英ブレア政権によるイラク戦争への参戦を過ちだったとする報告書が、イギリスの独立調査委員会から発表されたそうです。
参考記事へのリンクを貼っておきます。
◇英独立調査委 イラク戦争でのブレア政権判断を批判 | NHKニュース
◇イギリスのイラク参戦「最後の手段ではなかった」 検証報告書の厳しい指摘とは
◇ブッシュとブレアのイラク戦争に遅すぎた審判「外交手段尽きる前に侵攻」世界中に混乱まき散らす 
『毎日新聞』のweb版にこんな記事がありました。

◇イラク戦争:英参戦、ブレア氏を批判「解決手段尽くさず」

英国が2003年に米国主導のイラク戦争に 参戦した際の英政府の意思決定過程と侵攻後の統治政策を検証した独立調査委員会(チルコット委員長)は6日、7年間の調査に基づく260万語の報告書を公 表した。
報告書は「平和的な解決手段を尽くす前に侵攻した。この時点では軍事 行動は唯一の手段ではなかった」と断じ、参戦を決めた当時のトニー・ブレア首 相(労働党)を厳しく批判した。
 英国でのイラク戦争に関する公的検証が政策決定過程に踏み込んだのは初めて。戦後、中東では過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭し欧州でも大規模 テロに関与しており、今回の報告書は英国を含む国際社会の武力行使の決断に影 響を与える可能性がある。
 報告書は、ブレア氏が参戦の根拠として掲げた「イラクが生物・化学兵器を保 有し差し迫った危機がある」との脅威評価は「正当化できない」と判断。情報機 関の「武力侵攻なしに(当時のイラクの)サダム・フセイン大統領を排除できな い」との分析は妥当ではなかったとの見方を示した。
 また、国連安保理決議を経ない参戦で「安保理の権威を揺るがせた」と指弾、 「法的根拠は十分にはほど遠い」と述べた。ブレア氏が開戦8カ月前の02年7 月、ブッシュ米大統領(当時)に「何かあっても協力する」と武力行使での連携 を書簡で確認したことも明らかにした。
 侵攻後の準備は「完全に不適切だった」と指摘。侵攻後の混乱で200人以上 の英国民とイラク人ら15万人以上の犠牲者を出したことも批判した。
 ブレア氏ら関係者は今後、議会で弾劾される可能性が高い。ブレア氏は声明で 「過ちの責任は私にある。だがフセイン排除は正しかったと思う。今日、中東や 世界各地で起こるテロが、イラク戦争に起因しているとは思っていない」と反論 した。

アメリカでは独立調査委員会が2005年3月、イラクの大量破壊兵器(WMD)の問題を巡る米情報機関の判断は『完全に過っていた』とする報告書を公表しました。
オランダでは、独立調査委が10年1月、「イラク侵攻は国際法上の権限がなかったとする約550ページの報告書を公表しました。
「ブッシュのプードル」と揶揄されたブレア政権がイラク戦争支持を表明するよりも早く、ブッシュ演説のわずか3時間後、「アメリカのポチ」を演じ続けるわが日本政府は、全世界に先駆けてイラク戦争支持を表明したのでした。(当時、その小泉内閣で官房副長官をつとめていたのがアベさんでした。)さて、その日本政府の政策決定の是非は、どう検証されたのでしょうか?

上の「朝日」の画像を拡大しておきます



日本政府は2012年12月、「対イラク武力行使に関する我が国の対応」という短い報告書を発表。開戦の大義名分とされた大量破壊兵器(WMD)が発見されなかったことを「厳粛に受け止める」としましたが、公表されたのはA4・4枚の「概要」だけで、報告書の全容は、「公開すると関係国との信頼関係を損なう恐れが高い情報が多く含まれている」(外務省)として公にされていません。
昨年の「戦争法案」審議においても、アベ首相は「大量破壊兵器を所有していないことを証明できなかったイラクが戦争を招いた」などと、大義なきイラ ク戦争への支持・加担の責任を回避し続けています。

過去の過ちへの検証も反省もないまま、なし崩し的に新しい過ちに足を踏み出すのは、日本の保守政治の(あるいは日本人の?)お家芸なのでしょうか?

すでに周到に戦争法も秘密保護法もととのい、近く「アベノミクス選挙」と称するカモフラージュでまんまと議席の2/3をかすめ取ろうものなら、一気呵成に「悲願」の改憲もやってのけ、自由に戒厳令体制をしくことができるフリーハンドを手に入れた暁には、地球のどこかでアメリカが引き起こす戦争に、当事者として「わが軍」を心置きなく参戦させられる『美しい日本』が現出するはずと、アベ一族のお歴々、うっとりと夢見ておられるのでしょうか。しかしそれは、「無知の無恥」というものですぞ。

再三の引用になりますが、イラク戦争当時にこんな文を書きました。

オバマよ!お前もジャイアンか!



