夕焼けを写したいと、常々思っています。

素敵な夕焼けを写す事ができたら、吉野弘さんのこの詩と一緒に載せたいと思っていました。


        夕焼け        吉野 弘
       いつものことだが
        電車は満員だった。
        そして
        いつものことだが
        若者と娘が腰をおろし
        としよりが立っていた。
        うつむいていた娘が立って
        としよりに席をゆずった。
        そそくさととしよりが坐った。
        礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。 
        娘は坐った。
        別のとしよりが娘の前に
        横あいから押されてきた。
        娘はうつむいた。
        しかし
        又立って
        席を
        そのとしよりにゆずった。
        としよりは次の駅で礼を言って降りた。
        娘は坐った。
        二度あることは と言う通り
        別のとしよりが娘の前に
        押し出された。
        可哀想に
        娘はうつむいて
        そして今度は席を立たなかった。
        次の駅も
        次の駅も
        下唇をキュッと噛んで
        身体をこわばらせて-----。
        僕は電車を降りた。
        固くなってうつむいて
        娘はどこまで行ったろう。
        やさしい心の持主は
        いつでもどこでも
        われにもあらず受難者となる。
        何故って
        やさしい心の持主は
        他人のつらさを自分のつらさのように
        感じるから。
        やさしい心に責められながら
        娘はどこまでゆけるだろう。
        下唇を噛んで
        つらい気持で
        美しい夕焼けも見ないで。

 

でも満足できる一枚に、巡り会えません。

昨日、仕事帰りに、おなじみの岡山市後楽園にちょっと寄り道をしたら、台風一過で緑が鮮やかでした。

 

 

園内を散歩しても、かるく汗ばむ程度の心地よさでした。帰路、旭川の川面を、夕陽が照らして魅力的でした。信号待ちの隙に、無理な体勢でシャッタ-を切りました。

 

 

ちょっと立ち寄ったスーパーの駐車場で、ふと見ると、西の方があかね色になっていました。

何の変哲もない、街の光景ですが、烏が鳴いて、よい子がおうちに帰りたくなるような、夕焼け空が見えましたので、とりあえず写してみました。

 
 

 

 

いろいろ、レタッチも試みてみましたが、実際の空の印象には及びません。まあ、可もなく不可もなしというところでしょうか?