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リンカ-ンを生んだ国、の巻 [折々散歩]

先日半田山植物園を訪ねた動機の一つは、秋バラを楽しむことでした。

「アンネのバラ」が美しく咲いています。

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以前この記事を書いたのは、去年の12月でした。

アンネはどう思ったでしょうか?の巻

今朝の「しんぶん赤旗」のコラム『潮流』欄にこんな文章がありました。一部を引用します。

歴史から何を教訓として引き出すのか。いま注目されている劇団チョコレートケーキの「あの記憶の記録」を見て、あらためて考えさせられました▼舞台は1970年のイスラエル。アウシュビッツの生き残りの主人公が、息子が通う高校の若い女性教師の求めに、収容所の体験を語りはじめます。「特殊任務」をあてがわれ、同胞たちをガス室に案内し、その死体を自ら処理したおぞましい体験。「良い奴(やつ)はみんな死んだ。最悪の場所で最悪の人間にならなければ生き残れなかった」▼ホロコーストの悲劇をくり返さないために何が必要か。「イスラエルは強くなければならない」と、軍備増強と先制攻撃は当然と口にする女性教師。主人公は反論します。「国のために誰かを踏みにじるなら、俺たちもナチスと同じだ」―(中略)▼エルサレムを一方的にイスラエルの首都と認定したトランプ米大統領。その決定を無効とし、撤回を求める決議案が国連で採択されました。圧倒的多数によって。主人公のセリフがよみがえります。「正義とは拳を振り上げることではない。正義とは人を悲しませないことだ」

半田山植物園に「アンネのバラ」と呼ばれる薔薇が植えられています。
ベルギーの園芸家が作った新種のバラで、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクの父オットーフランク氏に贈られたといいます。1972年に10本、1976年に再び10本が、オットー・フランク氏から日本に贈られ、全国で「アンネのバラ」として育てられているそうです。
ウィキペディアにはこう紹介してありました。

アンネのバラは蕾の時は赤、開花後に黄金色、サーモンピンク、そして赤へ変色する特徴がある。これは、もし生き延びる事ができたなら、多くの可能性を秘めていたアンネを表現している。

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ピースと名付けられた品種です。

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見れば、「1945年作出、フランス」と解説されています。

第二次大戦の終結した年。それだけに、「平和」への願いの痛切さが、胸に響きます。

他にも、いつものように品種名とともにバラの花を写して帰りましたが、煩瑣になりますので、写真だけをいくつか載せます。

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最後に、このバラの名前は書き留めておきましょう。

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第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンを称えた花でしょうか?リンカーンと言えば、以前これらの記事で話題にしたことがあります。

英チルコット委員会報告で際だつ日本の頬被り体質?の巻

再三の引用になりますが、イラク戦争当時にこんな文を書きました。
オバマよ!お前もジャイアンか!

