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恥は掻き捨て三連発、の巻 [折々散歩]

 


旅の恥は掻き捨てと申します。


先日の高知旅行の1日目、炎天下の歴史散歩を早々に切り上げて、ホテルにチェックインしたあたりまで書きましたが、そのあとのお話が残っております。


というのも、「旅の恥」に属する、思い出したくない記憶が刺激されますので、続きを書くのがためらわれてもいるのです。といっても、大して立派は「恥」ではございません(汗)


チェックインを済ませ、少し寛いで、部屋の冷房を効かせて、シャワーを浴びたら、人心地がつきました。ここでビールを一杯、という誘惑にもかられましたが、まだ日が高いし、夕方の予定がある、と、理性の声にしたがって、夕方の同窓会までの時間を有意義に過ごすプランはないかしら、と、持参のマップを眺めてみます。


やはり高知城とその周辺散歩を楽しんで、疲れたら涼しい「高知県立文学館」の見学で時間を費やそう、と大まかな計画を立て、汗びっしょりだった服を着替えて出発。


道端にこんな碑を見つけました。


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馬詰親音先生誕生の地とあります。


馬詰親音(うまづめもとね)について、簡単な紹介が碑に刻んであります。


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引用します。


馬詰親音
有名な町奉行で、歌人でもある。城下桜井町に「モミヌキ井戸」を掘り、水利の便をよくした、製糖業を伝え砂糖専売の制をたて、貸本業を開き、一般の教育に努めた、また義倉を設けて災害に備えた。


高知市のHP中に「歴史万華鏡」というページがありこんな記事が掲載されていました。


馬詰親音(もとね)誕生地碑

高知市広報「あかるいまち」2018年8月号より

馬詰親音誕生地の碑
●馬詰親音誕生地の碑

土佐女子中学高等学校の北東隅に、「馬詰親音誕生地」の碑が立っている。
寛延元(一七四八)年にこの地に生まれた親音は、九代藩主山内豊雍(とよちか)、十代藩主山内豊策(とよかず)の治世下で、持ち前の視野の広さと豊かな学識で、藩吏として優れた手腕を発揮した。
たとえば、彼は藩命で江戸に出るたびに専門家の元を訪れて製糖法について聴取し、仁井田や種崎で砂糖の原料になる甘蔗(かんしょ)植え付けを行わせ、城下の豪商を売りさばき問屋に指定するなど、土佐での製糖業の育成に尽力する。
親音はまた、江戸や京都、大坂の文化人とも交流した。特に和歌は、京都の公家日野資枝(すけき)に入門して大いに励み、その生涯に作った歌は三万首に及ぶという。また、同好の士とともに『群書類従(ぐんしょるいじゅう)』、『源氏物語』などの読書会も主宰した。
寛政九(一七九七)年に御町奉行に就任してからは、城下町の都市政策にも取り組む。現在の桜井町にその名をとどめる「桜井」は、親音が近江彦根から技術者を招いて掘削させた土佐では初めての揉貫(もみぬき)井戸で、その完成により下町一帯は良質な水を得られるようになった。また、飢饉(ききん)対策として、社倉(しゃそう)と呼ばれる備蓄倉庫を設置したことも知られる。
特筆すべきは、町奉行所直営の貸本業を行ったことである。『皆山集』所収の「増補事物終始(ぞうほじぶつしゅうし) 」には、親音が土佐の人々の啓蒙のため、吉田屋亀助という商家に書籍代を無利子で貸し下げ、城下で貸本屋を始めさせたことが記されている。
この夏、親音誕生地にほど近い追手筋にオーテピアが開館した。情報や知識と人を結び、課題を解決していくというオーテピアの掲げる理念は、馬詰親音がなそうとしたことにも一脈通ずる。産業の育成やライフラインの整備により、人は安心して暮らすことができる。そして、文化や情報・知識がそこに加わるならば、その暮らしはより豊かなものになるだろう。親音の時代であれ現代であれ、それは変わることのない普遍的なことなのである。
オーテピア高知図書館 渡邊哲哉


ほど近くに、「山内容堂誕生の地」という碑があります。


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第15代高知藩主ですので、お城の中で生まれたのじゃないの?と素人考えで疑問を持ちましたが、よくよく考えてみると、容堂の父は11代藩主の弟で、母は側室のだったと言います。


本家の藩主が急死するというアクシデントのため、急遽藩主の座に就く事になり、幕末の怒濤の歴史の表舞台で翻弄されることになったのでした。(この記事参照南国高知の歴史散歩はまだまだつづくノダ、の巻)


高知県立文学館。


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2013年の夏に高知を訪ねたときは早朝の開館前だったため、入り口の前で引き返したのでした。(災難は忘れた頃か秋の雨


折角近くまで行ったのに、中を見学しておけば良かったと、帰宅後に後悔しました。


今回は十分時間があるので、館内を見学することにしました。


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企画展として、絵本作家:宮西達也さんの作品展が開催中でしたが、常設展だけを見学することにしました(あとで思えば、後ろ髪引かれましたが、、)


【旅の恥 その1】


窓口のお嬢さんが、「常設展の観覧料は360円ですが、○○○などをお持ちじゃありませんか?」と聞いてくださいます。


詳細は覚えていませんが、「身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳」「高知県・市の長寿手帳」などだったのでしょうか?あとで確かめましたら、これらの該当の方は無料だそうです。県・市の長寿手帳は、65歳以上で給付されるらしいです。うらやましい。


