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ねえ君 不思議だと思いませんか、の巻 [折々散歩]

9月1日は防災の日。


以前この記事で寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」ということばを話題にしました。


災難は忘れた頃か秋の雨


今日は9月1日。震災忌=1927年の関東大震災の発生日にちなんで、「防災の日」に制定されたのは1960年。子どもの頃は、新学期の登校日の校長訓辞などで、「二百十日」という節季も教わり、台風の災厄への備えを説かれたものでした。
「天災は忘れた頃にやってくる」という警句もその頃教わったと思います。
これは、物理学者の寺田寅彦の言葉と伝えられていますが、著書・著作等にその証拠は確認できないとも言われているそうですね。自身、関東大震災に遭遇し調査も行うなど、地震、火災など災害の根本原理を科学的・合理的態度で解明しようとしたこの人なら、と頷ける伝承ではありますが。
寺田寅彦は、熊本第五高等学校で夏目漱石に英語を習い、後に東京帝国大学の学生時代以来、漱石の自宅に集う「木曜会」のメンバーとして、門下生の一人に数えられています。漱石の「吾輩は猫である」で、苦沙弥先生の弟子としてしばしば登場する、気鋭の理学士水島寒月が、寺田寅彦をモデルとしていることも、よく知られています。
私は中学時代、この作品を洒脱なユーモア小説として読みました。漱石のもつ文明観や人間観の重さや苦さについては、とうてい思い至りもしませんでしたし、細かなデティルもすっかり薄らいだのですが、この寒月君の颯爽とした好男子でありながら、きまじめに「首縊りの力学」などに没頭している様や、甘い物好きで虫歯に苦しんでいる様などに、何かミスマッチなおかしさを覚え、印象に残っています。


忘れもしないうちにまたまた台風直撃。さんざんの日本列島です。山土が削り取られて丸裸のメガソーラー用地。心配でたまりません。


 


ところで、先日の高知行きで、この写真を撮りました。



寺田寅彦の像。今年の7月、母校の追手前高校の前に建てられたばかりだそうです。


「ねえ君、不思議だと思いませんか 寺田寅彦」と、刻んであります。


寺田寅彦が、口癖のように学生に向かって語りかけた言葉だそうです。


この言葉を表題にし池内了さんの本が好評です。私たちがつい当たり前だとして見過ごしてしまう事柄であっても、よくよく考えれば何故そうなのかがわからないことが多くあり、それに気づくことが科学の一歩だ、ということですね。



ねえ君、不思議だと思いませんか?

ねえ君、不思議だと思いませんか?

  • 作者: 池内 了
  • 出版社/メーカー: 而立書房
  • 発売日: 2016/12/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



その9月1日は、この講演会を聴きに行ってきました。


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概要はこちら.


「三歳児までは、母親が育てるのがよい」「子育ては、家庭・特に母親の責任」という社会風潮・規範・常識は、実はあたりまえではなかった、というオハナシ。スリリングでした。


今日はこれにて。


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