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嵐の中の帝釈峡散歩、の巻 [折々散歩]

昨日の記事の続きです。
台風22号接近の中敢行された「錦秋の神石高原町」を訪ねる旅について、同行のお仲間が、すでにfacebookに記事を寄せておられました。
まずは、行き帰りのバスで私と隣り合わせに座っておしゃべりを楽しんだOさん。


そして、バスでは一つ前の席に座っておられたI先輩。

お二方のこの記事が、簡にして要を得たレポートになっていて、付け加えるべきことはありませんが、備忘的に、少しだけ遅ればせの蛇足記事を書きます。
時間調整のため、往路は予定を変更して、180号線を北へさかのぼり、高梁→新見を経由して広島県へと県境を越え、東城、上帝釈へと向かいます。
増水した高梁川を眺めながら、途中、トイレ休憩に立ち寄った絹掛の滝(新見市草間)は、過去にも何度か通りかかったことがありますが、これほどの名瀑だとは思いませんでした。台風による降水のおかげでしょうか。









これらの写真を撮っただけでも、台風をおしてこのツアーに参加した価値はあったと、ひそかに思ったことでした。
車窓の風景を見ながら、四方山ばなしに花が咲けば、時間が経つのも忘れます。
若山牧水ゆかりの哲西町を過ぎるとすぐに広島県です。
以前、こんなことを書きました。
白玉の 歯にしみとほる 出会いかな(意味不明)

 若山牧水と新見市とのつながりは、牧水が早稲田大学在学中に、病身の父の見舞いも兼ねて郷里の宮崎へ帰省する途中、花袋の「蒲団」の舞台となった新見市を訪ね、中国路を旅した時、哲西町二本松峠の茶屋「熊谷屋」でつぎの二首を詠んだことにちなみます。
 幾山河こえさりゆかばさびしさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく
この先、幾つの山や川を越えて旅していけば、さびしさの尽き果ててしまう世界にたどり着くのだろうか!今日もこの思いを抱えながら旅をする私である。

けふもまたこころの鉦をうち鳴らしうち鳴らしつつあくがれて行く
巡礼者が鉦(かね)をうち鳴らしながら旅を続けるように、この私も、こころの鉦を鳴らし鳴らししながら、心がさまよい出るような旅を、今日もまた続けていることだよ。
二本松峠は、岡山県新見市哲西町(平成の大合併以前は、阿哲郡)と、広島県庄原市東城町の境に位置する峠です。
ここには、牧水、妻の喜志子夫人、長男の旅人氏の、親子三人の歌碑が建てられています。



道の駅「遊YOUサロン東城」で早い昼食を摂り、屋内施設である時悠館を見学します。

1万2000年前の「無文土器」を初め、帝釈峡岩陰遺跡群の出土遺物を中心に、石灰岩台地特有の動植物や東城地域の民俗文化財などが豊富に展示されています。旧石器・縄文・弥生時代の人々の生活に思いを馳せます。
やがて雨も小やみになるなか、帝釈峡(上帝釈)のぶらり散歩です。足もとはぬかるんで歩きにくいし
、いささか光が不足していて撮影には不向きなコンディションですが、水かさの増した清流と、色づき始めた紅葉、苔むした老木など、悠久の時間を宿した渓谷の全体が、すっかり雨に潤っている様は、より幽玄の趣を増して感じられます。
駐車場から雄橋まで、往復の際に写した写真を、フォト蔵に掲載しています。まずは、スライドショーで一端をご覧ください。






、今日はこれにて。

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写真素材 PIXTA