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恍惚の廉価レンズ遊び、の巻 [趣味]

昨日の記事で、インダスター61という中古ロシアレンズを話題にしました。コンパクトな外出用(軽装散歩用)カメラへの志向が、私の長年の習性(?)になっているような気がします。


このブログにも、以前から同じようなことを何度も書いています。


たとえば、、、


涼や羽風幽けき糸蜻蛉


荷物は極力軽くして、軽快に歩くウォーキングというものにあこがれますが、それでもそんなときに限って、思わぬ出会いがあって、ああ、もう少し長い望遠レンズをつけてくるのだった、とか、マクロレンズがあったらなあ、とか、広角レンズが欲しかったとか、いろいろと後悔するのが常です。
そのため、どういう組み合わせで歩こうかと迷った末、予備カメラや予備レンズを置きそびれ、結局肩にずしりと来るバッグを提げて歩くはめになります。良い出会いがあれば、それはそれで満足なのですが、身軽な散歩の心地良さも、捨てがたい魅力です。特に、これと言った鳥の姿を見ないこの季節だと、余計にレンズの重さが邪魔に思えます。
というわけで、PENTAXQ7や、RICHOGX200だけを持って歩いてみますが、帯に短し襷に長しで、メインカメラとしては物足りなさが残ります。
というわけで、「ネオ一眼」スタイルのカメラが手招きをするのです。
これまで、canon の 「PowerShot S3 IS」 や、olympus の 「CAMEDIA SP-510UZ」などを、中古で手に入れて散歩のお供にと試みましたが、それぞれに一長一短で、十分には使いこなせないうちに故障や性能の遅れのために引退となりました。
これに懲りて、しばらくは、レンズ交換式カメラ中心の行動スタイルを基本にしてきたのですが、やはり「これ一台で間に合う」というオールマイティカメラはないものか(しかも、廉価で)と物色するうちに、PENTAXX5を入手。「値段の割りには」という注釈付きでは、なかなか上出来なカメラで、このブログでも再々、撮影画像を使用しました。WEBで利用する程度の画像や、サービス版サイズのプリントならば、十分及第です。家族イベントの記録などでは、小五生に委任して撮影して貰うと、暗い場面でも、ほかのカメラ以上の仕上がりだったりします。
しかし、「コスパ」は十分というもののスペック相応の限界はあって、いざというときの携帯カメラとしては、やはり心許なさがついて回ります。
さて、ところで、これは内緒ですが、ネット上の先輩方(このSO-NETブログでも)に高評の、fuji FinePix S1 が、店頭で魅力的な金額で販売されているのを見て、衝動買いしてから二ヶ月ほどになります。24mm~1200mmをカバーし、マクロ撮影も可能とくれば、欲しいけれど手が出せないでいる、ちょっとしたレンズを買うよりもはるかに安いということになります。ネット上では、私が所有するカメラやレンズをあれこれ組み合わせて挑んでも、及びもつかないたくさんの作例も見せて戴き、羨望の気持ちが大きく動いたのです。
「腕はなくとも、一台で間に合うオールマイティカメラ。しかもリーズナブルな価格で。」そんなうまい話があるはずがない!とは思いましたが、使ってみると、そんなうまい話があったんですね。
このカメラの口コミ評価は、二番煎じ、三番煎じになりますし、富士フイルムさんに特別何の恩義もありませんので、これくらいにとどめます。
高校生の時に最初に買って貰ったのが富士フイルムの、確か「フジカコンパクト」というカメラで、学生時代を通してそれ一台で過ごしました。そのあと、フィルムカメラもデジカメも、使ったことはあり、印象はわるくはありません。もちろん社名にゆかりの、「フィルム」も、「コダック」や「サクラ=小西六」よりも使用頻度が高かったでしょう。それから、白黒フィルム用の、現像焼き付け用品や薬剤、印画紙なども、思えば富士フイルムさんにはお世話になりました。


高校修学旅行の前、自分用に初めて買ってもらったカメラがフジカコンパクト。その次に買ったのがPENTAX MEで、結婚直前のことでした。


いきさつはこの記事に書きました。


AFボーグを誉めるの巻


私は、「ペンタックス党」にも、「オリンパス党」にも属していません。

特別のファンでもないし、特別の贔屓というわけでもないと思います。

でも、一眼カメラに限って言えば、メジャーなN社・C社のものを使ったことがありません。so-net会員でありながら、sony(そしてミノルタ)のカメラとも、 縁がありません。(コンデジは別ですし、C社の事務機器やプリンターは、毎度毎度使わせて貰ってます。sonyの電気機器は、身の回りにたくさんあります。特にベータ方式のビデオ機器から、8mmビデオ、デジタル8mmビデオのカメラ・録画再生装置には、長くお世話になりました。)

