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すももももも、の巻 [文学雑話]

幼い子どもたちがいち早く覚えて唱えるおなじみの言葉遊びに、「すもももももももものうち」という句があります。早口言葉として紹介されることもありますが、「も」の重複が目には紛らわしく思えるものの、意味をとらえれば特段早口で発音しにくいという言葉ではありません。
と、10年ほど前までは思っておりましたが、脳血管疾患の手術のあとは、なかなか発声が難しい音の重なりだと痛感するようになりました(汗)。
「もももすももも」という言い方もあるようですが、これでもかと言うほどの「も」の繰り返しの面白さは、冒頭の句が上を行くように思います。



はやくちことばえほん ももも すももも (講談社の幼児えほん)

はやくちことばえほん ももも すももも (講談社の幼児えほん)

  • 作者: 新井 洋行
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/11/22
  • メディア: 単行本



    
紛らわしかった言葉の意味のつながりは、「スモモもモモもモモのうち」と片仮名表記を交えれば、ずいぶんハッキリしてきます。「酢桃も桃も桃の内」と漢字を交えれば、ほとんど誤解の余地はなくなるでしょう。


スモモの漢字表記は、その甘酸っぱい味から「酢桃」とも書きますし、中国での呼び名を当てて「李」とも書きます。中国、韓国・朝鮮、ベトナムで用いられる姓としてもなじみがあるように、中国原産の植物で、日本へは奈良時代ごろに伝えられたようですね。現在流通しているスモモには、中国伝来のニホンスモモ(プラム)と、西洋スモモ(プルーン)に大別されるそうです。


バラ科スモモ属に属し、ニホンスモモ(プラム)は中国原産、西洋スモモ(プルーン)は、コーカサス地方原産だそうです。


桃は同じバラ科でもモモ属に分類され、「スモモもモモもモモのうち」は不正確で、スモモはむしろ、梅や杏と同類とされます。


先日、半田山植物園でスモモの花を見ました。


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すると、3月の終わりごろ、家の近所の散歩道に咲いていたこの花も、スモモでは?と思えるのですがどうでしょう?


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スモモと言えば、アベさんがモリカケ問題に関連して引用した「李下に冠を正さず」ということわざが、一躍クローズアップされたのも記憶に新しいところです。


「(モリカケ問題で)私の妻や私の友人がかかわってきたことなので、国民の皆様が疑惑の気持ちを持たれるのは当然のことなのだろう。李下に冠を正さずとの言葉をしっかり胸に刻んで、今後、慎重に、謙虚に、丁寧に政権運営に当たっていきたいと思っている」


朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」には、こう解説されています。


李下に冠を正さず
実がなっている李の木の下で冠を直さない。実を取ろうとしていると思われるからだ。また瓜の畑でしゃがんで履物をはきなおすこともしない。瓜を盗むと思われるからだ(「瓜田に履を納〔い〕れず」)。君子は疑われるようなことは未然に防ぐもの。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」


君子は疑われるようなことは未然に防ぐもの。疑われても知らぬ存ぜぬを貫いて、白を黒と言いくるめるようなのは、差し詰め「梁上の君子」の同類でしょうな。



小学館デジタル大辞泉の解説
梁上(りょうじょう)の君子
《「後漢書」陳寔(ちんしょく)伝から。陳寔が梁(はり)の上に忍び込んでいる盗賊を見つけて、悪い習慣が身につくとあの梁の上の君子のようになるのだと子供たちを戒めたという故事による》
1 盗賊。どろぼう。
2 ネズミの異称。


お話は次回に続きます。


ここで今日の付録。


今日は、高一と小六の男子をつれて、深山公園へ行きました。


桜も少し残っていて、ツツジが満開です。


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アスレチックで遊ぶのに好適なお天気でした。


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キビタキに会いました。今シーズン初です。


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きょうはこれにて。


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