一昨年の今日、この記事
重陽の節句あれこれ。最後は酒の話。
を書いています。
ビギナーのけなげさ、なかなか気合いが入っています。
話がとりとめもなく広がって、どうにも収拾がつかなるなる性癖は、今もまったく変わりませんが。
改めて読んでみますと、今日、思いついたネタは、書き尽くしておりました(汗)
一昨年の今日、この記事
重陽の節句あれこれ。最後は酒の話。
を書いています。
ビギナーのけなげさ、なかなか気合いが入っています。
話がとりとめもなく広がって、どうにも収拾がつかなるなる性癖は、今もまったく変わりませんが。
改めて読んでみますと、今日、思いついたネタは、書き尽くしておりました(汗)
少しだけ、引用・再掲させていただきます。
ここに、髪に茱萸(カワハジカミ)をさすという記述を安易に引用しながら、「茱萸(カワハジカミ)とはなにか?」について、実物が確認できていません。
「茱萸」と書いて「グミ」とも読みます。「グミ」ならよく知っています。以前、この記事にも「子どもの頃は「ぐいび」と呼んで、誰しも夢中でむしって食べたものでした。梅雨と田植えの時期に結びつく、郷愁の果実です。」と書いて、写真も載せました。
私の手元にある「平凡社百科事典(1981年版)」には、こんな記述がありました。
しかし、六月頃に実る「グミ」では、重陽の節句の時期とは季節が合いませんし、いろいろな解説書に、「茱萸」は「グミ」のことではない、とあります。
新しい版では、「菊は霊薬といわれ,延寿の効があると信じられ,この日,菊酒を飲むことも行われた。また,茱萸(しゆゆ)(カワハジカミ)の袋を柱に菊とと
もにつけ,悪気を払う風習もあった。5月5日の薬玉を,この日に茱萸袋ととりかえるのが平安時代の後宮で行われている。」とあるそうです。
「カワハジカミ」というものの実物を、私は知りません。
「薑(ハジカミ)」は、辞書には、
・「ショウガ」の古名、
・少し茎をつけたままの若いしょうがを軽くゆでて塩を振り、甘酢に漬けたもの。
・「山椒(サンショウ)」の別名。
などと解説されています。
また「川薑(カワハジカミ)」は、
1 ゴシュユの古名。〈和名抄〉
2 サンショウの別名。
とあります。
「ゴシュユ」は、「呉茱萸」で、ミカン科の薬用植物だそうです。
一方、「茱萸」がつく植物に「山茱萸(サンシュユ)」があります。ミズキ科の植物で、葉、花、実ともに、他のミズキの仲間とよく似ています。
玉野市深山公園の春の巻や、麗日やお泊まりの孫がいる愉快、お名前は? 「しだれ」シスターズ?
などの記事に、花の写真を載せています。
また、果実は、この記事で紹介しています。
ウィキペディアには、
などと解説してあります。秋に実を結ぶところも、重陽の節句に似合わなくもないと思えます。
結局堂々めぐりで、曖昧なままですが、「ショウガ」(ショウガ科)、「ゴシュユ」(ミカン科)、「サンショウ」(ミカン科)、「サンシュユ」(ミズキ科)、
いずれも芳香をもち、薬用にも用いられる植物として共通しており、邪気を払うとして重んじられたらしいことは確かでしょう。
高校の頃、敬愛するU先生が、国語の授業中の余談で、「菊には音読みだけがあって訓読みがない。漢字到来の頃以前に、日本には菊という植物がなかったことの証左だ。」といった趣旨のことを言われ、「なるほど」と納得した記憶があります。
漢字の「音読み」は、中国での発音に似せた読み方であり、その文字と対応する日本語があれば、「訓読み」として定着したはずですから、「訓読み」がないということはその文字に対応するものが、日本には存在しなかったということになりますね。
U先生といえば、漢文で、「豈(あに)--んや。」という反語の句法が出てくると、「アニハカランヤ、オトウトハカルヤ」などと笑わせる、話術に長けた方でした。「兄(あに)--弟(おとうと)--」というギャグです。
私も真似して使ってみましたが、現代っ子は、さむーい反応で、なかなか受けません。
