看護師さんに「粥が食べられるようになってよかったですね」と言われ、 「 ええ、ずっと絶食でしたから」と答えると 「 いつから?」と尋ねられます。
「 え~と、月曜に入院して、翌日からだから、火、水と、、、今日は金曜でしたっけ?」と言いましたら「土曜日ですよ」と笑われました。日にちの感覚と記憶のデティルが曖昧になってしまっています。
先日、たまたま立ち寄った古本屋の100円コーナーで、 「 夏休み」用の充電&娯楽用に、目についた本を大人買い(笑)しました。京極夏彦、宮部みゆき、あさのあつこetc.と、読み慣れた作者の作品を適当にかごに入れ、あと、これまで一冊も読んだことのない作者のものに手を出してみました。
それは、瀬戸内寂聴さんです。
流行作家、瀬戸内晴美さんの時代から、出家後寂聴を名乗られるようになっても(それも長いですが)、一冊も、いや1篇も手にとったことすらなかったのです。何か、自分とは縁遠い世界におられる方だと、訳もなく思い込んでいたかもしれません。
最近、憲法や平和に関するご発言や態度表明に関心は持っておりましたが、それ以上ではありませんでした。
そんな中、 先日のニュースで、 戦争法に反対の意思表示をするために、単身で国会前行動に参加され、気迫のこもった発言をなさっている姿を拝見しました。高齢のうえに、胆嚢癌を治療中のお体を押しての参加だそうです。
(病棟の休憩コーナーに、多様な雑誌類が並べてあります。その一冊に、彼女の国会行動がインタビューされていました。それによると、単身で状況参加したのは、途中で倒れたりして、組織や団体に迷惑をかけることを避けたかったからだそうです。)
そのお姿に、深く感銘を受け、そのお人柄を垣間見るためにも、少しは作品に目を通しておくべきかと、手当り次第、6~7冊買い込んだのでした。
この度の入院時に、慌てて持ってきたかばんのなかに、たまたま入れたままで手を付けずにいたそのひとまとまりの瀬戸内作品がありました。
こういう機会でもなければ、読まないままに終わったかもしれない文章を、ひもときながら、入院中の退屈を紛らわしています。
その中の一冊「人が好き[私の履歴書]」。感慨深くよみました
本格的な感想を書く気力はありませんが、 その生い立ちから出家、そして先日の国会行動に至るまで、彼女の奔放な生涯が、純真無垢な一途さに貫かれていることに、感慨を覚えました。 (彼女の半生にもその作品にも大きな位置を占める彼女の「不倫」も含めて)。
第2部は、評伝、交際録といったような趣の文章で、各界の魅力豊かな方々が、魅力たっぷりに、かつ軽妙に感慨深く描かれていて、次にはこの人について知りたいと思わせられることも多々ありました。
病室風景を写してみました。画像を縮小するためアプリを追加しブログにはりつけ てと、結構面倒ですね。