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自転車遊びの顛末、の巻 [趣味]

先日の記事で話題にした、自転車遊びの中間報告です。

幼児用の自転車は、前輪、後輪ともにタイヤとチュ―ブを新調しました。前輪タイヤは、最初傷みが少なそうに思えたので、チューブだけの交換で済ませようかと思っていたのですが、いざ新しいチューブに付け替えてみると、カエルのお腹のようにぷくっとふくれる有様、やむなくタイヤも付け替えました。そのため、前輪と後輪のデザインがちぐはぐですがこれもご愛敬。さらに奮発して、新品の、片足スタンドをつけると、なかなか精悍な感じになりました。

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でも、4歳のヒメは、片足スタンドはイヤだそうで、もともとつけていた補助輪をつけてくれと言い張ります。仕方ないので、補助輪に付け替えて、贈呈しました。日中は、暑すぎて、試乗もできませんでしたが、夕方、ままの帰宅後、兄や姉にも見守られながら、近所の公園のグラウンドを歓声を上げて乗り回して、ご満悦だったようです。

肝心の、私の愛車。

前輪の取り外しは極めて簡単です。

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ですが、外した前輪を確かめてみたところ、特に不具合はなく、まだそのまま使えそう。そう言えば、以前、タイヤとチューブを交換したのでした。AMAZONの購入履歴を見ると、2013/9/14とあります。6年前ですが、まだまだ大丈夫のようです。

問題は後輪です。

何しろ取り外しが厄介。

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と思いましたが、チェーンを上手に外せば、ラクラクでした。

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これが、外した後輪です。

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後は、タイヤとチューブを付け替えるだけ、、、

と安心したのが大間違い。

先日の記事でも書きましたが、私の自転車のチューブは、仏式バルブ(フレンチバルブ)という形式で、これはちょっとマイナーで不便、と感じることが多かったので、世間によくある英式バルブ(虫ゴムのある普通のタイプ)のチューブを、敢えて注文購入したのでした。サイズは26×1.25と、抜かりはありません。

これで万事うまくいく、はずと思ったのですが、素人の浅はかさ。フレンチバルブと英式バルブでは、リムのバルブ穴のサイズが違うんですって。知りませんでした。ですので、今のままでは英式バルブは2mmほど大き過ぎて、穴を通りません。

選択肢①潔く失敗を認めて、フレンチバルブのチューブを再発注する。

選択肢②バルブ穴を、やすりで削って大きくする。

ネットでは、1000円内外、安いものでは数百円のチューブが販売されていて、注文して1・2日で届くはず。でもその1。2日が待ちきれなくて、ホームセンターや自転車ショップをめぐってみましたが、目当てのものは見つかりません。という状況の下で、いつものことですが、悪魔的な選択をチョイスしてしまったのでした。工具箱の中から丸形のヤスリを探し出して、ゴシゴシ、、ギコギコ、何十分努力したでしょうか。

途中何度も諦めそうになりながら、「愚公山を移す」という故事成語を思い出したりなどしておりました。

太行王屋二山、方七百里、高萬仞。本在冀州之南、河陽之北。北山愚公者、年且九十。面山而居、懲山北之塞出入之迂也。聚室而謀曰、吾與汝畢力平險、指通豫南、達于漢陰。可乎。雜然相許。 其妻獻疑曰、以君之力、曾不能損魁父之丘。如太行王屋何。且焉置土石。雜曰、投諸渤海之尾、隱土之北。 遂率子孫、荷擔者三夫、叩石墾壤、箕畚運於渤海之尾。 鄰人京城氏之孀妻、有遺男、始齔。跳往助之、寒暑易節、始一反焉。河曲智叟、笑而止之曰、甚矣、汝之不惠。以殘年餘力、曾不能毀山之一毛。其如土石何。 北山愚公長息曰、汝心之固、固不可徹、曾不若孀妻弱子。雖我之死、有子存焉。子又生孫、孫又生子。子又有子、子又有孫。子子孫孫、無窮匱也。而山不加增。何苦而不平。河曲智叟、亡以應。 操蛇之神聞之、懼其不已也、告之於帝。帝感其誠、命夸蛾氏二子負二山、一厝朔東、一厝雍南。自此、冀之南、漢之陰、無隴斷焉。

