この花をよく見かけます。
花壇などで園芸的に栽培されているというのではなくて、農道脇や用水路のほとりに自生しています。
タマスダレでしょうか?別名レインリリー。ゼフィランサスというおしゃれな名前もあるようです。
和名のタマスダレは、純白の花を玉にたとえ、葉が並んでいる様子を簾(すだれ)に見立てた命名だそうです。
古語で「玉簾」は、「美しい簾」。「玉」は美しいという意味の接頭語。
おなじみの「伊勢物語」にこんな場面があります。
むかし、男、みそかに語らふわざもせざりせば、いづくなりけむ、怪しさによめる。
吹く風にわが身をなさば玉すだれひま求めつつ入るべきものを
吹く風にわが身をなさば玉すだれひま求めつつ入るべきものを
返し、
取りとめぬ風にはありとも玉すだれ誰が許さばかひもとむべき
取りとめぬ風にはありとも玉すだれ誰が許さばかひもとむべき
第 64 段 (玉簾)
【解釈】
昔、男が、ひそかに愛を語り、睦みあうこともなく、文を交わすばかりの女がいて、「あの女はどこに住んでいるのだっただろうか」と不審に思って詠んだ歌。
我が身を吹く風ヘンシンさせちゃえば、玉すだれの隙間を探し求めて、あなたのおられる部屋の奥深くまで入り込むこともできるのですが。
女の返歌、
確かに、つかまえることが出来ない風ではありましょうが、玉すだれのすき間を、一体誰の許しで、探し出せるのかしら?
木槿の花
今の季節、タンポポが咲いています。