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よいことを一つすれば、花さき山に一つ花が咲く、の巻 [今日の一言]

朝ドラを見た後、テレビをつけたままにしておりましたら、朝のバラエティ番組にちょっと異色のゲストが登場し、興味を惹かれました。


NHKのHPに こんな紹介記事があります。


muraki


この番組に関連して、@niftyニュース(01月18日 17時25分 )に、こんな記事がありました。


「あさイチ」ゲストに村木厚子氏、冤罪事件の真相に感動の声 茂木健一郎氏も「珍しくグッドジョブ!」

2019年01月18日 12時15分 リアルライブ

18日放送のNHK「あさイチ」(月~金曜、午前8時15分から)に、郵便不正事件で誤認逮捕された元厚労省事務次官の村木厚子氏が生出演。ツイッターのトレンド入りするなど、ネットで大反響があった。
村木氏は「結婚・出産しても働き続けたい」と男女雇用機会均等法が施行される8年前に労働省に入省。しかし2009年、全く身に覚えのない「郵便の割引制度をめぐりうその証明書が発行された事件」で逮捕・起訴され、その後、無罪が確定。その勾留期間は、164日にも及んだ。極限状態の村木氏を支えたのは、家族と友人からの支援、何よりも娘への思いだったという。37年半の公務員生活では、子連れで地方への赴任も経験し、家事・育児と仕事はどのように両立してきたのかを放送した。
これにネットでは「村木厚子氏が『役所の隠蔽は、悪いことをしようとしてやっているというより、何らかの圧力がかかっていたり、ひずみが背景にある場合が多い。それをなくすためには、外の目を入れてプロセスをオープンにして隠せないようにする必要がある』とコメントしていたが同感」「皆さん、自分が逮捕されるとは思っていない。でも、私のように間違いで逮捕されることもある。そういう気持ちでニュースを見てほしい。この言葉、すごい。」「逮捕されて辛い目に遭ったのに、誰も恨んでないし人のせいにしてない。家族との絆も深くて、信頼関係が強くて幸せそう。人間、考え方を変えればいくらでも幸せになれるし、不幸にもなれる」と感動の声が相次いだ。
また、朝から検察批判を行った同番組について、「ディレクター勇気ある」との声も。脳科学者の茂木健一郎氏も自身のツイッターを更新し、「NHKあさイチ、 村木厚子さんが出ているとトレンドで知る。 <珍しく>グッドジョブ! 」と反応。「いつもは、自局の番宣がらみか、『芸能村』の内輪話しかしないのに(笑) このような社会性のあるキャスティングを少なくとも30%くらいにしたら、NHKの評価も上がると思うよ」とつづった。


この村木さんについて、ご存じの方もあろうと思いますが、ウィキペディアから少しだけ引用紹介させていただきます。


人物

高知県出身。夫は労働省入省同期の村木太郎。2女の母でもある。 土佐高等学校を卒業し、高知大学文理学部経済学科に進学した。社会保険労務士の父の背中を見て育ち、大学卒業後の1978年に、労働行政を管轄する労働省に入省した。なお、その際の国家公務員上級試験では、高知大学からの合格者は村木1名だけであった。

東京大学出身者の男性キャリアが多い霞が関の中央省庁の幹部の中では、珍しい地方国立大学出身の女性で、さらに厚生労働省では少数派の旧労働省出身であった。事務処理能力や、頭の良さ、法への強さなどが特に目立つような存在ではなく、誰もが認める次官候補や、エースと呼ばれるタイプではなかったが、障害者問題を自身のライフワークと述べ、人事異動で担当を離れた後も福祉団体への視察を続けるといった仕事に臨むまじめな姿勢や、低姿勢で物腰柔らかく、誰も怒らせることなく物事を調整することができる、敵を作らない典型的な調整型官僚として有能であることが評価されていた。


たぶん、ほとんど取るに足りない事実の紹介になりますが、実は、この方、大学の後輩にあたります。経済学科にも親しい友人がいましたし、そのうちの何人かは、確か、この方と同期のはずです。そういう面々とともに、同じ授業や講座を受けていたことがあったかも知れないと思うのですが、記憶はあいまいです。


当ブログ、故郷自慢や友達自慢がしょっちゅう登場しますが、今回はそのどちらでもなく、袖すり合うも多生の縁のレベルのささやかな「縁」のお噂になります。
事件後に、当ブログにもしばしば登場いいただくわが故旧のひとりハチロークンと交わした会話によると、彼は私より一年下であるだけに、彼女とも学年が近く、教授からも一目置かれていた彼女の優秀さをよく憶えているそうです。堅実・誠実な人柄と報じられる不正とのギャップから、えん罪であることは疑う余地もなかったのですが、160日にも及ぶ拘置に耐えた、粘り強い孤独なたたかいで、見事に無罪を勝ち取られたことに、頭の下がる思いでおりましたが、今日の番組で生の声をお聞きし、強く胸を打たれました。


 


感じるところは多々ありましたが、彼女が拘置中に読破された書物の量に圧倒されるとともに、そのなかで彼女を支えた本として紹介された2冊の本が出色で、特に書き留めておきます。


その1     斎藤隆介/作, 滝平二郎/絵「花さき山」
その2 酒井雄哉著 「一日一生」


前者は、1969年初版のミリオンセラーの絵本。




花さき山 (ものがたり絵本20)

花さき山 (ものがたり絵本20)

  • 作者: 斎藤 隆介
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 1969/12/30
  • メディア: ハードカバー



10歳の少女あやは、山菜を取りに行った山で、白髪の山ンばと出会う。山ンばは、山に咲き乱れる一面の花を指差しながら、やさしいことをすると美しい花が咲くのだと語る。


あやの足元に咲いている赤い花は、あやが母親や妹のことを思って着物を買ってもらうのを辛抱した時に咲いた花。今まさに咲こうとしている小さな青い花は、双子の赤ん坊の上の子が、弟を思っておっぱいを我慢することで咲かせている花…。


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村木さんは、拘置所に囚われて、なすすべもない状態にあると時にこの本を読んで、自分が明るく前向きにいるだけでも、ひとつ花を咲かせることができると考えて、気持ちを切り替えたそうです。


後者は、比叡山延暦寺の大僧上・大阿闍梨を務めた酒井雄哉さんの著作。



一日一生 (朝日新書)

一日一生 (朝日新書)

  • 作者: 天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 新書



拘置所からいつ出られるかわからず、先が見えない不安が一番苦しかったという村木さんは、この本から、一日を一生と思って生きることで、先が見えないという苦しみが消えたといいます。明日はまた新しい生が生まれると考えて、今日一日を淡々と自分にできることをやると思い定めて、楽になったというのです。


夫、二人のお嬢さんとのエピソードの一つ一つにも、穏やかで信頼に結ばれている間柄がにじみ出て、微笑ましいことでした。拘置所に明快に行ったときの会話があまりに自然な家族の会話で、看守が必死で笑いをこらえていた、というエピソードが、心にしみました。


朝からすがすがしい気持ちになりました。




午前中、ちょっと畑の耕作。午後、阿部池周辺までプチ散歩に出ました。出会いを期待した鳥には会えませんでした。


会えたのは、こんな近くでマガモ(ノートリミング)


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こんな近くで、この鳥なあに?


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今日はこれにて。


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写真素材 PIXTA