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平穏な日常こそがしあわせ、の巻 [私の切り抜き帳]

昨日、久しぶりに映画館へ行きました。


敬愛する友人U女史から紹介されてチケット(特別鑑賞券)を入手していたからです。


「あの日のオルガン」という作品です。



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予告編はこちら(ユーチューブ)


紹介チラシのコピーを載せておきます。


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映画の概略は---。


【あらすじ】

東京も安全ではなくなっていた1944年。戸越保育所の主任保母・板倉楓は、園児たちを空襲から守るため、親元から遠く離れた疎開先を模索していた。別の保育所・愛育隣保館の主任保母の助けもあり、最初は子どもを手放すことに反発していた親たちも、なんとか子どもだけでも生き延びて欲しいという一心で我が子を保母たちに託すことを決意。しかし、戸越保育所の所長がようやく見つけてきた先は古びた荒れ寺だった。幼い子どもたちとの生活は問題が山積み。それでも保母たちは、地元の世話役の協力をえて、子どもたちと向き合い、みっちゃん先生はオルガンを奏で、みんなを勇気づけていた。戦争が終わる日を夢見て…。そんな願いをよそに、1945年3月10日、米軍の爆撃機が東京を来襲。やがて、疎開先にも徐々に戦争の影が迫っていた―。

■出演:戸田恵梨香、大原櫻子、佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵、林家正蔵、夏川結衣、田中直樹、橋爪功

■監督・脚本:平松恵美子
■原作:久保つぎこ『あの日のオルガン 疎開保育園物語』(朝日新聞出版)

■音楽:村松崇継
■主題歌:アン・サリー「満月の夕(2018ver.)」(ソングエクス・ジャズ)

■配給:マンシーズエンターテインメント
(C)2018「あの日のオルガン」製作委員会
■文部科学省特別選定作品(一般劇映画)


花粉症の影響もありますが、涙と鼻水でティッシュを沢山消費しました。戦時下ながら、保育園児達の無邪気さにほほえましい笑いを誘われる一方、それだけに、抗いがたい戦争の暴力に理不尽に蹂躙される子どもたち、保育士、親・家族達の痛ましさが胸に迫ります。場面の進行につれて、暗い観客席のあちこちから、嗚咽をこらえる声が漏れます。
その感情が極に至るのは、耐えがたい犠牲の果てに、ようやく戦争がおわり、疎開保育園も任を終えることになって迎えるラストシーン。その気丈さから「怒りの乙女」とあだ名される、リーダー格の保母板倉楓(演じるのは戸田恵梨香)が、初めて身を震わせて泣き崩れ、声を上げて号泣(日頃あまりに安直に使われているこのという言葉が、ここでは完全にあてはまる)します。その胸には、預かった54人の園児達をやっとの思いで守り抜いた安堵と同時に、3月10日の空襲で自身の肉親も命を奪われ、園児らの親・兄弟・親族も、大勢亡くなり、余りにも大きすぎる代償への悲嘆が、改めて堰を切って噴出するのです。空襲が刻々と日本全土に広がり、8月14日には熊谷が大空襲を受け、疎開地の桶川でも空襲警報が鳴り響き、恐怖から免れることができないなか、無力感にとらわれ自棄に陥る場面の悲痛も、彼女の抱えていたものの重みが、後になって噛みしめられるのでした。


こんなところで熊谷空襲に遭遇しようとは思ってもみませんでした。熊谷空襲といえば、so-netブログの畏友momotaro様の記事に接し、とても他人事とは思えません。


無断で一部引用させていただきます。

とうろう流し


熊谷は、70年前の8月14日、天皇による終戦宣言(玉音放送)が放送される前夜(正確には当日0時23分から1時39分にかけて)米軍機による爆撃を受け、多くの犠牲者を出した。辛い戦争を体験し、いよいよ終わるという頃、明日は明るい光が射すという前の晩に「市街地の74%に相当する35万8000坪、全戸数の40%に相当する3630戸が焼失。全人口の28%に相当する1万5390人が被災し266人が死亡、約3000人が負傷した」(wikipedia 熊谷空襲より)

