来るなら来てみろ 赤とんぼ
ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

誰が付けたか 荒鷲の
名にも恥じない この力
霧も嵐も なんのその
重い爆弾 かかえこみ
南京ぐらいは 一跨ぎ
ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

金波銀波の 海超えて
曇らぬ月こそ わが心
正義の日本 知ったかと
今宵また飛ぶ 荒鷲よ
ご苦労しっかり 頼んだぜ
ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ

翼に日の丸 乗り組みは
大和魂の 持ち主だ
敵機はあらまし つぶしたが
あるなら出て来い おかわり来い
プロペラばかりか 腕もなる
ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ 

この歌、ご存じでしょうか?

戦後生まれの私ですが、子どもの頃、「大和魂」とか「日本男児』とかの言葉や概念は、崇敬の対象でした。太平洋戦争で日本が敗れたことにより、平和の世が訪れたことは、是としながらも、お国のために戦った兵隊さんの心意気は、無条件に尊いと感じていました。

小学校で、二回も担任していただいた故K先生は、予科練出身で、特攻として出撃するはずが、終戦となって命を拾った方でした。熱血で、生徒愛の強い、剛毅な人柄で、子ども達に慕われました。17人しかいなかった私達のクラスから、幼小中高にまたがって、教職に就いたものが4人も存在する事実は、故K先生の少なからぬ影響を物語っているでしょう。

この故K先生が、子ども達にむかって、「(自分たちの世代は)死ぬための教育を受けてきた」と、よく語っておられました。故K先生は、明確に、平和を愛好する方でしたが、同時に、我が国古来の「大和魂」とか「日本男児」とかの伝統的価値観を色濃く滲ませておられました。
そのせいというわけではないのですが、「軍歌」などには惹かれるものがあり、当時、音楽レコードなどは1枚もないわが家において、子どもの小遣いで買えた
「ソノシート」「フォノシート」という塩化ビニール製のレコードを通信販売で買ったことがありましたが、その選曲は、ベートーベン「交響曲第五」と、「同期の桜」「戦友」「荒鷲の歌」などでした。

なかでも、その歌詞の切実性と曲の哀調に共感してか、「戦友」を、「ここはお国を何百里、離れて遠き満州の、赤い夕陽に照らされて、友は野末の石の下---」と、「戦友」の歌詞をそらんじて得意がったものでした。

 

「7)戦い済んで日が暮れて 探しに戻る心では どうか生きていてくれと 物なと言えと願うたに 8)虚しく冷えて魂は 国へ帰ったポケットに 時計ばかりがコチコチと 動いているのも情けなや」などの歌詞は、格別に、哀切きわまりない悲歌だと感じました。

この歌に自ずと漂う厭戦気分の故に、戦争中は歌唱禁止とされたそうですが、人びとによって秘かに歌い継がれたといいます。その気持ちは、まったくよくわかる気がします。

 戦友   真下飛泉・作詞  三善和気・作曲       

1)ここは御国を何百里 離れて遠き満州の
  赤い夕陽に照らされて 友は野末の石の下
2)思えば悲し昨日まで 真っ先駆けて突進し
  敵をさんざん懲らしたる 勇士はここに眠れるか
3)ああ戦いの最中に 隣に居ったこの友の
  にわかにはたと倒れしを 我は思わず駆け寄りて
4)軍律厳しい中なれど これが見捨てておかりょうか
  しっかりせよと抱き起こし 仮包帯も弾の中
5)おりから起こる吶喊に 友はようよう顔上げて
  御国のためだかまわずに 遅れてくれなと目に涙
6)あとに心は残れども 残しちゃならぬこの体
  それじゃ行くよと別れたが 永の別れとなったのか
7)戦い済んで日が暮れて 探しに戻る心では
  どうか生きていてくれと 物なと言えと願うたに
8)虚しく冷えて魂は 国へ帰ったポケットに
  時計ばかりがコチコチと 動いているのも情けなや
9)思えば去年船出して 御国が見えずなった時
  玄界灘に手を握り 名を名乗ったが始めにて
10)それより後は一本の 煙草も二人分けてのみ
  着いた手紙も見せ合うて 身の上話繰り返し
11)肩を抱いては口癖に どうせ命はないものよ
  死んだら骨を頼むぞと 言い交わしたる二人仲
12)思いもよらず我一人 不思議に命永らえて
  赤い夕陽の満州に 友の塚穴掘ろうとは
13)隈なく晴れた月今宵 心しみじみ筆とって
  友の最期をこまごまと 親御へ送るこの手紙
14)筆の運びは拙いが 行燈の陰で親たちの
  読まるる心思いやり 思わず落とすひとしずく


