秋めくや まれびとあまたおはしける [折々散歩]
我が地方は、台風の進路が逸れ、昨日から青空がのぞいています。
今朝の常山です。
水田には、稲穂が重みを増し、稔りの時を迎えています。
洪水被災地では、刈り取り寸前の水田が冠水・流出し、大被害とのこと。重ねてお見舞い申し上げます。
台風も地震も、招かれざる客の最たるものですが、今日のテーマは「客人」。
客人、賓客を意味する古語は「まらうど(まろうど)」です。「まれびと」とも言い、漢字で「客人」「稀人」などと書きます。
世界大百科事典 第2版にはこう解説されています。
まれびと 〈まれびと〉という言葉は,来客あるいは客神をあらわす語として古くからあるが(〈まろうと〉とも),折口信夫が古代の来訪神の存在を説明するためにこれを用いたことから,〈貴種流離譚(きしゆりゆうりたん)〉などとともに,日本文化・文学の基層を解明するうえでの重要な術語として定着した。〈まれびと〉とは簡単にいえば神であって,海のかなたの〈常世(とこよ)〉から時を定めて訪れて来る霊的存在である,というのが折口の考えたその原像である。 |
折口信夫(おりぐちしのぶ)は、柳田国男に学んだ民俗学者。歌人、釈迢空(しゃく ちょうくう)としても知られています。
青空文庫に、折口信夫著『「とこよ」と「まれびと」と』という一文がありましたので、少々引用します。
稀に来る人と言ふ意義から、珍客をまれびとと言ひ、其屈折がまらひと・まらうどとなると言ふ風に考へて居るのが、従来の語原説である。近世風に見れば、適切なものと言はれる。併し古代人の持つて居た用語例は、此語原の含蓄を拡げなくては、釈かれない。 (中略) まれと言ふ語の用語例が、まだ今日の様な緩くなかつた江戸期の学者すら、まれびとを唯珍客と見て、一種の誇張修飾と感じて居たのが、現代の人々の言語情調を鈍らしたのである。 まれは珍重尊貴の義のうづよりも、更に数量時の少い事を示す語である。「唯一」「孤独」などの用語例にはいる様である。「年にまれなる人も待ちけり」など言ふ表現で見ると、まれびとの用法は弛んでゐる様に見えるが、尚「年にまれなり」と言ふ概念には、近代人には起り易くないまれを尊重する心持ちが見える。 |
云々、、と、独自の見解が述べられていきますが、正直言って、難解です。
ともあれ、滅多にお会いできない賓客、ひょっとして異界からの訪問者であるかも知れない霊的な存在を「まれびと」と呼んだのですかね?
さしずめ。このお方などは、まれびと?
妻が見つけて、孫がいっしょにさわぎ、撮影を命じられました。スズメガの幼虫らしいです。
どこにいたのかって?わが家の鉢植え朝顔に群がって、丸々肥えていました。地面を見ると、おおきな黒いフンが地面に一杯転がっていました。こんなになるまでまったく気がつきませんでした。たいした生命力です。
朝顔を食害するスズメガは、「エビガラスズメ」らしいですね。茶色も、グリーンも、同一種だとは、不思議ですね。
相当な食害を受けた朝顔ですが、今朝もけなげにさいてくれました。
昨日の散歩中、こんなお客様が、飛んできて電線に止まりました。
トリミングしてみます。
足になにかをもっていますね。
おいしそうに食べてます。
縦位置でご覧ください。
夢中です。
クチバシのお掃除。
飛んじゃいました。
もう。ピントは合わせられない。
散歩道の草陰に、こんな客人。
こちらは随分地味ですが、ヒメジャノメかな?
今朝は、久しぶりの散歩コース、鴨川まで行ってみました。
歩くと遠いので、今日は、数ヶ月ぶりに自転車をひっぱりだして、、、。
センダン(オウチ)の枝に.カワウが大勢。
葛の花を写したつもりが、カマキリも一緒に映っていました。
コスモスも、次々と花を咲かせています。
ヒガンバナ(曼珠沙華)も咲き始めました。
秋めいてまいりましたね。
今日はここまで。
まろうど→まれびと→常世からの来訪者・・・
珍客を神と仰いで、スズメガの幼虫からはじまって数々の珍しい動物の写真展示、たいへん面白く拝読、拝見致しました。
by momotaro (2015-09-14 06:17)
momotaro様
オソマツでございました(汗)。
by kazg (2015-09-14 09:37)