 日本がポツダム宣言を受け入れ、終戦に向かっていることは、当然関係諸国には伝えられていたときの市街地爆撃である。余分な懲罰的行為で謝罪を要求したい出来事ではあるが、それをここで言ってみても始まらないと思うので、それはそれとしておくしかあるまい。

 ところで、そのとき、市内を流れる星川が焼夷弾により火の海となり、そこで多数の犠牲者が出た。その悲惨な出来事を悼む行事として、毎年8月16日の夕方、とうろう(灯篭)流しが行われている。


ちらちらっと探しただけでも、他にもこんな記事があります。

嬉しい誤算?「体験者に聞く熊谷空襲」




ネット上に、主演の戸田恵梨香さんへのインタビュー記事が掲載されていましたので、一部引用します。http://www.pococe.com/contents/cover_interview188.php


最後に『あの日のオルガン』の見どころを伺うと。 「ずっと笑顔なく怒り続けていた楓先生が最後の最後に見せる、肩の力が抜けた瞬間を見逃さないで欲しいです。彼女が背負って来たものがどれだけ大きなものだったのか、その重圧から解き放たれた先生の姿は今思い出してもぐっとくるし、多くの方に共感してもらえると思います。そして今ある平穏の日々がいかに幸せかということ、人は一人では生きて行けないということ。作品を通して大きな愛を、強さを受け取ってもらえたら嬉しいです」


声高に戦争反対を叫ぶわけではないですが、「今ある平穏の日々がいかに幸せか」が、しみじみと伝わる映画でした。


これらのサイトには、多くの感想やコメントが寄せられています。多くは若い方々のコメントようですが、どれもこれも共感できます。


あの日のオルガンのネタバレ・内容・結末


https://cinemarche.net/drama/anohi-organ/#i-4


もうひとりのヒロイン、大原櫻子演じる野々宮光枝の存在感について一言だけ付言しておきたいと思います。よく言えば天真爛漫、悪くいえば保育の仕事については無自覚なド素人。見方によっては足手まといのお荷物。ですがなぜか、子どもたちは彼女になつく。子どもたちと遊ぶことが、心底楽しくてたまらない。実はこのような存在こそが、子どもたちには無条件に必要なのではないかと思わせられます。

教育の必須の側面として、ティーチング(教え)、ケアリング(世話)、ヒーリング(癒やし)の三つが挙げられると、昔学んだことがありました。そして、今日の学校では、ともするとティーチングに傾きすぎている、もしくは過剰なケアリングが管理主義にまで逸脱しているという点を憂えたことがありました(いや、現在もなお、事情は変わっていないでしょう)。ヒーリングの側面、つまり子どもに安心感をたっぷり保障することの重要性が、切実に自覚されたことでした。

そうした観点から野々宮光枝(みっちゃん)を見たとき、子どもにとってなくてはならない安心感を、そばにいて感じさせてくれる存在にはかならなかったのではないでしょうか?それは戦時の、しかも疎開先の、不安でたまらない子どもたちにとってはもちろんのこと、幼い頃から競争にさらされて現代を生きる子ども・青年にとっても、不可欠の存在なのではなかろうかと、しみじみ考えさせられました。光枝役を演じる大原櫻子さん自身の、フレッシュで伸びやかな魅力も大きく寄与しているでしょうが、子どもたちとってなくてはかなわない存在として印象づけられたことでした。光枝をいつもかばってくれる先輩保育士で親友の神田好子(佐久間由衣)が、光枝を「理想の保育士」と語った理由も、十分うなずけるのです。