一方、「荒鷲の歌」は、「ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ」と、威勢がよいけれど、結局負けちゃったんだよな、それも知らずに兵隊さんお気の毒、、、というような、どこか白々とした思いで聴いたような覚えがあります。
まったく余談ですが、最近、大相撲で、モンゴル出身の力士「荒鷲」関のことを見聞きすると、つい、「ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ」と、歌いたくなって苦笑しています。
ところで、歌詞中の「来るなら来てみろ 赤とんぼ」の「赤とんぼ」は、グラマンなど、「敵米英」の戦闘機のことだろうと思い込み、なぜ「赤」なのかなと疑問に思いながら、特には詮索しませんでした。

それが、最近、この歌詞の「赤トンボ」が、旧日本軍のパイロット養成のための複葉の練習機、九三式練習機(海軍)/九五式一型練習機(陸軍)などをさすということを知りました。これらの練習機は、機体がオレンジ色に塗られていた事から『赤トンボ」と呼ばれた、ということは、以前にも聞いた覚えがありました。
でも、「来るなら来てみろ 赤とんぼ」と、敵扱いしているところが、自軍の練習機と結びつかなかったのです。

ですので、この歌は、「わが軍の練習機レベルのヘナチョコ敵機よ、来るなら来てみろ!」という意味なのだと理解して、初めて、合点がいったのでした。
それにしても、何とも主観的、自己中心的、ご都合主義のプロパガンダ(政治宣伝)でしょうかね。一事が万事、この勢いで推し進めた日本の戦争、その行き着く
ところは七〇年前の焦土でした。「敵を知らず、己を知らずんば」(「孫子」のもじりです)、すべからく「百戦危ふし」と言うしかありません。
それはそのまま、件のアベサンファミリーに、自覚していただきたいものです。
イヤ、またしても口が過ぎました。

ついでながら、この際、ほかのトンボたちも、ご紹介しておきます。

後楽園のハスの葉に止まるシオカラトンボ
後楽園のハスの葉に止まるシオカラトンボ posted by (C)kazg



後楽園のハスの葉に止まるウチワヤンマ

後楽園のハスの葉に止まるウチワヤンマ posted by (C)kazg



後楽園の竹のフェンスに止まるウチワヤンマ

後楽園の竹のフェンスに止まるウチワヤンマ posted by (C)kazg



後楽園の竹のフェンスに止まるウチワヤンマ

後楽園の竹のフェンスに止まるウチワヤンマ posted by (C)kazg

後楽園の井田を舞うチョウトンボ。

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_K527410.JPG
 
_K527456.JPG

 ピントが合いません。

今日はここまで。


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コメント 7

dumbo

kazgさま、こんにちは。
アカトンボさんは、ショウジョウトンボさんでしょうか?
ナツアカネ、アキアカネはそれぞれ、眼の下が赤くないようです。
アキアカネ<ナツアカネ<ショウジョウトンボとだんだん、
赤みが濃くなるようです。
by dumbo (2015-06-25 18:41) 

kazg

dumbo様
ありがとうございます。
この濃い赤さ、特徴的ですよね。
貴ブログを参考に、同定してみようかと思いましたが、断念しました(汗 )
by kazg (2015-06-25 19:35) 

majyo

トンボとか蝶々とか今度じっくり撮ってみたいです。

最近ことです。色々と知ったのは・・・
某国に配慮しての最高裁判決ですが、公文書として残っていますね。
被告たちは再審請求をするようです。
前回の選挙で初めて国民審査に×をつけました。
日本は高裁まではまともだけれど、最高裁に行くとどんでん返しがあるナンテ知りませんでした。
覚えめでたき女性閣僚は、時代錯誤です。
稲田さんに限らず、ホントに皆おかしい。
とにかく、強いものに媚び、弱いものに対しては傍若無人となる人は
肌に合いません。
人を判断するのに短慮ではならないとも思いますが、
一番大事なものがこうも違うと、もう嫌悪しかありません。
他にもいっぱい言いたいのですが、
kazg さんを真似て 今日はここまで

by majyo (2015-06-25 20:07) 

kazg

majyo様
本当に、同感です。
> 強いものに媚び、弱いものに対しては傍若無人となる人は
> 肌に合いません。
まったく同感です。「我が意を得たり」で、ちょっとすっきりしました。
by kazg (2015-06-25 20:22) 

momotaro

この記事の趣旨に私も大賛成です!!!
トンボの写真には涼しさを感じます。ありがとうございました。
by momotaro (2015-06-25 22:07) 

momotaro

すみません、追伸させてください。読み返してふと思ったのですが、「来るなら来てみろ赤とんぼ」はワンフレーズではなくて、「来るなら来てみろ。」「赤とんぼ」は次の行にかかるのかなあと、ふと思いました。
by momotaro (2015-06-25 22:21) 

kazg

momotaro様
ありがとうございます。
> 「赤とんぼ」は次の行にかかる
なるほど、発想の転換ですね。

by kazg (2015-06-26 06:17) 

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