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立春も近いと言うに、、、の巻(1) [今日の暦]

冷え込んだり緩んだりしながらも、夜は零下という日々が続きます。
でもそうこうするうちに今日で一月も終わり。もうすぐ節分、そして立春がやってきます。
去年の節分にこんな記事を書きました
節分にちなんで、の巻

 留学生相手の日本語授業で、昨日は節分を題材にしたプリントを作ってみました。作成に結構時間がかかりました。
少しだけご紹介します(一部改作。また、実際には漢字の多くにふりがなを施していますが、煩雑になりますのでこのページでは省略します。)

  次の文章を読んで後の問に答えなさい。

 一年を24等分する暦「二十四節気」の中に、①「立春」②「立夏」③「立秋」「立冬」と呼ばれる日がありますが、それぞれの前日を「節分」と呼びます。「季節を分ける日」という意味です。

節分の風習は. 奈良時代頃、中国から伝来し、 平安時代に宮廷の行事として定着したと言われます。

 節分は、もともと一年に四回ありますが、なかでも「立春」が一年の始まりとして、とくに尊ばれたため、節分といえば次第に春の節分のみをさすようになったようです。
古来、季節の変わり目には鬼が出ると言われていて、節分に豆をまいて鬼を追い払う行事は、室町時代から続いています。
豆まきは、普通、「福は内、鬼は外」と掛け声をかけます。これは邪気=鬼を払って福を呼び込むということですが、場所によっては⑤「鬼は外」という言葉を言わなかったり、⑥「福は内、鬼は内」というかけ声をかけるところもあるのです。
 例えば千葉県にある成田山新勝寺では、「福は内」とだけ言って、「鬼は外」とは言いません。これはご本尊の不動明王の力がとても強力なため、あえて鬼を外に払う必要がないからだそうです。
 また奈良の元興寺や、青森県弘前市の鬼神社、埼玉県嵐山町の鬼鎮神社など各地の鬼に関連する神社でも「福は内、鬼は内」という掛け声になります。
問1 次の①~④の漢字の読み方を書きなさい。
①「立春」               ②「立夏」
③「立秋」               ④「立冬」
問2  節分の豆まきは、「鬼」を追い払って福を呼び込もうとする行事ですが、「鬼」とは何のことだと書かれていますか。漢字二文字で答えなさい。
問3 傍線部 ⑤「鬼(おに)は外」という言葉を言わなかったり、傍線部⑥「福は内、鬼は内」とむかけ声をかけるところ に当てはまるのはどこですか。文章中からそれぞれ一つ抜き出して答えなさい。
ところで、豆まきのかけ声について、こちら
https://allabout.co.jp/gm/gc/220642/) 
に興味深い記事がありましたので引用させていただきます。


昨年の授業では、あるクラスは2人、別のクラスでは10人余りの出席で、プリントづくりの『労力』が空滑りした記憶だけが残りました。
性懲りもなく、今年も同様のプリントを作り、加えて別途、「恵方巻き」も話題にしてみました。下は、その一部です。(なお、プリントでは漢字の多くにふりがなを振っていますが、煩瑣になるので、ふりがなは省略します)

次の文章を読んで後の問に答えなさい。
A 朝日新聞出版知恵蔵 より 【恵方巻き】
 節分にその年の恵方(吉方)を向いて食べると縁起が良いとされる太巻き寿司。丸かぶり寿司、恵方寿司とも呼ばれる。「縁を断ち切らない」ように切り分けず、無言で願いごとをしながら1本を丸かじりするのが習わし。七福神にちなみ7種類の具材を巻き込むことが望ましいとされる。正確な起源は不明で、江戸時代末期に大阪の船場で商売繁盛の祈願として始まった風習を発祥とする説など諸説ある。明治期や戦後に一時廃れたが、1977年に大阪海苔問屋協同組合が行った海苔の販売促進イベントで復活した。90年頃よりスーパーやコンビニで販売されるようになり、宣伝活動も活発になったことから、節分に恵方巻きを食べる風習が全国に拡大した。(出典 朝日新聞出版知恵蔵mini)