【『列子』湯門篇】

『地方語訳』

中国に太行山と王屋山いうふたつの山があるけえど、そりゃあ、もとは今の場所にはなかったんじゃ。
昔やあ、えれえ離れた冀州(きしゅう)の南、河陽の北にあったんじゃ。昔、北山に愚公という九十歳になろうかゆう年寄りがおったんじゃ。その家あ、太行山と王屋山ゆうふたつの山に面しておって、
家の出入り口が山の北側でふさがれとったもんじゃから、 どけえ出かけるにも遠回りせにゃあぺなんだんじゃ。
あるとき、愚公は家族を集めてこう言うた。
「みんなであの山を切り崩して平にし、 予州の南へ向こうてまあっすぐ、道をつくって、 漢水の南岸まで通らせてえ思うんじゃけど、どうじゃろうか?」
みな、ええなあ言うて賛成したけえど、おカミさんはこう言うたんじゃ。
「あんたの力じゃあ、ちんまい丘せえ崩せますまあがな。 ましてや太行山と王屋山みてえな大けえ山はムリに決まっとりましょうが。 せえに、山を崩した土はどこに捨てるんですりゃあな?」
家族のみんなは言うた。
「渤海(ぼっかい)か隠土のへんまで捨てに行きゃあええが」
愚公は孫・子を連れて作業をはじめたけえど、 モッコをかつげるモンはたった三人じゃった。岩をぶち砕き、土地を切り開き、 箕(み)やモッコで、土や石を、遠ええ渤海のはずれにまで運んだんじゃ。

愚公のとなりにゃあ未亡人が住んどって、ようよう歯が抜け変わったばあの七、八歳ぐれえの男の子がひとりおった。 その子も手伝うた。けど、、土を運んでようよう一ぺん家に戻るまでにゃあ、半年もかかった。
河曲に住む智叟(ちそう)という利口なとしよりが、あざ笑うて愚公に言うた。

「あきれたことじゃ。アンタの老いぼれた力じゃあ、山の草いっぽんも、満足には抜けまあに。 まして、あれだけ膨大な土と石をどうしょう言うんなら?」

愚公が答えたことにゃあ、    
「固え頭じゃなあ。隣のボウズ以下じゃ。 ええかな?わしが死んでも、子があとを継ぐ。 子は孫を生み、孫はさらに子を生む。 子子孫孫、果てることはねえ。 山の土石は、たしかにえれえようけことぉあるけぇど、限りゆうもんがあらあ。 なんでいつぞにゃあ、ぺちゃんこにできんはずがありましょうにい」     
智叟はけえす言葉も無かったそうな。

山の神さんは愚公の言葉を聞いて、ほんまに山が切り崩されてしまやあせんかと心配して、天帝サマに報告したんじゃ。天帝サマは、えろう感心して、夸氏と蛾氏ゆう巨人の息子ふたりに言いつけて 、太行山と王屋山のふたつの山を背負うて、一つは朔東( 朔北の東部。今の興安嶺あたり)一つは雍南( 雍州の南)ゆう、えろう遠ええとこへ運ばせたんじゃ。
こうゆうわけで、冀州の南から漢水の南側にかけては、小高ぇ丘ひとつ無うなってしもうたんじゃ。

デジタル大辞泉 の解説には 「 どんなに困難なことでも努力を続ければ、やがては成就するというたとえ。」とあります。

しかしながら、手持ちのヤスリは、形状のせいか、摩耗のせいか、なかなか仕事がはかどりません。ここで作業を中断して、より効率的なヤスリを物色に、ホームセンターへ行ってみました。しかし、結構良いお値段で、新しいチューブを購入した方がマシ?と思えるほどでした。諦めていったん家に引き返し、また、愚公流のギコギコ、ゴシゴシに戻りましたが、やっぱり作業がはかどりません。しびれを切らせて、今度は、100円ショップで、使い捨て覚悟で丸形ヤスリを購入。これが、期待以上に作業をはかどらせ、英式バルブに適合する穴を開けることができました。こうなれば、後は無問題で、新品タイヤとチューブを装着した後輪を、自転車に取り付けることができました。     

