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小豆島探訪拾遺、の巻 [折々散歩]

先日の小豆島探訪の見学地を、駆け足で紹介してきましたが、今日はその最終回。書き残した話題を拾い集めておきます。

1)寒霞渓。

以前、この記事では、紅葉の寒霞渓を訪ねました。

小豆島の旅、の巻(1)

今回は、新緑の渓谷を堪能できました。

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昨日の記事で紹介させていただいた、特殊潜航艇「蛟龍」の元乗組員高橋春雄さんの記事から、寒霞渓にまつわる部分をもう少し引用します。

◯ 終戦


終戦は玉野造船所で迎えた。そして、艇に乗って帰ったかどうか判然としないが、すぐ小豆島の宿舎に戻った。

・ 出撃した艇も戻る

四国の前進基地に出撃した連中も、終戦となり、まもなく小豆島基地に戻ってきた。

・ 寒霞渓での痛飲

このような形で終戦になるとは、もちろん誰も予想していなかっただけに、やりきれぬ憤懣のはけ口を求めてかなり険悪な空気が漂っていた。

上部ではこのような空気を察知したのか、隊員一同にウイスキー(サントリーの角瓶一本)を持たせて、小豆島の名峰寒霞渓に登り、徹夜で呑み明かすという措置を講じた。

寒霞渓は、車やロープウエイを使ってもかなり時間のかかる高い山である。その頂きまで一気に登って、そこで酒盛りを始めた。

それまで殆ど酒など呑んだことのない私に戦友は無理やり口を開けて、ウイスキーを流し込む。こちらもなかば自暴自棄になっているので、どうにでもなれという気持で後のことも考えずにしたたか呑んでしまった。

案の定、すっかり足をとられてしまって、帰る時刻になっても一人で起き上がることができない。戦友に肩を貸してもらってなんとか宿舎までたどり着いたが、そのまま二、三日寝込んでしまった。

遠く海辺や島影まで見渡せます。

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険しい、切り立った崖の様子が、独特です。

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岩の手前に、金属製の円い環が見えます。カーズミラーの類かと思いましたが、向こうが素通しに透けて見えます。瓦投げの標的だそうです。5枚200円で売られているかはらけ 。瓦=かはらけ(土器)を投げて、この環を通ると幸運が訪れるそうです。屋島にも同じような習わしがありましたっけ。子どもの頃、投げたことがありましたが、さてここだったか屋島だったか、それとも両方だったか、記憶が曖昧です。京都の神護寺が発祥だそうで、各地に広まったとか。比叡山にもあるそうで、そこでの記憶だったかも知れません。R0018689

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鮮やかな赤いツツジに、クロアゲハが舞っていました。

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2)富丘八幡神社の桟敷

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掲示板にはこうありました。

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土庄町指定文化財
有形民俗 富丘八幡神社の桟敷
富丘八幡神社の北西側山林の傾斜地を巧みに利用して築かれた石段づくりの桟敷は、最下段の桟敷きの裾を結ぶと約百五十mの浅い馬蹄形になっている。(中略)(高さは約二十四mあり)江戸時代後期から次第に数を増やしてきたもので、戦前はおよそ四百二十面余りあったが、現在使用されているのは三百六十四面程である。いずれの場所からも婆の前掲を見渡すことができる。
この桟敷は祭典当日、それぞれの家族がくつろぐ団欒の場であり、親戚友人を招いての交歓の場でもある。そして太鼓や神輿の奉納など賑やかな祭典行事を楽しみ一日を楽しむ場である。
この桟敷は、(中略)二百数十年の長い間、祭典を盛り上げ人々を楽しませてきた重要な文化遺産である。

眼下に見下ろされる現在の土庄中学校のグラウンドが、往時の馬場だったそうです。その日はちょうどグラウンドで運動会が繰り広げられている最中でした。個人情報への配慮から、写真を撮ることは自粛しましたが、ローマのコロシアムさながらに、競技の様子が手に取るように鳥瞰できます。

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なおも石段が続き、その向こうに鳥居があって、さらに高い場所に拝殿が見えます。

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見下ろすと、海原が一望できます。

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家族、友人、知人とともに、こんな桟敷に陣取って、寛いで過ごすのは、何というゆたかな時間でしょうか。

3)おりんぴあどりーむ

帰りに乗ったフェリーはこれです。

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写真は同行のOさんの撮影。勝手に拝借しました。ゴメンネ。

水戸岡鋭治デザインの「おりんぴあどりーむ せと」です。

産経WEST(2019.5.4)を引用します。

「海を走る遊園地」をコンセプトとする両備フェリー(岡山市北区)の新型フェリー「おりんぴあどりーむ せと」が、新岡山港(同市中区)と小豆島・土庄港(香川県土庄町)を結ぶ航路に導入され、令和に改元された5月1日から運航を開始した。

新フェリーは約940トンで、全長約60メートル。速力は13ノット(時速24キロ)。座席数は229だが、定員は約500人。搭載車両は乗用車60台、大型車10台。

建造費は約14億円で「定期航路でクルーズが楽しめるよう、貨物を主目的とする従来型のフェリーとは異なり、旅客船としての機能充実に力を入れた。私の念願だった」(両備グループの小嶋光信代表)との強い思い入れで計画された。

内装面は同市出身の工業デザイナー、水戸岡鋭治さん(71)が担当。注目は2~4階の甲板部分で、1周50メートルのレールを2周するミニ電車(別途200円、平日除く)が走行。

グループ企業が路面電車にも導入した英国の人気鉄道アニメ「チャギントン」のデザインとした。滑り台やブランコ、キッズコーナーなどもあり、片道約70分の移動時間中を楽しく過ごせる。(後略)

甲板をチャギントンが走っていました。

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この日、は「小豆島オリーブマラソン」の開催日。フェリ-乗り場付近の駐車場も満杯で、前日の夜その情報を教わったので、朝は妻に車で港まで送ってもらい、事なきを得ました。帰りのフェリーは、そのマラソン帰りの方が、敢えて「おりんぴあどりーむ」を選んで乗船されたのでしょう、経験したことがないほどの混雑で、座れる席がありません。致し方ないので、いいオジ(イ)サンたちが、板敷きの甲板に車座になってジベタリアンになりました。潮風が涼しく、快適なクルージングを楽しむことができました。

今日はここまで。


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コメント 4

kenrou okada

ジベタリアンもなかなか乙なものでした。天気が良くて幸いでした。
by kenrou okada (2019-05-31 12:27) 

makkun

kazgさん
こんにちわ~(^^
30年位前にひょんな事で知り合った年上の男性の実家が
土庄港の近くで旅館業を営んでいると聞いて
遊びに行かせて貰いました。
その時に旅館の人に寒霞渓に連れて行って貰ったのですが
あの風景は今でもしっかり脳裏に映ってますよ~
とても懐かしい景色を拝見させて戴きました~o(*^▽^*)o~♪
by makkun (2019-05-31 14:25) 

kazg

kenrou okada 様
>ジベタリアンもなかなか乙なもの
実に寛げるひとときでしたネ、潮風も心地よく、あと、竿と糸があったならサイコーでした(笑)
by kazg (2019-05-31 17:17) 

kazg

makkun様
>土庄港の近くで旅館業
得難いご縁ですね。
この日は、うっすらと靄がかかっているようでしたけれども、見晴らしはあって、時間を忘れてしまうほどの、心惹かれる眺めでした。
by kazg (2019-05-31 17:21) 

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