偶然の縁で、社会人になった最初のころ、初めて買った一眼カメラがPENTAX Meというカメラでした。

日本製カメラ ペンタックスME PENTAX K機PENTAX Me Body

日本製カメラ ペンタックスME PENTAX K機PENTAX Me Body

このカメラについては、以前この記事で書いたことがありました。

このカメラを買った頃は、赴任地の関係で、山間部に住んでおりましたが、たまたま岡山駅の地下街を歩いておりましたら、商店街に店を構えていたカメラ屋さんが、キャッチセールスをしておられました。無警戒にこれに乗せられて、 後先考えずに買うことになったのがこのカメラでした。

確か、結婚を間近に控えていた頃で、カメラがあっても良いかなと考えていた油断に「つけ込まれた」形です。このメーカーのこの機種を選ぶ積極的な動機は見あたりませんが、一見してスタイルと言い、手になじむ感覚と言い、フィルム巻き上げの感覚や、シャッター音など、メカニックで、洗練された感じが気に入ったことは確かです。

そのあと、ずっと、ペンタックス製品とつきあってきました。

期待して新機種を買っても(大抵エントリー機~中級機レベルのグレードの機種でしたから) いつも、何か物足りない不満感を覚え、隣の芝生を見るたびに悔しい思いを抱き続けたのも、確かです。

それなのに、なぜ乗り換えようとはしなかったのか?

不思議と言えば不思議です。

子ども自分、「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉がはやりました。大勢の人がもてはやすもの、メジャーなものの代表です。

子ども心にこれに反発を感じた私は、巨人よりは阪神を、大鵬よりは柏戸を(それより、なぜか、安念山のファンを自認していました)、 応援したい傾きがありました。

最後の卵焼きには、代替物が見あたりませんでした。

「巨人、大鵬、卵焼き」。これに続けて「自民党」と付け加えても良かったかも知れません。
同じ理由で、自民党よりは社会党を、子ども時代の私は応援したいと思いました。

当時、大人達は、縁側談義の折など、ことある事に自身の生々しい戦争体験を語っておられ、居合わせた子ども達も聞くともなくそれを聞くような場面がよくありました。多くの場合、話は次第に熱を帯び、武勇談に似たトーンに彩られる傾向がありました。そして、たいていの場合、命からがら生きのびた苦難の話題に及び、「戦争はおえん(駄目だ)。平和が一番じゃ」という結論におさまるのでした。

お隣の、同級生の友達のお父さんは、鉱山の坑内で仕事をしておられる筋骨たくましい方で、従軍経験もお持ちでした。床の間には天照大神の掛け軸と、白馬にまたがった昭和天皇の凛々しい軍服姿の写真が、額に飾られていました。

この方が、あるとき、「自民党が政治を続けたら、また戦争になるかも知れん」 と、子ども達に向かって語ったことがありました。

当時の私達は、戦争は過去のものであり、平和憲法を持つ我々は、永久にそれを捨てたはずだと信じていましたから、現実の世にふたたび戦争という選択肢が登場するなどは、想像の域を越えていましたので、この言葉は、「サンタクロースはいない」と、友達から聞いた時と同じような衝撃を私に与えたものでした。

自民党でなければ社会党、と、単純に子ども心に思ってきました。「護憲政党」というのは、無条件に正しいと考えたのです。今では、その「社会党」という政党も、いったん政権についたものの、拭いがたいがっかり感を残して、雲散霧消してしまいましたが、 紆余曲折した、またまた自民党が圧倒多数を占め、改憲準備を着々と進めている今の時代、「自民党が政治を続けたら、また戦争になるかも知れん」というお隣の小父さんの危惧が、せめて杞憂でありますように祈らずにはいられません。

またまた、とんだ脱線でした。


脱線ついでに、縁側談義にちなんだ話題をひとつ。


昨日、半田山植物園に向かう車の中で、朝のラジオ番組を聴いていますと、小室等さんが出演されていました。NHKの「すっぴんブログ」から一部引用します。


●すっぴん!インタビュー  

小室等さんがリーダーをつとめる 「六文銭」

ことし、50周年を迎えました。

1968年の結成から、“六文銭”流の切り口で

プロテストソングを発表しつづけています。

昨年には、谷川俊太郎さんと組んで、

アルバム「プロテストソング2」を発表。

「僕が2、3歳のころ戦争が終わったので、

僕は“戦争を知らない”世代。

だから、俊太郎さんから僕に

バトンタッチされたと思っている。」

(中略)