それと、あと付け加えて「JAF会員証とか、、」の声に反応した私は、「持ってますよ、待ってくださいね」とおもむろにバッグを探り、財布やカードホルダーの中身をその辺のカウンターテーブルに並べ、見つからないのでカバンの中身をさらに点検してみますが見当たりません。受付嬢に「すみません、業務を続けていてくださいね」と断って、さらに二度三度探しましたが、残念。あるはずのものが見つかりません。


たかだか360円の料金、割引がきかないからと言って何も大損失というわけではないのですが、見つからないと気分が落ち込みます。


(後日談になりますが、JAF会員証は、自動車のダッシュボードに、すぐ見える形で置いたままでした。ちょっと前、ママが乗ってる車がセルモーターの故障で動かなくなったとき、JAFのお世話になろうと思って、会員証カードを用意していたが、結局使わなかったのでした。)


展示の中身は、高知ゆかりの作品を網羅していて、なかなかに刺激的です。写真撮影禁止でしたのでご紹介できませんが、展示されている作者・作品は高知県立文学館HPのこのページに詳しいです。


この文学館、ずーっと以前、見学した記憶があります。いつのことでしたか?学生時分の体験にしては、意外に記憶がしっかりしていますので、あるいは職員旅行か何かで高知を訪れた際の記憶かも知れません。


でも、その時は、こんな人たちはまだ登場していなかったでしょうね。


山本一力 嶋岡晨 志水辰夫 西澤保彦 有川浩 藤原緋沙子 畠中恵 中脇初枝 田島征彦 田島征三 笹山久三 西村繁男 横山充男


平安時代の紀貫之「土佐日記」(高知出身じゃありませんが)から、平成のそうそうたる顔ぶれまで、多数の個性的な文学者と作品を輩出している風土に、あらためて感慨を覚えたことでした。


十分堪能堪能して文学館を出たあとも、まだ時間がたっぷりありますので、高知城めぼしい場所をめぐって見ることにします。


板垣退助像は、いつも撮影して帰ります。


高知城を背負うアングルで写してみました。


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マップをもとに、目指した一つは、鹿持雅澄(かもちまさずみ)の、「愛妻の碑」。これはすぐに見つかりましたし、前にも写したことがありました。


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鹿持雅澄(かもちまさずみ)について、文学館で展示を確かめたことが今回の進歩です。HPにはこうありました。


   鹿持雅澄

高知市生まれ。国学者・歌人。土佐で歌作に勤しむとともに『万葉集』を軸に古代文化の究明に生涯を捧げた。没後、明治天皇のご下賜金で『万葉集古義』を発行。彼の皇朝学・復古思想は、武市瑞山ら土佐勤王党の原動力となった。

<おもな著作>『万葉集古義』『土佐日記地理辯』など


もう一つ、この近くに、俳人浜田の句碑があるというので探してみたのですが、見つけられませんでした。文学館HPにはこうあります。


       浜田波静

香美郡前浜村(現・南国市)生まれ。俳人。会社勤めの傍ら、子規門下として日本派を鼓吹し、土佐近代俳句の先駆となった俳壇の中心人物である。
<おもな著作>『椎』


 


 


もうこのあたりで、汗びっしょりで、せっかくシャワーを浴びて着替えてきたシャツもびしょびしょです。肌着を脱いで、ポロシャツ一枚で、同窓会場に向かいました。


【旅の恥 その2】


同窓会の二次会。会場から歩いて、高知の仲間の行きつけのお店へ連れて行ってくださいました。席について、四方山話が始まりかけた頃、「会費は2500円」と、世話役のH女史が集金を始めてくれます。


が、ここで、困りました。財布の中身が、足りません。クレジットカードで済ますつもりで、現金を持ち合わせていなかったのです。


「次に会うまで貸しちょくきに」と、やさしいH女史が言ってくれますが、そうも参りません。近くのコンビニへの道を教わって、ATMで現金を用意し、二次会場に引き返す、、、、つもりが、帰り道がわかりません。電話で聞こうにも、携帯は席に置いたまま、電話番号がわかる手帳もメモも、バッグとともに席に置いたまま。万事窮す。


かなり遠回りをしてやっとの思いで、お店に帰り着きましたとサ。


【旅の恥 その3】


同窓会を終えて、名残を惜しみながら、千鳥足でホテルへ。自動販売機コーナーで、お茶とチューハイと、焼きおにぎりを仕入れて、部屋へ。ようやくおちついて、シャワーを浴びて、チューハイで喉を潤しながら、TVのスイッチをつけたちょうどその頃、ドアのノックの音が聞こえます。


??


いぶかしい思いのままドアを開けて覗いてみると、ホテルの従業員の方です。


「これを落とされませんでしたか?」
差し出されたものを見ると、確かにいつも手帳に挟んである私のカードホルダー。中には銀行のキャッシュカード、クレジットカード、保険証、運転免許証、いくつかの病院の診察券、電器店の会員カード、などなど。


「どこにありました?」と聞くと、自動販売機コーナーだとのこと。


小銭を取り出すため、バッグの中身を探ったときに、大事なカードホルダーをポロリと落としてしまったのですね。ああ恥ずかしい。
と同時に、ご親切に感謝感謝の大チョンボでした。


旅の恥は、まだまだ、この三連発では終わりません。
続けて書くのも気が滅入り、またの機会といたします。


今日はこれにて。



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