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前輪も元に戻し、愛車が復活しました。

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早速近所を試乗しています。

田園風景を斜めに見ながら走ります。目には愉しいのですが、カメラを構えるにはいったん止まって操作しなければならず、勢い撮影の余裕もなく通り過ぎることになります。

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借りてる畑の様子を見てみました。

すさまじい雑草です。

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鎌を一本積んでいきましたので、草払いをしてみますが、早々に挫折。激しい汗をかきました。

カボチャが沢山実っていました。種も苗も植えたわけではありません。去年のこぼれ種から生えたものです。有り難い自然の恵みです。

右端は、ヒョウタンです。小学生の所望により植えましたが、もはや興味は薄れたようです。見栄えは悪いが、デカいです。持って帰ると、さすがにみんなビックリしてました。

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口にドリルで穴を開け、水に漬けて腐らせ、中の種を取り出して乾燥させる、という工程を、孫と一緒に楽しむつもりです。昨日は、孫がドリルで穴を開け、たっぷりの水に漬けました。さてどうなりますか?

もう一つの修理対象自転車は、長女の中学・高校への通学用だった古いもの。あれこれ修繕して、スプレーペンキを吹き付けたりなどしたものを、妻が使っていましたが、再三のパンク(虫ゴム劣化もありました)に見舞われ、最近は前後輪ともパンクしたまま放置してあったものです。前回記事の通り、前輪は新しいチューブとタイヤに取り換えました。後輪は、その難易度の高さにひるんで、ご近所の自転車店に修理依頼せねばと思っていたのでしたが、ここ数日の「勢い」で、タイヤとチューブ一式をホームセンターから買ってきて、交換に着手したのです、、、、が、やっぱりムズい。というより、ネジ類がさび付いていて、思い通りには取り外せないのです。ですのでねじ山修復材などを買ってみたもののムダな出費でした。やむをえず、乱暴粗雑なやり方で、後輪を車体から取り外し、タイヤ交換に挑みました。

当然、元通りというわけにはいきませんが、なんとか組み立てることがとができ、只今妻に試乗を要請しています。

今日の気温は36℃とかで、アルバイト帰りの夕方も、とても自転車で走る気力はありません。こんな風に、やがて来る凍える冬までに、何度利用できるかは分かりませんが、ほんのしばらくの佳い季節を、自転車で楽しめたらと、夢見ているところです。

今日はこれにて。


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コメント 6

kenro okada

『愚公移山』懐かしいですね。自転車の修理、愚公も裸足で逃げていきそうですよ。すばらしい。私は、ここ数日の暑さで夏バテ復活でグタグタです。
by kenro okada (2019-09-10 19:07) 

kazg

>夏バテ復活
まったくです。尋常じゃありませんね。エアコンのお世話になりっぱなしです。
by kazg (2019-09-11 06:53) 

momotaro

ご活躍に敬意!
百均の工具はバカになりませんよね
自転車で秋を楽しむ
いいなぁ、わたしは股が弱くて、残念ながらできません。
by momotaro (2019-09-19 05:51) 

アヨアン・イゴカー

>「愚公山を移す」という故事成語
おもしろい話ですね。
一世代で物事を考えないところが、西洋のゴシック建築、ガウディのサグラダ・ファミリア、グリム兄弟のドイツ語辞典などにも共通していて、いかにも知恵がある、と強く感じさせられました。
by アヨアン・イゴカー (2019-09-20 13:36) 

kazg

momotaro様
百均、しょっちゅうおせわになってます。
>自転車で秋を楽しむ
毎年のようにこんなことを考えては。すぐに挫折してしまいます(汗)

by kazg (2019-09-21 05:51) 

kazg

アヨアン・イゴカー様
>一世代で物事を考えないところ
なるほどその通りですね。
>「愚公山を移す」
毛沢東時代の中国では、現実軽視の精神論を鼓舞するために盛んに吹聴されたいやな記憶もありますが、、、この故事成語自身に罪はありませんね。


by kazg (2019-09-21 05:58) 

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