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フライングですが、の巻 [日録]

不要不急の外出を控え、半閉じこもり生活を余儀なくされている昨今、時間はたっぷりあります。

とは言っても、学校休校の余波で、繁忙化がすすむ託児所業務の合間を縫ってのことですが、それでも、パソコンに向かう時間が増えました。逃れられない用務もいろいろあるのですが、そればかりだと気が滅入るので、思いついたのが、kindle出版へのチャレンジ。

まずはこれに取りかかっていますが、なかなか進捗しません。

カルロス爺さんの思い出: そこにある戦争 (MyISBN - デザインエッグ社)

カルロス爺さんの思い出: そこにある戦争 (MyISBN - デザインエッグ社)

  • 作者: 木下透
  • 出版社/メーカー: デザインエッグ社
  • 発売日: 2019/09/09
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)

後書きだけは書いたのですが,実物はまだできあがりません。

ただ、今日五月三日執筆としていますので、フライングながら,発表させていただきます。

Kindle版へのあとがき(大人の読者の方へ)

約五十年前、作者が高校生時代に書いた作品です。最近になって、ほとんどそのまま、自身のブログ(「ナードサークの四季」https://kazsan.blog.ss-blog.jp/)上に掲載したものを、なりゆきと勢いにまかせて、書籍として出版したのが、昨年(二〇一九年)の夏でした。このたび、kindle版での出版に当たって、挿絵・写真をカラーにしたほか、価格設定を幾分お求めやすく改めました。

この作品は、当時の高校生が、自身の自分さがし・自分づくりの過程で、世の中に目を向けたとき、「そこにある戦争」に思いを馳せずにはいられなかったことのささやかな記録です。日本を最前線基地にして、泥沼のベトナム戦争が繰り広げられていた時代でした。平和憲法の下にある日本の若者は,侵略の銃を携えて直接海外に出向いて行く悲劇から免れていましたが、アメリカやその同盟軍の若者と、戦火の中のインドシナの人々は,日々血を流し、命を奪い奪われあっていたのでした。この作品は、まさしく、平和憲法を持たない国・時代を舞台に、有り得べき日常の一コマをえがいたものです。    

近年、安倍晋三首相のもとで、「秘密保護法」、「共謀罪」、集団的自衛権行使容認の「安保法制」など、昔来た道を思わせるきな臭い動きが進んでいます。「戦後レジームからの脱却」「美しい国日本」などを掲げる彼は、「みっともない憲法」などと現憲法への敵意をむき出しにし、ついには九条をターゲットとした改憲の動きを強めています。今年の年頭会見でも、「必ずや私自身の手で成し遂げたい」と、任期中の改憲に意欲を示しています。

東京オリンピックと改憲という二つの大事業を成し遂げた宰相として、歴史に名を残したいというのが彼の「悲願」なのかも知れません。しかし、前者は新型コロナ感染症の拡大によって、実現が阻まれることになりそうです。後者も、広く国民の不同意を「忖度」して、きっぱり断念なさることを念じています。

戦後七十余年間,日本国民が、戦争で他国の民を一人として殺したり、また殺されることもなかったという「奇跡」は、「政府の行為により二度と戦争を引き起こすこと」を禁じ、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。」として、平和国家としての覚悟を世界に宣言した日本国憲法に負うものです。それは、アジアを中心に数千万人もの無辜の民と、三百万人もの自国民の命を奪った侵略戦争への深い反省の上に、二度と同じあやまちを繰り返さぬ誓いから生まれた,日本国民の切実な「希求」の結晶に他なりません。それはまた、日本人のみならず、地球に生きるすべての人々にとっての、共通の「宝」といえるものです。

新型コロナ感染症の拡大は、人類に、憎悪や抗争を棄て去り、その英知を結集して、手を携えあって「生き延びるための共同」の道を探るという未曾有の試練を与えています。それだけに、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」し、「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」と宣言する日本国憲法の理想が、ますます輝きを増し、あまねく世界の人々に共有される日の近いことを祈念したいものです。

(二〇二〇年五月三日 七三年目の憲法記念の日に)

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写真は,昨日の朝景色です。空が異様に赤いのは、霞か雲か、、、いや黄砂のなせるわざでしょう。コロナの影響で中国での工業活動が抑えられ、PM2.5など有害物質の排出は減少しているものと思われますが、やはり黄砂に混じって、飛散してきているらしく、鼻水くしゃみ。涙が止まりません。毎年のことですが、花粉症に悩まされる時期の不快症状の大部分はこの黄砂によるものではなかろうかと、ひそかに推測しています。
今年もそれだろうと思っていますと、37.5度の熱が出ました。家内では、妻、新生児の母親、と相次いで発熱し、それぞれ順次平熱に戻って,今度は私の番です。時期が時期だけに、医療機関を訪ねるのもはばかられ,自宅療養に。二日ほど床に就いて、回復しました。少々心配しましたが、、、。
今日はこれにて。

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momotaro

タイムリーな名文、幸運にもタイムリーに拝読することができました。
昨今のことも要領よくまとめられているので、備忘のため、メモ帳にコピーさせていただきました。
新型コロナに限らず、体調を崩すことはありますから、お大事になさってください。
by momotaro (2020-05-04 04:39) 

八犬伝

素晴らしい「あとがき」ですね。
まさに、仰る通りだと思います。
こんな時代だからこそ
日本国憲法の精神を大切にしたいと思います。
by 八犬伝 (2020-05-04 11:05) 

kazg

momotaro様
ありがとうございます。
コロナ対策を口実に,どさくさに紛れて、憲法を改悪し緊急事態条項を盛り込むなど、火事場泥棒的な悪知恵のことを、書きそびれました。
by kazg (2020-05-04 20:22) 

gonntan

すごいですね、出版までされるとは。momotaroさんの指摘に同感です。憎しみよりも共感、争いよりも手を携えて。コロナ騒動がもたらした良いことは、それに多くの人が気づいたことではないでしょうか。
by gonntan (2020-05-04 21:28) 

kazg

八犬伝様
お返事遅れて申し訳ありません。よくやる操作ミスで、送信に失敗してました(汗)
アベ氏は憲法に不備があるからコロナ対策を思い切ってできないなどと難癖をつけて、自分の非を責任転嫁しながら、どさくさ紛れに改憲を言いつのっています。病膏肓ですね。
by kazg (2020-05-05 03:07) 

kazg

gonntan様
いやはや、身の程知らずの愚挙、お恥ずかしい限り、、、、
>コロナ騒動がもたらした良いことは、それに多くの人が気づいたこと
おっしゃるとおりですね。排他と利己が増幅された一面も見せながら、共感し励まし合う気風も広がっていることは希望です。
by kazg (2020-05-05 03:14) 

U3

kazgさん こんにちは。
わたしもAmazonパブリッシングで出してみようかと思っています。
by U3 (2020-05-06 12:57) 

kazg

U3様
できあがりをお待ちしています
by kazg (2020-05-08 13:21) 

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