カーラジオを聞くともなく聞いていましたら、ちょうど国会中継中で、衆院本会議の場面でした。
紫のふくさに包まれた解散ショウショが議長席に届いたとの実況中継の後、ややあって、「日本国憲法第7条により衆議院を解散する..」と読み上げる声の途中、突如「万歳」の大声が響き、次々に他の議員先生たちにも伝染していきました。
解散ショウショとは、「証書」ではなく「詔書」なのですね。「詔書」とは「みことのり」、つまり天皇の命令、またその命令を直接に伝える文書のことですって。ですから、「ギョメイギョジ」が添えられています。ギョメイとは「御名」すなわち天皇のお名前。「ギョジ」とは「御璽」すなわち、天皇の印章(=はんこ)です。
ところで、皇位継承のシンボルたるところの「三種の神器」=八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草那芸(草薙)之大刀(くさなぎのたち)のうち、勾玉と剣を合わせて「神璽・宝剣」といい、たとえば「大鏡」のこんな記述などによっても、天皇のアイデンティティを証明する絶対的な存在として扱われていたことが窺われます。