2003.2.15
それにしても、イラク・朝鮮半島情勢は、人類史を逆戻りさせる愚劣さです。「ならず者国家」を成敗する先頭を、一番のならず者が突っ走るの図。泣くに泣けず笑うに笑えぬ出来損ない笑劇に、どこまでつきあわねばならないのでしょうか?
「空爆」は、民衆の側から見れば、「空襲」です。逃げまどう民衆を念頭に入れないアメリカの視点は、ベトナム以来変化なしということか?「戦場」が常に自国の外にあったアメリカにとって、逃げまどう民衆の姿はイマジネーションの限界の外にあるのかもしれません。
では、日本の姿勢はどうなの?「悪い政府」の統治下であろうがなかろうが、各地の大空襲とヒロシマ・ナガサキの辛酸を嘗めた日本の民衆の視座からは、「空爆やむなし」の結論は、生まれる余地のないもの。にもかかわらず、NATO傘下のヨーロッパ諸国に比べてさえもふがいない追随三昧。嘆かわしい限りです。
2003.2.26 フランスのリベラシオン紙のコラムは、ブッシュを裸の王様にたとえたと言います。前々からそう思ってました。「王様は裸だよ」の声を、率直に伝えてあげる方が忠義かつ親切というものでしょうに。「お美しい」「お似合いでげす」のおべっかを、自分ばかりか周囲にも強要する幇間(太鼓持ち)の罪は如何?(中略)
2003.4.20 ブッシュさん、3歳児をひねりつぶして、「勝った勝った」と誇っても、誰も腹でケーベツするだけ。ただ、手のつけられない乱暴者のやることだから、顔をしかめて黙って見ているまでのこと。
でも、ブッシュさんは気づいているのかしら?あなたに突如「ならず者国家」の烙印をおされ、第2第3のイラクとしての標的にさらされるおそれを感じている国々が、このイラク戦から何を学ぶか?について。
「力こそ正義」という、ブッシュ流の新しい(実は西部開拓時代以前の未開野蛮な)むき出しの力の政策の前では、国連中心の国際秩序を誠実に遵守することは愚挙であり、ましてや国連査察に誠実に応じたり、大量破壊兵器の廃棄など馬鹿正直に実行するなどもってのほか。細菌兵器、化学兵器、核兵器、無差別テロ攻撃・・・いずれをとわず、物量に勝るアメリカに「軍事的」に対抗する道すなわち無限の軍拡の連鎖、憎悪と報復の連鎖への道をひた走るしかない、と、向こう見ずな破滅的な決意を促したに違いないことを。
ブッシュ=アメリカをジャイアンに喩えた人がいました。ジャイアンは、自分のコンサ-トを誰もが歓迎しているに違いないと信じているのでしょうね。メーワクに感じながら、「いや」と言い出せないのは、ジャイアンに正義が存するからではなく、彼の腕力をはばかる故であることは、誰もが知っています。知らぬはジャイアン一人でしょう、かわいそうなジャイアン。
そして、ジャイアンの正義は、彼の腕力を上回る力(ドラエモン由来の)によってついえ去るしかないのです。ジャイアン少年は、心底、真の友情を求めながら、たまたま他を圧する腕力と粗暴さを備えていたが故に、怯えと追従と憎しみをもって遇されるしかなかったのです。もしも彼が、平凡な腕力の少年であったなら、その純朴な個性はより好ましい輝きを増し、周囲から真に愛され、好ましい友情を獲得できたに違いないのに・・・。
リンカーンの国、ホイットマンを生んだ国、民衆愛と寛容な民主主義の伝統ある朗らかなアメリカが、なぜこんなにも野蛮で狭量なふるまいしかできないのでしょうか。ベトナム戦争への苦い反省も忘れたかのように。ソ連、東欧の自滅をへて、対立軸を失い、「一人勝ち」してしまったことの不幸なのでしょうか?ジャイアンの不幸、孤独との相似が、なにやら真実味を帯びてきました。


でもそのアメリカにも、敢然とイラク戦争に反対した勇気ある政治家が存在したことは、人類の救いです。
たとえば、アメリカ大統領選挙の民主党候補者選びで「予期せぬ」大進撃を見せたバーニー・サンダース氏。彼は米国下院議員であった1991年1月18日、ブッシュ政権による湾岸戦争を糾弾する演説を下院議会会場で行います。世に言う伝説の空席国会演説」です。

下院議院本会議場で彼の演説を聴いていたのは、たった1人。しかし、空席に向かって理路整然と説く彼の演説は、その正当性・先見性の故に、いま、輝きを増しています。

いま、極右・反知性・排外・人種差別・女性差別etc.主義を全面に出して憎悪と分断を煽るトランプの暴走と、「Make America Great Again」の合い言葉のもと、これを支持する少なからぬアメリカ民衆の熱狂を見るとき、15年前に書いた「リンカーンの国、ホイットマンを生んだ国、民衆愛と寛容な民主主義の伝統ある朗らかなアメリカが、なぜこんなにも野蛮で狭量なふるまいしかできないのでしょうか。」というコメントが、ますます切実に感じられてなりません。

折しも、今日は、アメリカ上・下院議員を選ぶ中間選挙。上院では共和党が多数を占めたものの、下院では民主党が多数派を「奪還」したと伝えられています。
中でも注目すべきは、上の記事で話題にしたバーニー・サンダース氏が再選を果たしたニュースとともに、「史上最年少・28歳・ヒスパニック系・女性・元ウェイトレス」という異色の経歴を持つ、マイノリティ(社会的少数者)そのもののアレクサンドリア・オカシオ・コルテスさん(ニューヨーク州)が 、当選を確実にしたという痛快な知らせ。さすがにリンカーンを生んだ国。アメリカも見棄てたものではないと、改めて感服したことでした。

きょうの付録。

半田山植物園の植物、補遺です。

サンシュユ(山茱萸)の実(偽果)

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以前、重陽の節句の記事などで話題にしました。

下の実は.ちょっと似て見えますが、クコ(枸杞)でしょうか?

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ペンタス。

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フウセントウワタ。

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シュウメイギク。

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コスモス。

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原種シクラメン。

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再びツワブキ。

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今日はこれにて。


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