「白髪三千丈」をはじめ、大らかでかつ気宇壮大な、どこまで信憑性があるやら分からない大陸の気風を、これまたどこまで信憑性があるやら分からない話術で聞かされ、抱腹絶倒しながら漢文・古文の世界を楽しんだのでしたが、とりわけて、この「菊」のエピソードは、強く印象に残っています。
またまた、ウィキペディアの記事を引用します。
『万葉集』には157種の植物が登場するが、菊を詠んだ歌は一首もなく、観賞用のキクは奈良時代に中国大陸より伝えられた。高潔な美しさが君子に似ているとされ、梅、竹、蘭と共に四君子とされた[1]。文学上は、『万葉集』には
詠まれておらず、『古今和歌集』、『源氏物語』などから登場する。平安時代には、陰暦9月を菊月と呼び、9月9日を「重陽の節句」「菊の節句」とし、菊花
酒を飲む「菊花の宴」「菊花の杯」で邪気を払い、長命を祈った。菊文様も吉祥文様として、好んで装束に用いられた。
鎌倉時代には、後鳥羽上皇がことのほか菊を好み、自らの印として愛用した。その後、後深草天皇・亀山天皇・後宇多天皇が自らの印として継承し、慣例のうちに菊花紋、ことに十六
八重表菊が皇室の紋として定着した(「十六弁菊は南朝の紋で、三十二弁菊(十六弁八重菊)は北朝(および現皇室)の紋である」との説明も見かけるが根拠不
明である)。
江戸時代には幕府により葵紋とは対照的に使用は自由とされ、一般庶民にも浸透し、この紋の図案を用いた和菓子や仏具などの飾り金具が作られるなど各地に広まった。
私の所持しているパスポートの表紙です。
ご存じ菊花紋章が印刷されています。
この菊は、十六弁の一重(ひとえ)咲きの花がデザインされており、「十六一重表菊」と言うそうです。因みに、一般に「菊の御紋」と呼ばれる皇室の紋章は「十六八重表菊」だそうです。
今年の3月3日、Microsoft共同創業者ポール・アレン氏が、自身のTwitterで、 第二次世界大戦中にフィリピンのシブヤン海に沈んだ戦艦「武蔵」を発見したと報告し、話題になったことは記憶に新しいところです。
船首の菊の紋、巨大な錨、「開」などの漢字
が書かれたバルブなどの写真が公開され、3月13日には、動画による生中継もありました。このサイトに詳しい記事があり、次のサイトのリンクもありました。
桜と並んで、国花に準じた扱いを受ける菊。日本の国章、国旗に準じた扱いを受ける菊。これが、元々日本に自生する植物ではなく、他の文化と共に中国から渡来した植物だったというアイロニーは、なかなか刺激的ではありませんか?
日本国憲法がアメリカ産だとして、その価値のすべてを毀損したがる方々は、果たして、この事実をどう受け止めなさるのでしょうか?昨今かまびすしい、「嫌中」論者の諸氏とかさなるケースも多いとお見受けしますが、「古来日本の歴史・伝統、日本人としてのアイデンティティ」をことのほか強調なさる皆様は、それに背反する菊の花なり、菊の紋章なりを断固排斥する大運動を展開なさるべきではござらぬか?
それよりも、冷静沈着な、客観的・合理的分別に従って、「良いものは良い」「美しいものは美しい」「価値あるものは価値がある」と、広量かつ寛容な判断を行いさえすれば、何も困ることはないのでは?と、私などは思うのですがね。
ところで、菊は、英語でなんと言うでしょう?
【chrysanthemum】「クリサンサマム」
スペリングが難しい単語の定番だとか?
なので、略して「マム」と呼ぶことがあるそうで、そういえば、園芸店などでも、「マム」の名のついた花をよく見る気がしますね。
我が地方は台風がそれましたので、雨上がりの朝散歩で、菊の花を探してみました。
以前、路傍の畑に植えられた菊の花を見た覚えがありますので、探してみましたが、残念。まだ咲きはじめていていないようです。
しかも、カメラの電池切れで、すごすご引き返しました。
以前、 この外遊びや緩やかに日は長けにけり
の記事で、小菊を写したことがありましたので、代わりに再掲いたします。
ついでに、今日の付録です。
ベニシジミ。
今日はここまで。