せこい話になりますが、岡山後楽園は駐車料金が一時間100円です。市街地のほかの駐車場を利用するよりは割安なのですが、長時間駐めると負担感があります。一方、半田山植物園は、時間制限なしの300円です。ということは、長時間駐める時には、半田山がオトクということになりますね。
と言うわけで、ちょっと久しぶりに、植物園散歩としゃれ込みました。
「花野」というのは、秋の季語で、秋の草花が一面に咲き乱れる広々とした野原のこと。
私は、長いあいだ、桜や菜の花をはじめ、とりどりの花々が、柔らかな陽気にさそわれてあでやかに咲き誇る、春爛漫の情景を指すのだと、思い込んでいました。
俳句ではありませんが、与謝野晶子の「なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな」の歌なども、妖艶な春の宵のムードに誘われるあまくせつない恋心を歌ったものと、早飲み込みにイメージしていました。とんだ勘違いです。
万葉集の時代、山上憶良が「秋の野を詠める歌二首」として、
「秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝がほの花」と詠んだように、清楚で控えめ、あるいは物寂しい草花が、一斉に野原一面に咲き広がり、秋風に吹かれる様は、しみじみと心に染みる風情と言えましょう。
「ハギ」、「尾花(ススキ)」、「クズ」、「ナデシコ 」は、過去記事にも登場しました。
女郎花(オミナエシ)は、あいにく手元に適当な画像が見つかりませんので、また機会を改めて掲載できればと思います。
「藤袴(フジバカマ)」は、これでしょうか?
「朝がほ」は現在の朝顔ではなく、桔梗(キキョウ)の古名だそうです。
キキョウ。
ちなみにこれは、コダチチョウセンアサガオ(エンゼルストランペット)
「花野」とはいっても、あまり歓迎されない草花もあります。種子が、衣服にくっつくと実に始末が悪い 栴檀草(センダンソウ)です。ヒラタアブに取っては好ましい花であるようですが。
栴檀草(センダンソウ)とヒラタアブ
種子のことを言うなら、ハギのそれも、かなり厄介ですね。
花野を飾る草花はこれくらいにして、後は、今園内で花を咲かせていた植物を、アトランダムに紹介します。
サルビア・レウカンサ
ローゼル。
酔芙蓉(スイフヨウ)。
朝は白、夕方には酔って赤くなるというのですが、この日は日中からほろ酔いらしいです。
ペンタス。
五芒星型の花が特徴的です。
シュウメイギク。キブネギク(貴船菊) とも呼ぶそうです。
菊と名はつくけれども、アネモネの仲間だとか。
ベゴニア
白いベゴニアに止まるヤマトシジミ
ツワブキ
スダレギボウシ
チンシバイ(ニワナナカマド)。
フウセントウワタ。
サンシュユ。
最近、9月9日の重陽の節句の記事で話題にしました。
パラグアイオニバス。
夏の頃から咲いています。
コスモスが花盛りです。
展望台から眼下を望みます。
方角を変えます。真ん中あたりに岡山城が見えますか?
小鳥もいましたが、写せたのは、キジバトだけでした。
今日はここまで。続きは次回といたします。