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毎度おなじみフライング、の巻(最終回) [時事]

連載第5回目になります


この文章は、私の所属する退職同業者親睦団体の定期総会に諮る議案書草案の一部分の執筆を、私が仰せつかることになり、悪戦苦闘・苦心惨憺・労苦呻吟の末、でっち上げたもの。毎年開かれているる定期総会が、コロナのために二年連続で中止となり、議案書を発送して返信ハガキで承認・非承認を問う段取りになっています。実はその議案書、まだお仲間の手元に届く前の段階なのですが、フライングで勝手にネット上に載せてしまったという次第。もし不都合がございましたらどうかご指摘ください。削除その他適切に処置する所存です。


今回は、連載最終回になります。


内輪の事情もいろいろ出てきますので、趣旨を損なわない範囲で若干省略や一般化など表現の改変があり、もとの文章そのものではないことをお断りしておきます。


(5)コロナ禍のもと,非正規労働者や女性に大きな被害が集中するなかで,困難な環境にある子どもたちに矛盾がしわ寄せされています。それだけに,子どもたちの成長・発達を保障し,人と安心してつながることができる居場所としての学校の役割の大切さが,改めてクローズアップされてきています。また,経済効率を最優先し,格差と貧困を拡大してきた新自由主義的政策の問題点がコロナの中で一層鮮明となり,「コロナの中で教育の原点が見えた」「今,教育とは何かの議論が必要」との認識が広がっています。
一方,「Society5.0 に向けた人材育成」など,国や財界の求める「人材」づくりがすすめられるとともに,改訂学習指導要領の示す「資質・能力」がおしつけられ,「GIGA スクール構想」など「教育の ICT 化」が加速し,現場に大きな混乱とためらいを引きおこしています。中教審答申が示す「個別最適な学び」は,子どもたちを競争させ「孤立した学び」に追い立てるとともに,学びのあり方を根本から変容させる危険性をはらんでいます。民間産業による公教育への歯止めない参入も放置できません。こうしたもとで,教職員の自主性と専門性をいかし,子どもの実態から出発した教育をすすめることがますます重要となっており,退職教職員の立場からの適切な協力・支援が強く求められています。
文科省は,労働時間の原則を崩し,長時間労働を覆い隠す「1年単位の変形労働時間制」を各学校へ導入しようとしています。今や市井の人々にも「常識」として知られてきている学校の「ブラック企業」性,とりわけ教職員の際限なき長時間過密労働の解消のためには,競争主義的教育政策の見直しとともに,教職員定数の改善が必要です。また,コロナ禍のもとで,子どもの感染を防ぐ安全な距離を保つためにも,少人数学級の実現は急務です。
私たちも参加する「ゆきとどいた教育をもとめる岡山県民の会」の運動をはじめ,父母・保護者,地域住民の長年にわたる粘り強いとりくみの中で,40年ぶりに学級編制標準を引下げ,小学校での 35人学級が実現しました。あわせて,特別支援学校設置基準の策定にむけて前進を勝ち取りました。今後さらに,早急に30人学級,その後速やかに20人学級の実現へと,運動を強めていく必要があります。
(6)5月15日(土),会場・オンライン併用で開催された「子育て教育のつどい2021」は,アメリカ発の新自由主義教育に詳しい教育研究者鈴木大祐氏を迎えて,「コロナ禍がうつしだした教育の闇と光」との講演を聞きました。その中で,鈴木氏は,「退職教職員は『希望の星』。いろいろな活動に,元気に伸び伸びと参加している姿は周囲を元気にする。『良い時代』を知っている皆さんが,今の絶望的な状況しか知らずに日々呻吟している現職の人たちに,あるべき教育や職場の可能性に気づかせる役割を果たしてほしい」旨強調されました。確かに私たち退職教職員は,「良い時代=まっとうな時代」に教員生活と教職員組合活動を経験し,それがだんだんと冒されてきた経過を身をもって体験してきた世代です。一方,現職教員の多くは,教師としての出発時点から,息苦しい窒息状況を「普通の状態」と受忍しつつ教師生活を歩んでいるのかも知れません。競争と評価にさらされ、「せっかく人を育てる仕事に関わりたくて教師になったのに,それができないで喘いでいる教師達が全国に山ほどいる。だからこそ,子どもたちが学びひたり教師達が教えひたれる教育環境づくりにとりくむには今が絶好のチャンスなのではないだろうか」(鈴木大祐著『崩壊するアメリカの公教育 日本への警告』岩波書店)の言葉を深く受け止め,このチャンスを生かす一助となりたいものです。
私たちの会は,昨年,設立40年記念誌を発行し,会員の皆さんにお届けしました。その巻頭の会長あいさつにこうあります。

思えば,後半20年間は,私たちが,在職時代,教育の土台としてきた憲法と教育基本法(旧)が,政治的に大きな圧力を受け,それとのたたかいの歴史といっても過言ではありません。残念にして,教育基本法は変更されましたが,9条をはじめとした憲法・平和問題は,大きな国民世論とともに,今や世界へ向けて拡がりの方向も見えています。
私たちは,「ひとりぼっちの退職教職員にならない」「ひとりぼっちの退職教職員をつくらない」のスローガンのもと,「会員相互の親睦・交流七分,運動三分」のとりくみを,「教え子を再び戦場に送らない」立場を基本に展開してきたところです。
この視点からの記念誌の各記事は,大きな共感を与えてくれるものと確信しています。

コロナの蔓延が収まらず,計画していた記念式典は,昨年に続き今年も実施が不可能となりましたが,いま,この思いを共有し,道標としながら,さらに新たな歩みをすすめていこうではありませんか。


内輪の文章を、このような形で世間にさらすことにはいくらかためらいはありますが、一つは私自身の生来の自己顕示欲の所為、今一つは、私も草案執筆にタッチはしたものの、完成原稿は合議を経たものであり、世の人に訴える何か積極的な価値を含んでいるのではとひそかに信じるためです。




あともう一つ、私を苦しめている仕事の一つに、地元年金者組合のお手伝いがあります。その(私にとっての)最大のものは会計係の仕事です。ここ数日、その作業にかなりの労力を費やし、ようやくめどが見えてきました。きょうはちょっと晴れ晴れとした気持ちで、遠出してみました。


吉備路・備中国分寺を訪ねてみたのですが、なんと、コロナのため駐車場が閉鎖されていました(がっくり)


仕方が無いので、車でグルリと回り、路上で数枚パチリ。


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水田に写る五重塔が絶景です。


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今日の最大の目標は、ヒイゴ池のハッチョウトンボ。なのでしたが、ご報告はまた次回。


きょうはこれにて。


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momotaro

kazgさんがいらっしゃる会は、中身がビシッと締まりますね。会計のほうの引き締め役はどなたか別の方がやってくれるといいですね。
35人学級ですが、今年の小学1年生から始めて5年がかりなんですよね、確か。
それなら、今年は39人、来年は38人と年々一斉に減らしていくほうが平等だと思うのですが、いかがなものでしょうか?
by momotaro (2021-06-27 07:07) 

kazg

momotaro 様
>年々一斉に減らしていくほうが平等
本当ですよね。こんなところにまで「世代間格差」が持ち込まれるのは罪作りです、、、
by kazg (2021-06-27 09:20) 

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