ところで今日の記事の冒頭で、「敬愛する友人U女史から紹介されてチケット(特別鑑賞券)を入手していたからです」と書きました。


U女史について、当ブログで以前紹介したことはなかったかと探ってみましたが、意外や意外、一昨年の夏の記事での一度だけの登場でした。


大規模街頭宣伝??名付けに疑問、の巻


「要員」という言葉も、世間では聞き慣れない言葉ですね。友人のU女史が、「要人」と「要員」との違いは?などと突っ込みを入れておりました。


彼女が教育実習生であった頃からの、長い「つきあい」です。そして、彼女はその教育実践と人柄ゆえに、多くの教え子から格別の敬慕を得ています。その教え子のひとりが、この映画の監督平松恵美子さんなのです。


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「青は藍より出でて」と申しますが、秀でた藍からとびきりの青が生まれたということでしょうか。


駆け足の感想文はここまで。


付録に、平穏な日常の写真を載せます。


阿部池散歩にて。


ムクドリ。


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河津桜とスズメ。


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陽気に誘われて散歩するイタチ。


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ではまた。


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半田山植物園のシダレウメ、の巻 [獺祭魚]

過去記事でも、梅の品種名をネタに取り上げたことが何度かありました。


たとえばこんな記事が始まりでしたか?


お名前は? 鶯宿、紅さし、そして南高(2014-03-17)


去年の3月のこの記事でも触れました。


鶯宿再び、の巻(2018-03-10)


そしてこちらでは、半田山植物園のシダレウメを紹介しています。


お名前は? 「しだれ」シスターズ?(2014-03-21)


今日の記事は、まったくの二番煎じで、半田山植物園のシダレウメの写真です(汗)


アケボノシダレ。


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コウモンシダレ


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ゴフクシダレ


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シラタキシダレ


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セツザンシダレ


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ベニシダレ


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リョクガクシダレ


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まだ、ツボミもかなりありましたから、3月にはいっても見頃は続きそうです。


違うエリアに咲いていたこれらも、シダレウメでしょうか?


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久しぶりにモズに合いました。


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この記事はここまで。


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2月のストック写真、の巻 [獺祭魚]

カワウソが捕らえた獲物を岩の上に並べて祝祭を催すという伝承にちなんで、撮りためた写真を並べて一人楽しむコーナーです。なお、「伝説の銘酒」とはまったく無関係です、あしからず。


梅のストック写真を掲載し損ねたまま、はや3月を迎えることになりました。早いものです 後楽園を散歩して観梅を堪能したのは、先週の金曜日、2月22日でした。


漸くに失せ物出でて梅見かな


良い天気でした。 芝焼きされた岡山後楽園(2019)
芝焼きされた岡山後楽園(2019) posted by (C)kazg


芝焼きされた岡山後楽園(2019)
芝焼きされた岡山後楽園(2019) posted by (C)kazg


2月の岡山後楽園(2019)
2月の岡山後楽園(2019) posted by (C)kazg


園内から岡山城を望みます。


芝焼きされた岡山後楽園(2019年)
芝焼きされた岡山後楽園(2019年) posted by (C)kazg


芝焼きされた岡山後楽園(2019年)
芝焼きされた岡山後楽園(2019年) posted by (C)kazg


園に沿って流れる旭川を隔てて岡山城をながめると、、


2月の岡山城眺望(2019)
2月の岡山城眺望(2019) posted by (C)kazg2月の岡山城眺望(2019)
2月の岡山城眺望(2019) posted by (C)kazg


2月の岡山城眺望(2019年)
2月の岡山城眺望(2019年) posted by (C)kazg


春の陽射しが注いで眩しいです。


半田山植物園を訪ねたのは、その直後の2月25日(月)でした。


思いがけずセツブンソウに会う、の巻


桜咲いた、の巻


セツブンソウや桜に心を奪われて、他の花たちをご紹介するのが遅くなってしまいました。


クロッカスでしょうか?


