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戦前 戦中 戦後 戦後後 そして”戦前”   木下透 [木下透の作品]

お恥ずかしいことです。あとで校正をするつもりで、下書き保存したはずが、公開してしまっていたのです。

改めて、完成版をUPします。


このカテゴリーの文章は、おおむね、私自身の回想に関わるので、常体(だ・である調)で書くことにする。

木下透は、私の高校時代の筆名である。彼の作品を紹介するのが、趣旨である。未熟さは、その年齢のなせる業なので、寛容な目で見てやっていただきたい。

今日掲載するのは、高3の時の作品だ。黒表紙の活字版の冊子ではなく、ガリ刷りホチキス止めの手作り冊子に掲載した。この冊子は経年とともに劣化し、何度もの引っ越しのうちに汚損し、ページが散逸しており、最近はしばらく行方不明になっていたが、今朝の捜索で発見された。

「失せもの探しの人生」で、悲嘆すること常であるのだが、今日は朝から気分がいい。

ただ、苦労してこの作品を探したのは、安倍さんの「秘密法」ごり押しが腹に据えかねたせいだ。

第一次安倍内閣が、ご本人の健康問題により中途で投げ出した格好になったことを、厳しく批判する声もあったなかで、私などは、ほぼ同世代のものとして

多少同情とともに見てきて、また健康回復されたことはご同慶の至りと、本心から思ったのだったが、政権獲得後の仕事の中身はいただけない。

忘れかけていたけれど、そもそも第一次安倍内閣は、

「美しい国づくり内閣」

「創りあげたい日本がある。 美しい国、日本。」

「戦後レジームからの脱却」

「改革実行力」などの勇ましいスローガンを繰り返し、

「防衛庁設置法」等の改訂で防衛庁を防衛省に格上げし、

「国民投票法 」の新設で、憲法改定手続きを具体的に定め、

「憲法の理想の実現は教育の力にまつ」とされた1947年版の「教育基本法」を変質させ、

「学校教育法」「教育職員免許法」「教育公務員法」「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」など一連の法改定により、教職員への締め付け(お上のいいなりになる教員づくり)を根幹に置く「教育改革」を進めてきた。学校現場を多忙と混乱に追い立てている「免許更新」制度も、彼の思いつきからごり押しされたんだっけ。

 これをもとに鈍い頭で考えてみるに、「戦後レジームからの脱却」って、つまり、戦前に戻るって事なんじゃないの?

高校時代の私は、これがホントに現実になるなどと考えたわけではないが(甘かった!)、世の中が「戦前」に進もうとしているような素朴な直感から、こんな詩を作った。

佐藤栄作内閣時代で、 「もはや戦後は終わった」などの発言があった時代だ。高校生の私は、戦後がおわったのならば、次に来るのは「戦後後」で、その先は次の戦争に向かう「戦前」ではないか?と不安を感じたのだった。それが今、まもなく現実になる!なんてことがないように祈りたいものだ。


戦前 戦中 戦後 戦後後 そして”戦前”     木下 透

(1)

てんのうへいかさまは まずしいものを ごらんになって おあわれみになり きんすを おほどこしに なりました。
いやしいみぶんの ものどもは みんな なみだをながして よろこびました。
てんのうへいかさまの みよが ながく つづきますようにと いのりました。みんな、みんな。

(2)


てんのうへいかさまは ぜんせかいのにんげんが へいわにくらせるようにと せんそうを おはじめになりました。
にっぽんは しんこくですから かならずかつのですと こうちょうせんせいが おしゃいました。
こくみんは みんな よろこんで へいたいに なりました。
おくにのために だれもだれも よろこんで しにました。
てんのうへいかばんざい、 だいにっぽんていこくばんざい。
あじあのみんなが さかえますように。

(3)


てんのうへいかさまは にんげんで あらせられました。
にっぽんこくは へいわを ちかいました。
こくみんは だれもだれも よろこんで なきました。
ちちや ははや こどもを なくしたこくみんも よろこんで なきました。
たべものがなくて ひもじくても よろこんで なきました。
にっぽんこくは へいわを ちかいました。てんのうへいかさまは にんげんで あらせられました。

こくみんは じゆうと びょうどうと それぞれのけんりを ほしょうされました。
あめりかは にっぽんこくの ゆうじんとなりました。
あめりかも にっぽんこくも たがいにさかえますように こくみんは いのりました。
にっぽんこくは さかえました。
こくみんは ゆうふくに なりました。
しょとくは ばいぞう されました。
いっかに いちだい てれびが あります。
まちまちに ぬうどげきじょうと ぱちんこやが たてられました。
(となりのおくにが ちいさくみえます)
こくみんは たのしく くらしました。
にっぽんこくは へいわです。
にっぽんこくは こくみんの あんぜんを まもるために ぼうえいたいを つくりました。
こくみんの あんぜんは ほしょうされました。

すいがいや かさいのさいには なんにんものひとびとが たすけられました。

こくみんは ないて よろこびました
にっぽんこくは へいわです。

こくみんは じゆうです。

(5)

こくみんの だいひょうのひとりは むねをはって いいました。
ひとりびとりが くにをまもるいしきを みにつけよう。
こどもたちは むねを ときめかせました。
ほんとうに じぶんたちが ほんものの てっぽうをもって くにをまもることを ゆめみて よろこびました。

 


手元の印刷物は、すり切れ汚損していて、ここまでがやっと解読できた。

 

この先の記述があったかどうか、記憶も曖昧だし、原稿も散逸しているので、確かめるすべはない。

この作品を書いてから、40年以上が経過した。

その間に、事態はどう変化しただろうか?

付け加えるべき記述は、ごまんとありそうだ。

が、それを書き入れたとしても、「戦前 戦中 戦後 戦後後 そして”戦前”」の、スパイラルから、いまだ脱し得ていないことは、残念ながら否定できないのではないか?

最後の”戦前”に抹消線を施して「恒久平和」と書き入れる事ができるよう、 人類の理性と英知の方向へ、心を合わせたい。

岡山後楽園のカルガモからのメッセージ。「この世に生を受けたものたちの上に、真の平和が永遠に続きますように。」

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 オナガガモも平和が好きと言っています
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ヒドリガモも、仲良く生きたいと言っています。
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