今日は達治忌。
三好達治といえば、平和で安らかな家庭(家族)の有様を、たった二行で見事に歌ったこの詩が好きです。

雪              三好達治

  太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
  次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。


        
そして、今の季節とダブって、教科書でもおなじみのこんな詩を思い出します。
かくいう私も、高校時代教科書で目にし、その美しい言葉と美しいイメージ、そして青春期の憂愁をはらんだ孤独に共感した覚えがあります。(授業も受けたでしょうが、それはよく覚えていません。)

甃((いし)のうへ  三好達治

あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音(あしおと)空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳(かげ)りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍(いらか)みどりにうるほひ
廂(ひさし)々に
風鐸(ふうたく)のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ

 【即席現代語訳】
石の上  三好達治
あゝ 桜の花びらは風にながれ
和服姿の女学生らの上に桜の花びらはながれ
娘らは静かに会話しながら歩みを進め
やわらかくのどかな足音が晴れた空に軽やかに響き
会話の折々何気なく目を上げたりなどしながら
晴れ渡った古寺の春景色の中を娘らは歩み過ぎてゆく
古寺の屋根瓦は若葉の緑に映えてみずみずしく潤い
それぞれのひさしに
風鐸がものもいわず端正に位置を占めているので
孤独な物思いにしずむ
この私自身の影をひとり歩ませる石畳の上よ!


努力してみましたが、やはり無理がありますね(笑)。
三好達治のこの詩には、室生犀星の次の詩が影響を及ぼしていると、大岡信が指摘していると、このページにありました。(孫引き御免)

春の寺  室生犀星

うつくしきみ寺なり
み寺にさくられうらんたれば
うぐひすしたたり
さくら樹〔ぎ〕にすゞめら交〔さか〕り
かんかんと鐘鳴りてすずろなり。
かんかんと鐘鳴りてさかんなれば
をとめらひそやかに
ちちははのなすことをして遊ぶなり。
門もくれなゐ炎炎と
うつくしき春のみ寺なり。

 この写真は。お寺の石畳ではなく、津山城の石段ですが、、、。

 


今朝の散歩は、雨の中となりました。傘を持たずに出かけたのですが、「春雨じゃ濡れて参ろう」と粋がるには少々冷とうございました。
今日、久しぶりに持ち出したカメラはPENTAX K10で、これは防塵防滴を歌っていますが、レンズは水には弱いので、上着の下にかばいながら歩くはめになりました。
今日のレンズは、ほんの気まぐれで、Tokina AT-X 90mm+f/2.5+pentaxAFAD。

同じ散歩道ですので位置も同じ桜の木々を写していますが、雨で少しは表情が変わって見えるでしょうか?

 
 
 
 
 
 
 
 
 

鈴蘭水仙 (スノーフレーク)が雨に濡れて、可憐に身を寄せ合って咲いています。

 

 オマケで、近日の写真。オリンパスE620+ズイコーデジタル 35mm F3.5 Macro。

実家の鉢植えのシュンランが咲いていました。

 
 
続いてオリンパスE620+ズイコーデジタル ED 70-300mm F4.0-5.6。
最近の散歩にて。
ダイコンの花。
散歩道脇のチューリップ
 
 電線に止まるセキレイ