B 講談社日本の郷土料理がわかる辞典より 【恵方巻き】
大阪の名物料理で、節分の日に、その年の恵方(その年の十干(じっかん)によりめでたいと決められる方角)を向いて食べると縁起が良いとされる太巻きずし。縁を絶ちきらないように、1本を切らずに無言で丸かじりする。大阪などの慣習であるが、1990年頃からコンビニなどで販売されるようになり、一般に広まった。(出典 講談社日本の郷土料理がわかる辞典}

問1 恵方巻きについて説明した次の文章の空白部( a ) 、( b )に適切な言葉を入れ、文章を完成させなさい。
・恵方巻きとは、節分の日にその年の ( a )  (めでたいとされる方角)を向いて食べると縁起が良いとされる( b ) のこと。
問2 次の文中の(     )内の言葉として、正しい方を選びなさい。
・(ア幸福 イ縁)を絶ちきらないように、1本を(ウ一口サイズに切って エ切らずに)、(オ大きい声で カ黙って)願い事をしながら、丸かじりするのが習わし。正確な起源は不明だが、江戸時代末期に(キ京都で  ク大阪で  ケ江戸で)始まったとする説が有力である。その後一時廃れたが、1990年頃よりスーパーやコンビニで販売されるようになり、宣伝活動も活発になったことから、節分に恵方巻きを食べる風習が全国に拡大した。

【参考記事】 ネット記事(jcast トレンド)より
恵方巻き予約開始もネットは冷ややか 年々高まる「悪習」「迷惑」の声
2月3日の節分を前に、早くも「恵方巻」商戦が始まった。大手コンビニ各社は12月中旬から予約受付を開始し、趣向を凝らした商品を揃える。
しかし、一部のネットユーザーからは「まだやるの?この悪習」「本部はいいかげんやめろ! 俺らは迷惑しているんだぞ」といった声が。手放しで歓迎できないワケとは?
画像はイメージ
トルティーヤやロールケーキにも波及
節分に恵方(幸運を招く方角)を向いて太巻きを食べる、「恵方巻き」の風習。もともとは関西地方で行われていたローカルな文化だったが、今では全国のスーパーやコンビニで大々的な「恵方巻きフェア」を見かけるようになった。
最近では冬の節分(立春)以外に「春夏秋」の節分にも注目し、「フェア」を年4回実施するコンビニがあるなど盛り上がりを見せている。
恵方巻きの「多様化」も進んでいる。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの18年の商品ラインアップを見ると、形が恵方巻きと似ている「ロールケーキ」や「トルティーヤ」、果てはオムライスを巻いたものまである。

今年もノルマ問題でるか?
恵方巻きで思い出されるのが、ここ数年で問題視され始めた「ノルマ」「廃棄」についてだ。
「恵方巻商戦」の裏で、大量に廃棄される売れ残り品や、社員・アルバイトに課される販売ノルマがSNSでの告発で明るみとなり、ネット上で騒動となった過去がある。J-CASTニュースでも16年、17年とこの問題を取り上げた。
「『恵方巻き』売れ残り、大量廃棄される 店員が『自腹で買い取り』強要されるケースも」(16年2月 5日)
「恵方巻ノルマに今年も『助けて!』 コンビニ『自爆営業』はナゼ消えないのか」 (17年1月27日)
こうした背景もあってか、来年の恵方巻きの予約が始まってもネットでは冷ややな反応もある。
「コンビニ店員『次は恵方巻きのノルマか』」
「また廃棄巻か」  
といったツイートが見つかった。


こんなプリントを使った授業を終えた後で、ネット上にこの記事↓を見つけました。



コンビニバイトのノルマ、もうやめませんか
去年(2017年)の1月26日付の、上西充子法政大学教授( キャリアデザイン学部)の文章です。一部だけ引用します。



 
節分に食べる「恵方巻」の販売がコンビニエンスストアなどで始まっていますが、最近、ツイッターでは、店から販売ノルマを課せられて悩んでいると訴えるアルバイトの学生などの書き込みが相次いでいます。(以下、略)
夕方16:50からのNHK「ニュース シブ5時」でも「福呼ぶ恵方巻のはずが…」という見出しで、この話題が取り上げられた。
昨年も節分の頃には、アルバイト従業員が恵方巻のノルマに悩んでいる様子や、売れ残りの恵方巻の大量廃棄の様子が、ツイッターで話題になった。同じ問題が今年も起こりつつある中で、節分より前にNHKが報じたことの意義は大きい。
給与からの天引きは違法


