枕草子の有名な章段に「うつくしきもの」があります。
古語の「うつくし」はbeautiful(美しい) よりも、pretty(可愛い)に近い語感だと言われます。
うつくしきもの、瓜にかきたるちごの顔。雀の子の、ねずなきするにをどりくる。二つ三つばかりなるちごの、いそぎてはひくる道に、いとちひさき塵のありけるを、目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人などにみせたる、いとうつくし。頭は尼そぎなるちごの、目に髪のおほへるを、かきはやらで、うちかたぶきて物など見たるも、うつくし。
おほきにはあらぬ殿上わらはの、装束きたてられてありくも、うつくし。をかしげなるちごの、あからさまにいだきてあそばしうつくしむほどに、かいつきてねたる、いとらうたし。
雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを、池よりとりあげたる。葵のいとちひさき。なにもなにもちひさき物はみなうつくし。
【解釈(桃尻語訳風)】
可愛らしいもの、といえば、すっきりと形のいい瓜に描いた、ちっちゃな子の顔よね。可愛くて、食べたいくらい。
スズメの子が、チュッチュッと舌で鼠の鳴き真似をすると、こちらに向かってヒョイヒョイと跳び跳ねながらやってくるの。とっても、愛くるしいわ。
二、三歳くらいの幼児が、座敷の植えなんかを、急いではいはいしながらこっちに向かってやってく途中に、とっても小さいゴミがあったのを、めざとく見つけて、とってもかわいらしい指でつまんで、近くにいるオトナの女房などに見せているのは、とってもかわいらしいわ。
髪の毛は、尼さんの髪型のようにおかっぱの幼児が、目に髪がかっかているのを、手でかきやることはしないで、顔を傾けてものを見たりなどするのも可愛いわ。
大きくはない殿上わらは(行儀見習いのために宮中に出仕する少年貴族)で、立派に着飾らさせれてあちこち歩き回るのも、かわいい。
上品でかわいらしい幼児で、ほんのちょっとと抱っこして、遊ばせてかわいがるうちに、そのまましがみついて寝ているのは、とってもかわいらしいったらないわ。
雛人形の道具。
蓮の浮葉でとっても小さいのを、池からひょいと取り上げたのは、可愛い。
葵のとっても小さいの。
何もかも、小さいものはみんな可愛いわ。
日本で一番小さいトンボは、ハッチョウトンボだそうです。
M先輩が、先日「自然保護センター」で撮影した写真を送ってくださいました。(一緒に、オオムラサキのはっきりくっきりの写真も---。うらやましい。)
とはいえ、 「自然保護センター」は少々距離がありますので、昨日は総社市の「ヒイゴ池」を訪ねてみたのでした。
ここにハッチョウトンボが生息することは、何年か前、同じ職場の同僚だったハイアマチュア・カメラマンのTさんから、ご自分の作品を見せていただき、知っていました。それから何回か訪ねたのですが、タイミングが悪いのか、これまではあいにく巡り会えませんでした。
果たして、昨日は?会えました!!
でも、持参カメラが、K5+tokina90mm macro では、遠すぎました。ハッチョウトンボが、わずか1cm余りの極小トンボであることを、甘く見ていました。相当望遠系のレンズを用意してくるべきでした。
実は、どういう思いつきか、tamron 80mm-250 210mm macro というベリーオールドマニュアルフォーカスレンズを持ってきていました。AFADをセットした状態で、tokina90mm macro と tamron 80mm-250 210mm macroを交換しながら使用すれば、撮像素子にゴミが付着しないですむだろうという思いつきです。どうせなら、いくらかでも描写性能に優れたレンズを使えばよいのにとは思いますが、あいにく、新しいタイプのDAレンズなど絞り環のないレンズでは、絞りを絞りこんだ状態になり、AFが機能しません。ですので、AFADを利用する場合は、絞り環があって比較的明るいオールドレンズが適しているのです。そういう中古レンズのうち、望遠マクロの機能に期待して、重いけどもバッグに入れてきたのでした。
でも、がっかり。レンズのせいか腕のせいか、、、ハッチョウトンボは、証拠写真しか残せませんでした。
大幅にトリミングしています。
羽化した蚕は、体内から液体酵素を排出して繭を溶かして、外に出てくるのだそうです。
でも、自然に羽化した蚕の繭は、かなりの部分が溶けてしまい、また体液で汚れてしまします。繭から絹糸をとる場合は、繭を丸ごと茹で、ほぐれてきた糸をより合わせるそうです。この行程でサナギは、死にます。
これを利用して、長野などの山岳地方では、かつては貴重なタンパク源として食用に供されたそうですし、今も珍味としてご当地グルメとなっています。
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子どもの頃は、サナギを丸のまま釣り餌として針に付けてフナやコイを狙ったものですし、サナギ粉は寄せ餌・撒き餌の必需品です。
しかし、我が家のオカイコ様を茹でて殺すのは忍びないので、妻は、繭を切り取ってサナギを生きたまま救出する作戦を遂行しました。