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西洋ハシバミ。


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サンシュユ。


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以前も書きましたけれどね。


冬晴れの半田山植物園でインダスターレンズを試す、の巻


リンカ-ンを生んだ国、の巻


半田山植物園の植物、補遺です。

サンシュユ(山茱萸)の実(偽果)

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以前、重陽の節句の記事などで話題にしました。


マンサクにもいろいろな種類があるようです。


今日書きかけた内容は、ずっと以前この記事で話題にしていました。


金と緋と絢爛競う金縷梅(きんろばい)


花の少ない早春を彩り「まず咲く」から名付けられたとも、豊年満作につながる名前とも説明される「マンサク」の花を、半田山植物園にを写しに行ったのは2月の10日頃でしたか。フォルダにストックしたままで整理もできないうちに、3月の声を聞くようになりました。梅は咲いたし、桜の蕾もふくらむ季節です。
来年回しというのも辛いので、まとめてupさせていただきます。

(中略)黄金色のこの花は、シナマンサクだそうです。

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アカバナマンサク。独特の色と形が目を惹きます。

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今年もまた写してきました。


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マンサクとシナマンサクの交雑品種。「エレナ」だそうです。


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こちらも、マンサクとシナマンサクの交雑品種で「ディアン」。


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下は、2016-02-20に書いた記事です。


マンサクの花咲く頃に生まれけり


すぐ近くに植えられているこの木は、マンサクでしたっけね。他の花に先駆けて「まず咲く」からとも、豊年「満作」を暗示するからとも言われますが、めでたい花ではあります。
過去の記事でも、2014年2月8日付のこの記事3月2日付のこちらの記事でも、マンサクを紹介しています。




マンサクの花咲く頃に生まれけり

「けり」は過去の助動詞ですが、しばしば、詠嘆をあらわす場合もあります。

(中略)

昨日の記事で、新しいひな人形を贈られた孫娘が、もうすぎ満1歳の誕生日を迎えます。今日は土曜日で、集まるのに都合がよいと言うことで、誕生会を開きました。
片道60kmの田舎からも、昭和2年生まれの「後期高齢者」である老父が自動車を運転して、老父母揃って参加してくれました。(中略)
この子がリュックで背負っているものは、おモチです。
1歳の誕生日に、「一升餅」を背負わせるという習わしが、各地にあるようです。私の田舎では、前方の並べた、算盤、筆、書物、、、などのうちどれを選ぶかで、将来の針路を占うというイベントがあるそうです。
孫たちは、それぞれ、そのつどチャレンジしましたが、お餅の重さと、いつもと違う周りの雰囲気の姓で、泣き出してしまうことがしばしばです。このこも、やはり、泣き出しました。

お寿司を食べる頃にはけろりとご機嫌が直り、ケーキのろうそくの火を吹き消す頃にはすっかりご機嫌でした。


その一年前に書いたのがこの記事でした。


末の孫生まれたそうな梅日和


梅の花が、咲き初めていて、かぐわしい香りをただよわせていました。

ざっと眺めたところ、梅について、去年はこんな記事を書いています。


2014年3月25日

2014年3月23日

2014年3月22日

2014年3月21日

2014年3月19日

2014年3月18日

2014年3月17日

2014年3月17日その2

2014年2月13日

またまた、似たようなことを書きたくなりましたが、我慢我慢。

(中略)

ママは、昨夕、パパと一緒に産院に向かい、やきもきする時間の果てに、深夜、無事に女の子を出産したそうです。

赤ちゃんの産声は、世界共通に「ラ」の音=442Hz(ヘルツ)だそうですね。生まれた瞬間から、チューニングして、人類としての音程を確かめている。それが長じルにつれて、諍いや紛争を引き起こす、、、なんて、解せませんね。夫婦も面会に来てくれました。

(中略)

兄妹三人が、末の妹の手足を触って、大きさを較べています。

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右下の大きい手は、叔父さんです。

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記念撮影。

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ベッドに一人寝ていると、小さいですね。

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今日はここまで。


つい先日の託児所業務は今日も繁盛、の巻で話題にしたフェイスブックの写真は、これでした。


梅の写真をupしようと書き始めた今日の記事ですが、脇道に外れてたどり着けません。今日はこれまで続きは次回といたします。


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