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一筆啓上仕り候、の巻 [折々散歩]


ホオジロのさえずりを、「一筆啓上仕り候」と聞きなすそうです。そんな話題は、過去にも何回か記事にしました。例えばこれ。いざやいざ一筆啓上冬至晴
春の訪れとともに、ホオジロも、あまり見かけなくなりました。
さて今日は、一筆啓上のお話。
日本で一番短い手紙は、家康の家臣、本多作左衛門重次が戦のさなか、妻に送った手紙「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」だそうです。
世界で一番短い手紙は、ビクトル・ユゴ-が『レ・ミゼラブル』の売れ行きについて、出版社に「?」と書いた手紙と、それへの、出版社から「!」と書かれた返信だといわれます。「売れてるか?」「上々の売れ行きです!」というやり取りですって。
さて、そこまで短くはないですが、今日ご紹介するのは、退職教職員からのメッセージです。



4月6日(金)午後、「9条改憲NO!3000万人署名の成功へ 退職教職員アピール記者発表&交流集会」に参加してきました。あいにくの雨でしたが、県下各地から退職教職員ら80数名が結集。「教え子を再び戦場に送るな」の横断幕が飾られる会場は、参加者の「9条まもれ」の熱い思いと活気に包まれました。

この集会については、最近の散歩事情、の巻で紹介させていただきました
とりくみのいきさつは、数日まとめの絵日記、の巻の記事でも触れていますが、一部引用して再掲します。

ひときわ目立つ「教え子を再び戦場に送るな!」の横断幕は,この日がデビュー。

岡山県退職教職員の会(岡退教)/岡山県退職女性教職員の会(県退女教)/岡山県高校・障害児学校退職教職員の会(高退教)の三つの団体が名を連ねています。この記事(あきらめません、勝つまでは、の巻)に書いたとおり、この三者が一堂に会して行動に参加するのは、画期的なできごとです。「安倍9条改憲」の企てが産んだ、歴史的な共同の動きといえます。

集会の概要は以下の通りです。

【第1部】 記者発表
【第2部】 対談 「憲法、平和、日本の未来への思い」
森本榮さん(元連合岡山会長)×宮本龍門さん(おかやまいっぽん代表)
【第3部】交流
閉会・行動提起 



第1部では冒頭、開会挨拶と経過報告のあと、主催者を代表して、河原良治さん(岡山県退職教職員会会長)、広畑周子さん(岡山県退職女性教職員の会会長)、萱栄次さん(岡山県高校・障害児学校退職教職員の会会長)が、それぞれ挨拶。「アベ政治の下で、憲法をはじめ、日本の民主主義がかつてなく脅かされている」「”教え子を戦場に送るまい”という先輩たちの思いを、今こそ生かすとき」、「憲法遵守の誓約書に署名して教職に就いた私たちは、憲法を変えられたら、それに従って、教え子を戦場に送らねばならなくなる」などと訴え、改憲NO!3000万署名の推進を呼びかけました。





続いて、「アピール」が朗読され、満場の拍手で確認されました。

県民のみなさんへ  

若者を再び戦場に送らないために                           
9条改憲に反対し  平和憲法を守れ」退職教職員アピール

岡山県幼小中高・障害児学校退職教職員有志

 憲法9条に自衛隊の存在を明記する―――安倍首相と自民党による改憲の動きが急速に強まっています。2018年1月、国会開会に先立つ自民党両院議員総会で、安倍首相は「わが党は結党以来、改憲を党是として掲げてきた」「いよいよ(改憲を)実現する時を迎えている。責任を果たしていこう」と強調し、9条改憲への強い意欲を示しています。

言うまでもなく、戦争放棄、戦力・交戦権の否認を宣言した日本国憲法は、三百万人を超える日本国民と、二千万人以上のアジアの人々に痛ましい犠牲をもたらした戦争への、痛切な反省の上にうち立てられたものです。戦後、日本が「戦争で一人も殺さず、一人の戦死者も出していない」のは、憲法9条の存在と、それを支える国民の熱い思いがあったからではないでしょうか。それ故に、日本は、世界の人々から平和国家としての尊敬と信頼を得てきたのではないでしょうか?

戦前、教師たちは、「御国のために」命を捧げることを子どもたちに教えました。だからこそ、未来ある若者をむざむざと戦場に散らせた自責と悲嘆を胸に、戦後の教師は、「教え子を再び戦場に送るな」と、新たな歩みを踏み出したのでした。そうした先輩方にとってはもちろんのこと、その背中を見ながら歩んできた私たちにとっても、「9条は宝」です。今、その憲法9条が危機に瀕しているとの思いから、退職教職員の私たちは、声をあげました。