「昔はもっと、社会や政治について

“文句”を言ってたと思うけど、

ある時期から言えない空気に。」


床屋や街角で、いろいろ談義したあげく、最後には「金輪際」となる。「金輪際、戦争だけは駄目だ」。


しかし、いつの頃からか、この共通認識がなくなったと言います。「六文銭」のニュー・アルバム『自由』には「戦争だけは金輪際」と歌う「こん・りん・ざい」という曲が収められているそうです。小室さんのナマ歌は、いずれも胸に沁みましたが、中でも、黒田三郎さんの詩に、曲をつけた「道」。戦後、南方から引き揚げてきた黒田さんが、焦土と化していた故郷の鹿児島の地に立った時に作った詩だそうです。この詩には覚えがありますが、小室さんのしみじみとした歌声によって、情景や想いが改めて迫って来ました。運転中の視野が曇って困りました。


youtubeにこんな動画を見つけました。


「道」 [詩:黒田三郎 曲:小室等] 歌詞・字幕付 - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=GNPouHb_LLI


話を戻します。


サンライズカメラさんのブログ記事にこんな記述がありました。。



Industar(インダスター)安価なロシアレンズの代表の特徴とは?
Industarとは、ロシアレンズのなかでも廉価なラインの交換レンズに付けられた名前。
他のロシアレンズ同様、大量生産されたためとても安価に中古を購入することが可能です。

設計に無理がないため描写も良好。
テッサー同様の3群4枚構成のレンズは、切れ味鋭い描写をみせてくれますよ。
中略
インダスター61
レンズ構成     3群4枚
マウント     ライカLマウント(キエフ用も存在)

ライカLマウントのインダスター61は、インダスターシリーズのなかでももっともメジャーなレンズのひとつ。
長期間に渡って大量生産されたため、各種のレンジファインダー用レンズのなかでも、もっとも安価に購入できることでも知られている製品です。

安価なレンズとはいえ、けっして描写に劣った部分がないのがすごいところ。
それもそのはず、このレンズの構成は、3群4枚の正調テッサータイプ。
ツァイスのテッサーは「鷹の目」と呼ばれたほどに切れ味するどいことで知られています。

コーティングはマルチコートです。
インダスター61のバリエーション

インダスター61は製造期間が長く、レンズ名や外装などにバリエーションがあります。
基本的にはレンズ構成も同一と思われるにもかかわらず、焦点距離の表示まで異なります。
(中略)
インダスター61 L/D(右)

このレンズですが、焦点距離の表示に53mmと55mmという2種類があります。
基本的にはレンズ構成は同じと思われるため、なぜ表記が違うのか謎です。

絞り羽根は6枚。

製造年代が新しいため作りが粗いこともありますが、レンズ性能自体は良質です。
同時代のカメラボディとしてはFED5が相当します。


リコーGXR+インダスター61という選択は、「『これ一台で間に合う』というオールマイティカメラ 」の対極に位置するもの。画角が55mmと固定している上に、最短撮影距離は100cmと遠い。何よりも手動フォーカス、かつ手動絞りの、徹頭徹尾 マニュアルレンズ。臨機応変の軽快な撮影など望むべくもありません。


でもコンパクトさにかけては、特筆ものです。


手元にあるカメラを並べて大きさ較べをしてみました。


写真は、上の段


左:リコーGXR+インダスター61


中:PENTAXQ7+標準ズームレンズ(PENTAX 02 STANDARD ZOOM LENS)


右:fuji FinePix S1


中の段


左:PENTAX K-X +smc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED


右:olympusE620+LYMPUS マクロレンズ ZUIKO DIGITAL 35mm F3.5 Macro


下の段


OLYMPUS E-3+zuiko70-300mm です。


OLYMPUS DIGITAL CAMERA


超コンパクトなPENTAXQに比べると本少しだけ大きい、というレベルです。ただ、目た目よりはずしりと重いのですが、、、。


このレンズ、中古で5000円程度。果たして高いか安いか?


昨日の半田山植物園ではすぐに電池切れに見舞われましたので、午後、近所の自然環境体験公園で遊んでみました。


山茶花が満開です。


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見慣れた人工池が、ちょっとフォトジェニックな景色に見えます。


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冬木立が面白い造形を見せています。


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冬枯れの木々の表情が飽きません。


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児島湖畔でも撮影実験です。


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露出が暴れるなど、思いがけない写りを見せますが、それもまた『味』というものでしょうか。画像調整なしに掲載します。


今日はこれにて。


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majyo

金輪際・・・この言葉は死語になったのでしょうか
もう一度言いたい
金輪際、戦争はいけないのだと

by majyo (2018-12-14 10:01) 

kazg

majyo様
仰るとおりです。大勢の体験者の方にとって、「金輪際、戦争はいけない」というのは、説明不要、論議不要の絶対真理であったはず。それを耳で聞いて育った私たちが、生きた言葉として蘇らせなければならないのでしょうね。
by kazg (2018-12-14 16:38) 

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