1月28日付Yahooニュースに 梅沢富美男 菅首相「生活保護」発言に怒り爆発「こんなにバカにされて自民党に入れるヤツいるのかね」という記事が掲載されていました。大変興味深いので、一部引用してご紹介しておきます。



俳優の梅沢富美男(70)が28日放送のTOKYO MX「バラいろダンディ」(月~金曜後9・00)に出演、物議をかもしている菅首相の「最終的には生活保護がある」発言について「国民をバカにしている」と怒りをぶつけた。


問題発言が飛び出したのは、27日の参院予算委員会の答弁。菅首相は新型コロナウイルス対策で「10万円」を給付する特別定額給付金を「再び支給することは考えていない」と否定。一方で、政府の支援が届いていない人がいるのではないかとの質問に「最終的には生活保護という仕組みもある」と語った。


これに対し、「国民が生活保護に陥らないようにすることが政治の役割ではないのか」との声が噴出し、SNS上などで大炎上する騒ぎになっている。 梅沢は「言っちゃいけないことを言っちゃったよな。国民をなんだと思ってるんだ」と憤った。コロナ禍で経済的に困窮する人が続出している状況を知りながら「10万円なんて出しませんよ…と。よくそこまで言えたよな」。


一方で、「国民が試されている」との見方も示した。「今度の選挙ではっきりするんじゃない。これで応援する国民なら、生活保護受ければいいじゃない。でも、おれは変わってくると思うよ、こんなにバカにされてまで自民党に入れるヤツいるのかね、疑問だな」と声を荒げた。



「生活保護があるでしょ」は、彼らのお得意のセリフですね。私も所属している年金者組合が全国各地で国を相手に争っている「年金裁判」においても、被告の国側は、「年金切り下げにより生活していけなくなる人がでたとしても、憲法25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)に違反しているとは言えない。セーフティネットとしての生活保護があるから」みたいなことを繰り返し主張してますよね。


でも、一方で、生活保護受給に苛酷なハードルを設定して、受給抑制を強めていることは周知の事実。役所の窓口では、俗に「水際作戦」とか「硫黄島作戦」とか呼ばれる対応が、推進されているそうな。


「水際作戦」とは、福祉事務所の窓口という水際で、「まだ働くことができる、最低生活費以上の預貯金や所持金(手持ち金)がある、住居を持っている、住居の家賃が高すぎる、自家用車を保有している」などの理由をつけて申請を受け付けないというもの。「硫黄島作戦」とは、旧日本軍が米軍を硫黄島に上陸させた上で迎撃を図った作戦にちなみ、生活保護を決定してから辞退届を出させたり転居させて保護を打ち切ること。


その結果、餓死・孤独死・自殺といった悲惨な事件も跡を絶ちません。


生活保護受給を妨げるハードルのとして、いまひとつ「扶養照会」があります。yahooニュース1/24付生活保護の扶養照会の「闇」 行政が大学生や80代の高齢者にも要求から一部引用します・



コロナ関連の生活困窮に対応する生活支援策として、社会福祉協議会の特例貸付や住居確保給付金の要件緩和が行われてきたが、いずれも期限付きの制度であり、すでに貸付や給付が終了してしまったという相談も少なくない。


そうすると、生活困窮の拡大を受け止めることのできる制度は、ほぼ生活保護だけということになる。しかし、生活保護の捕捉率(受給資格のある人のうち、実際に受給している人の割合)は2割程度と言われており、かなり多くの人たちは保護申請を避けている現状がある。


その要因の一つとして、保護申請時に行われることの多い扶養照会の存在が挙げられる。扶養照会は申請者の親族に対し、扶養(金銭的援助など)の可能性についての文書を送付する制度だ。生活保護申請を家族に知られることを恥だと思う人も多く、保護申請の大きな障害となっている。


しかも、日本の扶養照会は世界的に見ても「異様」に執拗なうえに、まったく効果がなく、無駄な行政経費の代表格といってもよいほどなのだ。


そこで今回は、生活保護における扶養照会について解説していきたい。(以下略)



この扶養照会の問題昨日の国会でクローズアップされました。



田村厚労相
「義務ではございません
義務ではございません
扶養照会が義務ではございません」
小池晃議員
「だったらやめましょうよ」
(2021.1.28参院予算委員会)
https://tr.twipple.jp/t/37/1354766831051968512.html



