このカメラを買った頃は、赴任地の関係で、山間部に住んでおりましたが、たまたま岡山駅の地下街を歩いておりましたら、商店街に店を構えていたカメラ屋さんが、キャッチセールスをしておられました。無警戒にこれに乗せられて、 後先考えずに買うことになったのがこのカメラでした。
確か、結婚を間近に控えていた頃で、カメラがあっても良いかなと考えていた油断に「つけ込まれた」形です。このメーカーのこの機種を選ぶ積極的な動機は見あたりませんが、一見してスタイルと言い、手になじむ感覚と言い、フィルム巻き上げの感覚や、シャッター音など、メカニックで、洗練された感じが気に入ったことは確かです。
そのあと、ずっと、ペンタックス製品とつきあってきました。
期待して新機種を買っても(大抵エントリー機~中級機レベルのグレードの機種でしたから) いつも、何か物足りない不満感を覚え、隣の芝生を見るたびに悔しい思いを抱き続けたのも、確かです。
それなのに、なぜ乗り換えようとはしなかったのか?
不思議と言えば不思議です。
子ども自分、「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉がはやりました。大勢の人がもてはやすもの、メジャーなものの代表です。
子ども心にこれに反発を感じた私は、巨人よりは阪神を、大鵬よりは柏戸を(それより、なぜか、安念山のファンを自認していました)、 応援したい傾きがありました。
最後の卵焼きには、代替物が見あたりませんでした。
「巨人、大鵬、卵焼き」。これに続けて「自民党」と付け加えても良かったかも知れません。
同じ理由で、自民党よりは社会党を、子ども時代の私は応援したいと思いました。
当時、大人達は、縁側談義の折など、ことある事に自身の生々しい戦争体験を語っておられ、居合わせた子ども達も聞くともなくそれを聞くような場面がよくありました。多くの場合、話は次第に熱を帯び、武勇談に似たトーンに彩られる傾向がありました。そして、たいていの場合、命からがら生きのびた苦難の話題に及び、「戦争はおえん(駄目だ)。平和が一番じゃ」という結論におさまるのでした。
お隣の、同級生の友達のお父さんは、鉱山の坑内で仕事をしておられる筋骨たくましい方で、従軍経験もお持ちでした。床の間には天照大神の掛け軸と、白馬にまたがった昭和天皇の凛々しい軍服姿の写真が、額に飾られていました。
この方が、あるとき、「自民党が政治を続けたら、また戦争になるかも知れん」 と、子ども達に向かって語ったことがありました。
当時の私達は、戦争は過去のものであり、平和憲法を持つ我々は、永久にそれを捨てたはずだと信じていましたから、現実の世にふたたび戦争という選択肢が登場するなどは、想像の域を越えていましたので、この言葉は、「サンタクロースはいない」と、友達から聞いた時と同じような衝撃を私に与えたものでした。
自民党でなければ社会党、と、単純に子ども心に思ってきました。「護憲政党」というのは、無条件に正しいと考えたのです。今では、その「社会党」という政党も、いったん政権についたものの、拭いがたいがっかり感を残して、雲散霧消してしまいましたが、 紆余曲折した、またまた自民党が圧倒多数を占め、改憲準備を着々と進めている今の時代、「自民党が政治を続けたら、また戦争になるかも知れん」というお隣の小父さんの危惧が、せめて杞憂でありますように祈らずにはいられません。
またまた、とんだ脱線でした。
メジャーな流れに同調したくないという私の性癖は、「小供の時から損ばかりしている。」(漱石『坊っちゃん』)というほどでもありませんでしたが、決して得をした覚えもありません。
PENTAX機とのおつきあいも、おおむねそうでした。そんななかで、無条件に、pentaxを使ってきて良かったと思ったのは、このAFデジボーグです。ほとんど初めての経験でした。
こんな鳥も、ほとんど苦労なくピント合わせができて、あっけないほどに、 苦もなく精細な画像を得ることができます。まるで、自分のカメラの腕前が上がったかと錯覚するほどです。
ところで、この鳥なあに?
一番上の2羽はオオジュリンでしょうか?
枝の上の小鳥は?
同じようにも見えますし、違うようにも見えて、 わからなくなってしまいます。
はっきり写れば見分けられるだろう、などと、安易に思っていましたが、やはり難しいです。
今日は朝から雨。
小学校の卒業式で、5年生は式参加のため登校しました。1年生は、学校はお休みなのですが、昨日の夕方から、39℃を越える高熱を出し、じいじとばあばがお医者さんに連れて行きました。鼻の粘膜をこすり取られて涙を流しながらも泣かずに、インフルエンザの検査を行けましたが、陰性でした。あるいは発症から間がないのでまだ反応があらわれないせいかとも疑い、様子を見て、今朝、もう一度医者に行こうかと、昨夜はじいじ、ばあばの家にお泊まりをしました。
スポーツドリンクを飲み、夜の間にしっかり汗をかいたせいか、今朝には37℃台に下がり、昼には平熱に戻っていました。
何の熱だったのか不思議ですが、まずはめでたし。
元気を出して、国語、算数、作文の宿題も済ませ、退屈しのぎにお絵かきもして、今はずっと以前にBS放送から録画した「ガメラ」のシリーズを観ています。
偶然録画されていたニュースで、「松本清張氏死去」が報じられていました。1992年(平成4年)8月4日に放送された番組のようです。
時代の流れを感じます。