一昨日の記事で、郷土出身の詩人永瀬清子さんに触れました。それをきっかけに、彼女の作品について思いをめぐらせているうちに、確か「蝶のめいてい」という作品があったなあと思い、どんな作品だったか、ネット検索で確かめようとしましたが、どうもすっきりしません。
とかくするうちに、一昨日も触れた「永瀬清子詩集」を並べていた本棚のほぼ近くに、短章集1「蝶のめいてい」という本がありました。自分で買っておきながら、しかも折り目をつけるなど一部には読んだ形跡もあるのに、そのこと自体を忘れてしまっているオソマツ。
その中に、「蝶のめいてい」という文章がありました。
蝶のめいてい 永瀬清子
梅酒のかめから別のガラス瓶に甘い汁をうつしていると、しずくが板の間にこぼれた。雑巾できれいに拭いてほかのことをしていると、うす茶の翅をもった蝶が一羽、いつのまにか来て板の間にじっととまっている。
目にも入らぬ板の間のすき間のところに小さい細い吻をさしこんで、甘い汁を吸っているのだ。
私の手がそばまでいくと、一寸舞い立つが、またそのすき間へ戻ってしずかに吸っている。いかのもおいいしいものをみつけたかのように。
私は顔を近づけてその翅を見た。よいデザイン。黒い眼のような紋があるな。片方の翅の長さが四センチはあるな。蝶はうごくともみえずじっとしている。
私は全部拭いてしまったつもりなのに、蝶にとっては、すき間のこぼれは大きなかめで飲むのと同じなんだろう。
かわいそうな、かわいそうな、そして幸福なものよ。夏の間にたんとたんとお飲み、と私は大尽であるかのように胸をはって蝶に云った。
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「うす茶の
翅をもった蝶」「黒い眼のような紋」と言えば、この蝶でしょうか。
それともこれでしょうか?
探しながら散歩してみましたが、見あたりません。
小春日和に浮かされて、舞っていたのはこんな蝶達でした。
ベニシジミとヤマトシジミのカップル?
キチョウ。
花から花へと舞うモンシロチョウ。
この花は、コセンダングサでしょうか?センダングサ(栴檀草)は、葉が栴檀(栴檀)の葉に似ているところからの名付けだそうです。種子は、やっかいなヒッツキモチ
ミズナの葉にとまって産卵中でしょうか?幼虫の食欲には泣かされます。
カラシナ。
この野菜は?
菊の香に蝶もめいていしたるらん
菊の香にモズもめいていしたるらん?(安直)
トリミングします。
今日はこれにて。