教え子の幸せな未来を願って、教職の仕事に励んできた私たちは、ふたたび彼らを戦場に送りかねない改憲の企てに、「NO!」を叫ばずにはいられません。

県民のみなさん。

愛する子や孫、若者たちを、再び戦場に送らないために、「9条改憲反対」「平和憲法を守れ」の声と運動を大きく高めて、「改憲発議」の企てを必ず食い止めようではありませんか。そのためにも、全国で進められている「3000万署名運動」に、あなたとご家族、友人・知人の皆様のお力を、どうかお寄せくださいますよう、心から呼びかけるものです。

20l8年4月6

 

 


ちなみに、このアピールは、当初、賛同呼びかけの際に提案されていた「原案」を、よりコンパクトに、わかりやすい言葉で表現することをめざして改訂されました。
会場に貼り出されたポスター。

この裏に上記の「アピール」を印刷したチラシが、全員に配布され、同じデザインの大型ポスターとともに現職の教職員や県民の皆さんにも、できる限り広く届けようと、提案されました。



第2部の対談は、市民と野党の共闘で、アベ政治の暴走を食い止めるという歴史の要請を踏まえて、これまでの友好団体・友誼団体の枠を超え、「安倍9条改憲NO!」の広く大きな運動を進めていくイメージにぴったりの人選と感じました。
森本榮さんは、元「連合岡山」会長。町職員組合の出身で自治労の役員を経て連合岡山会長、という経歴から、「教職員の皆さんが、”教え子を再び戦場に送るな”と誓ってこられたのと同じように、自治体労働者も二度と赤紙(召集令状)を配らない、と決意してきた。戦前、兵士の家庭に届けたのは郵便局員ではなく自治体労働者だった」と語り、戦前回帰に向かう安部政治の危険性と改憲の狙いを指摘しつつ、小異を捨てて「安部9条改憲阻止」の一点で連帯することの重要性と可能性を強調されました。
宮本龍門さんが共同代表を務める「おかやまいっぽん」は、2年前に誕生して以来、市民と野党と共闘を支えて斬新なとりくみを進めてきました。ちなみに「おかやまいっぽん」のHPにはこんな解説があります。

「おかやまいっぽん」とは、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権という憲法の3原則を回復し、一人ひとりの「いのち」が守られる政治を実現するために、その思いを共有する各野党間の協力を提唱するとともに、わたしたち岡山県民が、小さな違いによって力を分散させてしまうのではなく、「大きな同意」のもとに力を合わせ、さらに大きな力を創造していくことを目的としたポリティカルムーブメントです。 2016年2月28日より、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求めるおかやまいっぽんの会」が正式に立ち上がり、 1=集団的自衛権行使を容認する(他国が攻撃されたときに日本が自衛権を行使できるとする)閣議決定の撤回。 2=2015年9月に「成立」した安保法制の廃止。 の2つを目的に、岡山に住む多くの方々と「いっぽん」になっていくための様々な活動を行っていきます。

宮本龍門さんは、真言宗御室派長泉寺住職/「おかやまいっぽん」共同代表/「脱原発をめざす仏教者ネットワーク岡山」事務局長/「おかやま宗教者九条の会」事務局長/「岡山県同宗連」事務局長/RNN人道援助宗教NGOネットワークなど、多彩な活躍を続けておられます。
このお二人が、それぞれの立場から「憲法」、「平和」、「野党共闘」を縦横に語る対談は、9条改憲阻止、安倍政治の暴走を食い止める新しい政治の可能性を参加者に問いかけるとともに、いま、日常の中での、どのようなとりくみ、どのような生き方が求められているかを考えさせるものでした。
ちなみに、宮本龍門さんは、早速FBにこんな記事を寄せておられました。内緒でご紹介します。

今日、とある集会で高校の恩師に約20年ぶりに再会。

なんだかすごく感動し、「先生」って存在はスゴいなぁと。

ちなみに、その先生の担当教科や教えてもらったことはさっぱり思い出せません。ただただ、当時交わした何気ない会話が走馬灯のように蘇ります。

また、その先生の前で講演をするなんて。

人生はおもしろい!


本当におもしろい!その「恩師」という人も、私にとっても結構親しい友人かも。世の中は絶妙なめぐりあわせでつながっているものですね。



第3部では、冒頭、司会者がいみじくも先日のこの新聞記事を紹介して、「ああいう人たち」、「こんな人たち」とは皆さんのこと、と笑いを誘います。

名づけて「市民」、「国民」といい、また「民(たみ)」と言う。「民(たみ)」が「主(主)」と書いて民主主義。それと、基本的人権と平和主義を国の基本に据えたのが日本国憲法。そんな基本原則を全く理解しないアベ政権が、「改憲」を口にすることはもってのほか。と強調し、「ああいう人たち」「こんな人たち」の日頃の取り組みを交流しあおうと提起しました。
限られた時間の中、参加者それぞれの地域、分野、環境、条件に応じた、多彩なとりくみが次々に報告され、刺激いっぱいの交流が、終了予定時間を超えて交わされました。
細大漏らさずお伝えしたいところですが、もはや気力と記憶が途絶えました。

今日はここまで。



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