立川談四楼さんのツイートがズバリそれを取り上げています。お見事。



ところで、立川談四楼さん、ツイッターでのその切れ味鋭い発言に溜飲を下げることがしょっちゅうなのですが、遅ればせながら、最近、この方についてのエピソードに、思わず膝を叩いたものでした。wikiより引用します。



1983年、落語協会での真打昇進試験において、談四楼と兄弟子の小談志(後に談志門下を離れ喜久亭寿楽になる)が不合格になる。これをきっかけに談志は弟子をつれて落語協会を離れ、落語立川流を結成。同年11月、落語立川流真打に昇進。



師匠の立川談志は、人気番組「笑点」の司会としても記憶される軽妙洒脱の落語家ですが、政治的には自民党参院議員、沖縄開発庁政務次官(持ち前の喧嘩っ早さで、わずかて36日間で辞任しますが)を務めた人。でも、その気骨は、弟子の談四楼さんに脈々と受け継がれているものと見えます。


【記事の追加】


談四楼さんは、師匠の没後、小説「談志が死んだ」を書いています。





 







 







談志が死んだ (新潮文庫)



  • 作者: 立川 談四楼

  • 出版社/メーカー: 新潮社

  • 発売日: 2015/10/28

  • メディア: 文庫




amazonの書籍紹介を引用しておきます。




その死は弟子たちにも伏せられていた。立川談志、享年七十五。この不世出の落語家に入門したのは十八歳の春だった。それから四十年近く惚れ抜いた師匠から突然の破門宣告。「てめえなんざクビだ」。全身が震えた。怒りの理由が分らない。振り回され、腹を立て、やがて気づいた。大変だ。壊れてるんだ、師匠は――。偉大な師匠(おやじ)の光と影を古弟子(せがれ)が虚実皮膜の間に描き尽す傑作長篇小説。





実は、20年近く前、生前の談志とその弟子たちの文章を集めた同じ題名の本が出されていました。




談志が死んだ



  • 出版社/メーカー: 講談社

  • 発売日: 2003/12/19

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)










出版社による内容紹介です。




祝!なんと落語立川流20周年

「落語家の了見」最初で最後か、の大饗宴!家元+37人が勢ぞろい


「亡くなっちまったら、どうなる?」「ぼけちゃう場合だってあるかも」「パンドラの箱を開ける」「たぶん、崩壊しちゃいますよ」「談志のDNAは残っていく」「立川流の残党とか、言われちゃうんだ」「二代目の家元はだれ?」「談志って名はだれも継げないよ」「落語界再編が起こるんじゃないか」「落語協会も変わったと思う」「派閥政治の終わりと一緒だな」「頼むから、敵を作るな」「分家させていただきます」「わたしは裏立川流を」「わたしは新協会を」「いいじゃないですか、喧嘩腰トーク」「ずっといるんですよ、師匠の生霊が」「上納金は、だれに払うの?」「新年会とか、どうするんですかね」「新年会の前に、まず告別式だろう」――(「第一部」より抜粋)



「談志が死んだ」は、上から読んでも下から読んでも同じ「回文」仕立ての洒落です。粋でしゃれっ気たっぷりの談志師匠(ご本人は家元と称していましたが)、生前、家族に「葬儀はしないでくれ」と話し、自ら戒名を「立川雲黒斎家元勝手居士」と決めていたとのこと。特に「雲黒斎」の部分、当ブログの品性に抵触します(笑)ので、読み仮名は省略します。




早や、一月も終わり。だんだん、夜明けが早くなってきました。


未明の西空には有り明けの月。



東の空が、次第に明るくなります。




用水路に映る明け方の空が、




麦畑の向こうに「児島富士」とよばれる常山が見えます。



今日も「とりくらべ」。


OLYMPUS E-30+KENKO ミラーレンズ500mm。


ピント合わせが難しい。


庭の水仙。



朝日を浴びる紅梅。




枝かぶりのゴイサギ。





ツグミ。





モズ。



カワウ。



枇杷の花とメジロ。



午後持ち歩いたのは、OLYMPUS E-520+tamron レフレックスレンズ 500mm。遙か昔のオールドレンズですが、侮れませんね。








今日はこれにて。