岩波書店のwebマガジンに、こんな記事がありました。


『図書』11月号 【試し読み】小谷汪之/赤坂憲雄/円満字二郎


その一部を引用させていただきます。



連載 漢字の植物園in広辞苑①


11月、紅葉に深まりゆく秋 円満字二郎


02 カリンをめぐる三角関係

漢字の世界では、「楓」のように、一つの漢字が二つ以上の植物を指していることが、よくあります。それとは違って、同じ一つの日本語が二つの植物を指し、漢字で書くと別の書き表し方になってしまう、ということもあります。「カリン」がその例です。


『広辞苑』で「かりん」を調べると、「下臨」「火輪」のあとに、二つの植物名が並んでいます。一つめは、漢字では「花櫚」と書く、マメ科の高木。二つめは、「榠樝」というむずかしい漢字を使って書き表される、バラ科の高木です。


私たちが知っている、一一月ごろに出回る果実を漬け込んでお酒にしたり、のど飴の原材料になったりするのは、バラ科の「榠樝」。マメ科の「花櫚」は「家具・細工物などの高級材」だと、『広辞苑』には書いてあります。この二つが同じ名前で呼ばれる理由については、調べてみたところ、木目がよく似ているからだ、という説があるようです。


ところで、「カリン」には「花梨」という書き表し方もあって、漢字が簡単でかわいらしいところから、よく使われています。『広辞苑』のみならず、多くの国語辞典では、「花梨」は、お酒や飴になる「榠樝」と同じだ、という説明。ただ、中国の辞書には、「花梨」は「花櫚」だと書いてあります。


実際、孫悟空が大暴れする『西遊記』には、「花梨」の木箱が出てきます。また、一八世紀に才子佳人の恋模様を描いた長編小説、『紅楼夢』には、「花梨」の机が登場します。「花梨」は家具の材料となるのです。


とすれば、「カリン」には、「花櫚」と「榠樝」という二つの植物があるだけではなく、「花梨」と書いた場合には、日本と中国で指す植物が違うという、たいへんややこしい事態になっているわけです。植物の名前と、それを書き表す漢字との関係はかくも複雑で、辞書編集者泣かせなのです。




面白く読ませていただきました。---と言うより頭がこんがらがって、よく理解できません(汗)


著者の円満字さんは、ご自身のHPによるとこんな方だそうです。


プロフィール



円満字 二郎(えんまんじ じろう)
1967年、兵庫県西宮市生まれ。円満字は珍しい姓で、父から聞いた話では、もともと、石川県小松市の郊外にあった円満寺というお寺の土地に住んでいた人が、明治になってなぜか「寺」を「字」に変えて名乗ったらしい、とのこと。神戸に出て来たのは祖父の代。小松の本家の系統と、神戸の分家の系統があるものの、全国を探しても20人くらいしか名乗っていない姓ではないかと思われる。
1986年、大学入学とともに上京。1年生のうちから授業には出なくなり、オーケストラの練習場に入り浸る。ただし、忍耐力に欠ける性格から、楽器の腕は上達せず。4年生以降は、ほとんど下宿で小説を読んで過ごす。
1991年、大学を卒業して出版社に入社、高校国語教科書の担当となる。まったく勉強しなかった学生時代の専攻、中国古代史がここでたたり(?)、漢文の教科書を主に編集。最初は現代文をやりたかったものの、次第に漢詩文のおもしろさに目が向くようになる。
1998年、人事異動により漢和辞典の担当に。「漢字」との縁が本格的に始まる。仕事そのものはおもしろいと感じていたものの、やがて、さまざまな事情から、サラリーマンを辞めることを真剣に考えるようになる。その手段として、「漢字」を素材とした文章を書き始め、幸運にも出版の機会に恵まれる。
2008年、退職してフリーに。漢字や漢詩・漢文、中国史に関係する編集や執筆の仕事をしながら、減っていく貯蓄を横目でにらみつつも、現在に至る。


2018.11.05

著書、著述など、興味をそそられますが、今日はそちらには深入りしません。


自然環境体験公園のカリンの花です。





そう言えば、いつもの散歩道でもカリンの木に見覚えがあります。2014年の春の記事似、写真を載せていました。


春更けていきものの色深くなる



4月もはや終わりが近づき、季節はゆく春の様相を呈してきました。春の風物をアップしておかないと季節遅れになりますねえ。


(中略)


カリンの花でしょうか?





その場所を、昨日散歩してみました。




前夜の雨と風が、花を散らしてしまったようです。


桜の花も、ほとんどしべザクラになりました。



桜の花びらの上を遊ぶスズメ。風流なものです。




ツグミ。



ムクドリ。




ダイサギ。 アオサギ




道端にはマツバウンラン。この名前、思い出すのに半日かかります(汗)


 




ヤグルマソウの季節になりました。



画面右の方に、何かがあらわれました。



ヒラタアブです。





カリンの果実については、過去記事で写真を載せました。


奇遇、の巻



たわわなカリン。




そういえば、去年の秋に、叔母から、自宅の庭で採れたと大きなカリンをいくつもいただき、蜂蜜漬けと、焼酎漬けにしていました。


蜂蜜漬けの方は、風邪気味で喉が痛い時など、そのまま舐めるかお湯に溶かして飲むと、痛みが和らぎ咳にも効くの出、重宝しました。いつまでも保存が利くものでもなさそうなので、最後は蜂蜜ジュースとして消費しました。


焼酎漬けの方は、地下室(嘘です。床下収納)に保管していたものを、昨日取り出してみました。




美味でした。もう少し寝かせておくと、もっとまろやかになるでしょう。


今日はここまで。