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沖縄慰霊の日に思い出すこと(その2) [私の切り抜き帳]


昨日掲載した1980年頃の「担任通信」には、同じ日付のものがもう一号あります。
やはり、映画「てだのふぁ」鑑賞に関係する記事です。
状況説明抜きにはおわかりいただけないでしょうが、映画鑑賞中の折々に、生徒たちの間に、映画の本題とは離れたところでいくらか下卑た、節度のない笑い声が
広がり、鑑賞中の空気がひどく崩れた印象がありました。そのことに、クレームをつけながら、私の思いを陳述している文章です。


笑いについの考察

一、はじめに

映画に限らずすべて芸術は鑑賞者のイマジネーションの最高度の発現によって作品世界を実感的に体験しようとする作業抜きには、形をなさない。ブタの耳には、
べートーベンも雑音に過ぎない。猿の目には、ゴッホも、汚れた布としか移らないだろう。その意味で、芸術の鑑賞は、優れて主体的な営みと言わねばならな
い。

作品世界への感情移入は、そのようにもデリケートな精神のバランスの上に成り立つものであるから、ちょっとした動揺にも妨害されやすいものだと言える。

昨日の映画は、会場の狭さ、寒さ、音響の悪さ、という客観条件にも、考査後の神経疲労という主体条件にも災いされた、悪条件下での鑑賞であったと言えよう。
にもかかわらず、努力して作品世界に深く入り込み、作品の重みを受け止めようとしていた人々にとって、あのトンチンカンな笑いは、耐えきれない妨害となっ
たはずだ。

少なくともぼくは、映画の印象を散漫にさせられることへのイラダチと、腹立たしさをおさえることができなかった。のみならず、あの嘲弄的な調子は、ぼく自身へのそして人間のまごころへの侮辱とさえ感じられた。


二、笑いへのぼくの態度
あの笑いは何だったのだろうか。
目くじらたててこだわり続けるぼくが、大人げないのだろうか、とも自問してみる。

もちろんぼくは、「笑い」そのものを不謹慎なものとは思わない。いや、むしろ、おかしいときに笑いをこらえねばならぬとすれば、それは不自然で、非人間的だろう。ぼくは、「笑い」 の持つ人間的な健康さ、すがすがしさを、大いに賛美したいと思う。



三、落語の笑い(そのⅠ)
ぼくは落語を愛する。そこには各種の笑いの類型がある。機知のヒラメキに思わず漏らす、愉快な笑い。芸の確かさに裏打ちされた話術による笑い、、、。

そ して、長屋の八っつぁん、熊サンのふるまいに誘われる笑い。彼らには、地位も名誉もゼニもない。そして教養もズル賢さもない。ウマク立ち回ることは根っからできない。至ってまっとうに生きている。曲がったことは大(で)ェキライ。何事にも真っ向からぶつかる。手加減できない。ササイな出来事にも顔色を変
え、怒り、泣き、イサミ立ち、芯からおろおろし、打開を企て、策を練り、世話を焼きあい、失敗し、挙げ句の果てにはショゲカエル。いかにも不器用で不格好な彼らの、欠陥だらけの渡世、、、。そこに漂う笑いは、嘲笑でも同情でもなく、我が姿そのものを見る泣き笑いであろう。「フーテンの寅さん」の笑いもこの種の笑いに他ならない。



四、落語の笑い(そのⅡ)

別の笑いもある。威張り返った役人の、無能を笑う笑い、いかめしいお殿様の世間知らずを笑う笑い。知ったかぶりのご隠居のバケの皮をはぐ笑い。大家サンや借金取りの鼻をあかす笑い。
これらの笑いは、日常において虐げられた弱者と強者の逆転への、庶民的願望に根ざす、痛快な共感の笑いだ。

たとえ「バカ殿」や「バカ旦那」が笑われていたにしても、それは、障害者へのさげすみの笑いとは無縁であろう。笑われるのはあくまでも、内実も伴わずに地位を得、権勢をふるう、文字通りの愚者であるのだ。


五 ついでに
与太郎のしでかすふるまいも笑いを誘う。与太郎は、強者ではないではないか。与太郎は、善良な、冷や飯食いの庶民ではないか。彼を笑う気持ちのウラには残酷な優越意識が働いているのではないか。

いや、そうではないとぼくは思う。そうではなくて、与太郎への笑いは、身内への親愛のあらわれではないか。与太郎のもつ無邪気さ、善良さ、人間味への親しみ
の笑い、心あたたまる思いのあらわれとしての笑いではないかと、ぼくは思う。与太郎は、「われわれ」に属する人間なのだ。



このあたりまでで、B4一枚目が終わります。この担任通信は、3枚綴りなので、まだ話題は「マクラ」の部分ですが、長い引用になりますので、続きは次回といたします。

最近のストック画像を小出しにします。

自然環境体験公園のホオジロ。

この日はよく晴れていました。

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深山公園のナンキンハゼの枝に止まるシジュウカラです。
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同じ枝にヒヨドリもいました。
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 庭でとれたトマト。

毎日少しずつ実るので、採れたてが食卓に上ります。特に一歳の保育園児のお気に入りです。

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 トウモロコシも、実り始めました。

甘くておいしいと、喜んでくれました。

 

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 今日はこれにて。


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