 2003.2.15

それにしても、イラク・朝鮮半島情勢は、人類史を逆戻りさせる愚劣さです。「ならず者国家」を成敗する先頭を、一番のならず者が突っ走るの図。泣くに泣けず笑うに笑えぬ出来損ない笑劇に、どこまでつきあわねばならないのでしょうか?
「空爆」は、民衆の側から見れば、「空襲」です。逃げまどう民衆を念頭に入れないアメリカの視点は、ベトナム以来変化なしということか?「戦場」が常に自国の外にあったアメリカにとって、逃げまどう民衆の姿はイマジネーションの限界の外にあるのかもしれません。
では、日本の姿勢はどうなの?「悪い政府」の統治下であろうがなかろうが、各地の大空襲とヒロシマ・ナガサキの辛酸を嘗めた日本の民衆の視座からは、「空爆やむなし」の結論は、生まれる余地のないもの。にもかかわらず、NATO傘下のヨーロッパ諸国に比べてさえもふがいない追随三昧。嘆かわしい限りです。

2003.2.26 フランスのリベラシオン紙のコラムは、ブッシュを裸の王様にたとえたと言います。前々からそう思ってました。「王様は裸だよ」の声を、率直に伝えてあげる方が忠義かつ親切というものでしょうに。「お美しい」「お似合いでげす」のおべっかを、自分ばかりか周囲にも強要する幇間(太鼓持ち)の罪は如何?リンク集を緊急編成しました。

2003.4.20 ブッシュさん、3歳児をひねりつぶして、「勝った勝った」と誇っても、誰も腹でケーベツするだけ。ただ、手のつけられない乱暴者のやることだから、顔をしかめて黙って見ているまでのこと。
でも、ブッシュさんは気づいているのかしら?あなたに突如「ならず者国家」の烙印をおされ、第2第3のイラクとしての標的にさらされるおそれを感じている国々が、このイラク戦から何を学ぶか?について。
「力こそ正義」という、ブッシュ流の新しい(実は西部開拓時代以前の未開野蛮な)むき出しの力の政策の前では、国連中心の国際秩序を誠実に遵守することは愚挙であり、ましてや国連査察に誠実に応じたり、大量破壊兵器の廃棄など馬鹿正直に実行するなどもってのほか。細菌兵器、化学兵器、核兵器、無差別テロ攻撃・・・いずれをとわず、物量に勝るアメリカに「軍事的」に対抗する道すなわち無限の軍拡の連鎖、憎悪と報復の連鎖への道をひた走るしかない、と、向こう見ずな破滅的な決意を促したに違いないことを。
ブッシュ=アメリカをジャイアンに喩えた人がいました。ジャイアンは、自分のコンサ-トを誰もが歓迎しているに違いないと信じているのでしょうね。メーワクに感じながら、「いや」と言い出せないのは、ジャイアンに正義が存するからではなく、彼の腕力をはばかる故であることは、誰もが知っています。知らぬはジャイアン一人でしょう、かわいそうなジャイアン。
そして、ジャイアンの正義は、彼の腕力を上回る力(ドラエモン由来の)によってついえ去るしかないのです。ジャイアン少年は、心底、真の友情を求めながら、たまたま他を圧する腕力と粗暴さを備えていたが故に、怯えと追従と憎しみをもって遇されるしかなかったのです。もしも彼が、平凡な腕力の少年であったなら、その純朴な個性はより好ましい輝きを増し、周囲から真に愛され、好ましい友情を獲得できたに違いないのに・・・。
リンカーンの国、ホイットマンを生んだ国、民衆愛と寛容な民主主義の伝統ある朗らかなアメリカが、なぜこんなにも野蛮で狭量なふるまいしかできないのでしょうか。ベトナム戦争への苦い反省も忘れたかのように。ソ連、東欧の自滅をへて、対立軸を失い、「一人勝ち」してしまったことの不幸なのでしょうか?ジャイアンの不幸、孤独との相似が、なにやら真実味を帯びてきました。


でもそのアメリカにも、敢然とイラク戦争に反対した勇気ある政治家が存在したことは、人類の救いです。

たとえば、アメリカ大統領選挙の民主党候補者選びで「予期せぬ」大進撃を見せたバーニー・サンダース氏。彼は米国下院議員であった1991年1月18日、ブッシュ政権による湾岸戦争を糾弾する演説を下院議会会場で行います.世に言う伝説の空席国会演説」です。

 

 

下院議院本会議場で彼の演説を聴いていたのは、たった1人。しかし、空席に向かって理路整然と説く彼の演説は、その正当性・先見性の故に、いま、輝きを増しています。

 

 

 

 



今日の散歩は雨の中です。

カワラヒワが雨に濡れています。

幼鳥でしょうか?

 

























稲田のアオサギも雨の中。













おや、向こうの方にいるのは?



ケリです。









この鳥はなんでしょう?



児島湖雨景色。常山が、雲をかぶっています。













今日はこれにて。