このコンビニにおけるノルマ問題、もしノルマの達成できなかった分が給与から差し引かれるなら、それは違法だ。
労働基準法22条は

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。

と定めている(賃金の全額支払いの原則)。
恵方巻のノルマ未達分を給与から差し引くならば、それは給与の一部を恵方巻で支払ったのと同じになってしまう。そんなことは労働基準法で認められていない。
そのことは佐々木亮弁護士が下記の記事と記事中に収録された東京都の啓発動画で詳しく解説している。

佐々木亮「【ブラックバイト】今年もノルマで恵方巻を買わされた事例が多発したようです。」(ヤフーニュース個人 2016年2月4日)

ノルマのトラブルはコンビニで突出

ただ、多くの場合は給与からの天引きではなく(それは違法だとわかっているだろうから)、ノルマを課してその分は何とか注文を取らせる、注文が取れなければ自発的な買い取りに持っていく、というのが実態だろう。
多くのアルバイト従業員は、職場の人間関係に気を遣いながら働いている。店長に逆らうと気まずくなるだろうし、シフトの融通をつけてもらうことも難しくなるだろうと心配している。しかし、友人に無理やり買ってもらうのも気が進まないだろう。そうすると、泣く泣く自腹で購入することにも追い込まれかねない。
アルバイトにノルマを課し、その達成を求めることはどのくらい一般的なのだろう。厚生労働省が2015年に行った「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」の結果によれば、下記のグラフの通り、「商品やサービスの買い取りを強要された」割合は、コンビニエンスストアが11.6%と突出している(注)。どうやらこれは、店長の属人的な問題ではない。
画像

(注)厚生労働省「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について」資料編のp.23-24より、回答数が100件以上の職種を抜き出して上西作成。アルバイト全体の回答件数は1,961件。なお、「上記以外のチェーンの飲食店」とは、居酒屋、ファーストフード、ファミリーレストラン、カフェ、寿司屋以外のチェーンの飲食店を指している。



今国会に提出されている「働き方改革」法案は、このようなノルマ地獄、ブラックバイトの解消につながるのでしょうか?
「労働基準法70年の歴史の中で歴史的な大改革」などという大風呂敷の中身を、そっとのぞいてみれば、何のことはない。国会での野党の追及のとおり、財界側・使用者側にとって便利な「働かせ方改革」ではないかと、はっきり見えて来ちゃったのが情けない。。。。
言うに事欠いて「働き方革命」ですって?内実のない大げさな用語がお好きなアベさんらしく、「人づくり革命」「生産性革命」、、などと、「革命」という重々しい言葉が湯水のごとく漏れ出て来ますが、誇大包装を解いてみれば、チンケでケチな、「搾り取るぞ革命」「我慢しろ革命」「格差永続化革命」でしたなあ。
ちなみに、「革命」という語は、古代中国の儒家、孟子に由来します。
ウィキペディアの解説にはこうあります。

易姓革命(えきせいかくめい)は、古代中国において、孟子らの儒教に基づく、五行思想などから王朝の交代を説明した理論。
概要
天は己に成り代わって王朝に地上を治めさせるが、徳を失った現在の王朝に天が見切りをつけたとき、革命(天命を革める)が起きるとされた。それを悟って、君主(天子、即ち天の子)が自ら位を譲るのを禅譲、武力によって追放されることを放伐といった。

孟子は、アベさんと同じ山口出身の吉田松陰なども重んじた思想家ですから、アベさんも、きっとご存じのはずですが、それにしては理解が浅い????その眼目は、為政者がその地位にあるのは、あくまでも天命によるもので、徳を失った為政者は、すみやかに地位を降りるべし、ということです。憲法の定めでは、「天」はすなわち「民」と読み替えることができましょうから、民心の離れた為政者は、地位にとどまってはならないと言うことになるでしょう。
ああ、やっぱりアベさんは、それを百も承知でいらっしゃるから、憲法を変えようと急いでおいでなさるのじゃな?憲法の精神を理解しないお方が憲法をもてあそんではならないし、「革命」を理解しないお方が「革命」の語をもてあそぶことも、許せませんなあ。
この記事、ひとまずここまで。

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