「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」(斎藤緑雨)という句がありました。文豪Goetheのドイツ語読みは、なかなか片仮名表記が難しいでしょう。
ところで、「ダビンチョ」なるものの正体をご存じかな?
実は、この春結婚した娘が、嫁ぎ先のご両親から、サザエに似た小型の巻き貝の塩ゆでを、他の、旅行土産と一緒に戴いた由で、お裾分けしてくれました。

サザエそっくりの食感で、より濃厚な味覚のこの貝の名を「ダビンチョ」というらしい。イタリア系または、イスパニア系の命名に違いないと、密かに推理したのですが、、、。


気になりましたので、ネット検索してみましたが、どうもピタリとした解説にヒットしません。あれこれ検索するうちに、「スガイ」(酢貝)という貝の別名に「ダビ」というものがあるらしいことにたどり着き、「これだろうか?」と目星をつけたところです。
この貝、カラクモガイ、チョウセンスガイともいい、次のような別名、地方名を持つとか。
アゲシオダマ(上げ潮玉)、イシブタ(石蓋)、ニーナ、アオゴロイソモン、アオニナ、イシコダメ、イシシタダメ、イシズー、イシダビ、イシダメ、イシツブ、イシヅブ、イシツボ、イシナメ、イシニイナ、イシビタ、イシビナ、イシブタ、イシブタニイナ、イシブタミナ、イズビナ、イセヴナ、イセブタ、イソダマ、イソモン、イッコ、ウキンニャ、オオカサザエ、オオクサマンメ、オキツブ、オコドン、オトコガイ、オトコギライ、オトコシタダミ、オトコダメ、オトコツブ、オトコツブン、オトコヅボ、オトコニイナ、オトコニシ、オトコニナ、オトコブキ、オトコマキ、オトコミナ、オトゴダビ、オトコダブ、オンナダメ、カタメ、カナツブ、カブトニシ、ガラマキ、カンチダメ、ギシブ、キミシャン、ギライ、キンキンダメ、クジラニナ、クチブタ、コボイシ、コボイソモン、ゴボサマガイ、ゴロミナ、サザエダマ、サザエノコ(サザエの子)、サゼエノオジゴ、サトージョーモリ、サナックレー、シタダミ、シタミナ、シャーダリ、ジョカツミナ、スナイソモン、スナダマ、スナックレー、スナニナ、スナホリ、スナモグリ、タタキマギ、タツボガイ、ダトウノメ、タニシゴナ、ダビ、タマ、タマイシ、タマッコロ、タマニナ、ダメ、チャンポコ、ツチカムリ、ツブ、ツブガイ、ツブシンナ、ツブン、ヅボ、ヅメガイ、ツンブシミナ、デンデンゴウラ、ドクニナ、ドロカムリ、ドロミナ、ドンザミナ、ニイナ、ニガガリ、ニゲエサザエ、ニシ、ニナ、ニンニャ、ネーラ、ネコミナ、バツッミナ、ハナゴロシ、ハナゴロミナ、ハリガイ、ビイナ、ヒガン、ヒタダメ、ビナ、ブキ、ブケ、ブゼンブキ、フツイソモン、ベーボ、ヘツブサザエ、ベベガイ、ボタボタ、ポッポ、ホンイソモン、ホンダマ、ホンダメ、ホンニイナ、ホンブキ、マイラ、マエダメ、マルゴナ、マルダメ、マルツブ、マルニーナ、マルニナ、マルブケ、ミズミナ、ミナ、ミヤリダマ、メーラダマ、メクイギライ、メクサリダマ、メクサリニイナ、メクサレニーナ、メクサ、メクラサザエ、メクラシタダミ、メクラシタミナ、メクラダメ、メクラツブ、メクラニイナ、メクラニナ、メダマツブ、メックガイ、メックリ、メッチョニナ、メノダマ。
 古事記・万葉の昔から、一般に、巻き貝のことを、「蜷」(にな)と呼んだようで、私なども、川に住む「カワニナ」は、塩ゆでにしたり味噌汁の具にしたりして、美味しく食べた記憶があります。最近では、寄生虫(ジストマ)による健康被害への警戒から、食用にされなくなりましたが。「カワニナ」はむしろ、蛍の幼虫の餌として着目されることが多いでしょうか?
いずれにしても、貝類は高級食材。なかなか頻繁に口にするわけには参りませんが、美味であるだけでなく、栄養価も高く、特に、亜鉛の含有が顕著であることはよく知られています。
亜鉛は、タンパク質の合成や骨の生育、免疫機能の維持に欠かせぬ必須ミネラルで、新陳代謝を良くし、免疫力を高め、たんぱく質やDNA、RNAの合成に関係し、100種類近くもの酵素に関与しているとか。
貝類には、このほかビタミンB、Eやタウリンなど、「アンチエイジング」に効能のある成分が、たくさん含まれているそうですね。
味よし、健康にもよしとくれば、酒の味も格別というもの。
ダビンチョを肴に寿命延びにけり