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「二度目は笑劇」これなあに? [今日の「これなあに」?]

今朝の地元新聞に、内田樹さんの「識者評論 終戦の日に考える」と題する文章が寄せられていました。おそらく共同通信社配信の記事でしょうから、各地の地方新聞でも同じ記事を読まれた方がおいででしょう。

現に、ネットでこちらのブログを拝見し、 同じ記事に着目された方があり、しかも今朝一番で発信されておられることに感慨を覚えています。

著者の肩書きが「思想家」となっていることにもちょっと目がとまりました。

内田樹さんといえば、 もと神戸女学院大学の先生で、武道家としても知られており、専門の「哲学」以外にも、幅広い論究を旺盛に展開しておられる若手(いや、私より多少年配ですけれど)の言論人という印象ですね。現在は大学の方は退職されて、合気道の道場を主宰される傍ら。雌雄に思索と著述に励んでおられると聞いております。その意味ではなかなか当てはまる人が少ないと思われる「思想家」という肩書きが、最も適切なのかな、と余計なことを考えたりしています。

さて、肝心な記事の内容ですが、全部を引用してでもお伝えしたい内容ですが、ご本人のブログに同一内容の全文が載せられていることに気づきましたので、リンクを張らせていただきます。

是非全文をご一読なさることをおすすめし、冒頭の「小さな農園」様の記事と重複はしますが、少しだけ引用します。

いつ、どこで、誰と、どのような戦争をするかについての決定権は日本政府にはない。権限がないなら責任もない。戦地でどのような非道なことが行われようと、それは「日本の与り知らぬことである。文句があったらアメリカ
に言ってくれ」で言い抜けられる、日本人の多くはたぶんそう考えている。

どうせ「戦争の主体」にはなりたくてもなれないのだ。

これは先の戦争指導部の人々のありように酷似している。彼らは戦争の主体であることを否認した。

丸山眞男はこう書いている。

「わが国の場合はこれだけの大戦争をしながら、我こそ戦争を起したという意識がこれまでの所、どこにも見当たらないのである。何となく何物かに押されつつ、ずるずると国を挙げて戦争の渦中に突入したというこの驚くべき事態は何を意味するか。」(『現代政治の思想と行動』)

戦犯たちは口々に「自分自身は開戦に反対であった」と証言した。キーナン検察官の最終論告にいわく。

「二十五名の被告の全ての者から我々はひとつの共通した答弁を聴きました。それは即ち彼等の中の唯一人としてこの戦争を惹起することを欲しなかったというのであります。(・・・)彼等は他に択ぶべき途は開かれていなかったと、平然と主張致します。」(同書)

こんなSF的想像をしてみる。

安倍政権の集団的自衛権容認がきっかけになり日本が「次の戦争」に巻き込まれた。戦後、その戦争犯罪が裁かれたとき、出廷した日本政府の要人たちは口を揃えて「我々は戦争を惹起することを欲しなかった」と証言した。

「だが、アメリカに追随する他に択ぶべき途は開かれていなかった」。

日本人が69年間抑圧し続けてものが姿を現わしたとき、それはもう「二度目は笑劇」で済ますことはできないだろう。


日頃モヤモヤしていた頭の霧が、少しだけ晴れた気がしました。「やっぱりそうか、なるほど、、、」ってカンジですね。
以前、わたしは この記事で、ナチスドイツの官僚アドルフ・アイヒマンの、いわゆる「悪の陳腐さ」「凡庸な悪」について話題にしたことがありました。

かつて、ハンナ・アーレントは、ユダヤ人虐殺に直接関与したナチスドイツの官僚アドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴し、彼が怪物的な悪の権化ではなく、思考の欠如した官僚であったことを衝撃的に暴き出しました。いわゆる「悪の陳腐さ」「凡庸な悪」
空恐ろしさをえぐり出したのです。紋切り型の決まり文句や官僚用語を繰り返すアイヒマンの言語能力の欠如は、考える能力、「誰か他の人の立場に立って考え
る能力」の欠如と結びついている、とアーレントは指摘しました。無思考の紋切り型の文句は、現実から身を守ることに役立った、と彼女は述べています。

さて安倍さんの饒舌は、果たして、考える能力=「誰か他の人の立場に立って考える能力」に立脚しているのでしょうか?心許ない限りです。
先日のこの記事で、地元山陽新聞が紹介していた内橋克人さんの言葉を引きました。
「戦争はある日ここからといって始まるのではない。いつしらず、せせらぎの流れのように始まる。」
私はふと思うのですが、戦争を始める人も、「ある日ここからといって始める」わけではなく、「いつしらず、せせらぎの流れのように」始めているのかもしれませんね。

私はこのあとしばらく、安倍さんを「凡庸な悪」の一変種のように扱ったことを少し気に病み、訂正を加えるべきだろうかと迷ったことがありました。たとえば、国会審議中に政府答弁に立つお役人の方たちの、命令のみに忠実で主体者意識の欠如した、無個性な、判で押したような答弁の背後に、アイヒマンとの類似性を見ることは妥当だとしても、あの自信満々の、主人公意識丸出しの、饒舌で自信たっぷりの安倍さんの言動に、それを当てはめるのは、安倍さんに失礼なだけでなく、安倍さんの責任を過小評価する事につながらないかと思い返していたのです。
でもやっぱり、 内田さんの記事を読み、「やっぱりそうだよね」と思った次第。
その「SF的想像」にはリアリティがありますね。
安倍さんだって、「我々は戦争を惹起することを欲しなかった」「だが、アメリカに追随する他に択ぶべき途は開かれていなかった」と、言い逃れるに決まっていますもの。

ちなみに、内田樹さんの著書の多くは、この「内田樹の研究室」というブログの記事を再編集して発行されたものだそうで、そういえば、「街場の~」シリーズなど、愛読した本に掲載されている文章を再発見出来ることも嬉しいことです。
今日の記事の全段で触れられている、エール大学のブルース・アッカーマン教授の安倍政権論が、7月17日付で紹介されていますが、これまた、ひどく刺激的です。

ところで、今日の新聞記事の 引用部分に「二度目は笑劇」とありましたが、これなあに?

ちょっと得意げにコメントしますと、、、、ひょっとしてだけど、、、、これですよね。

ヘーゲルはどこかで、すべての偉大な世界史的事実と世界史的人物はいわば二度現れる、と述べている。彼はこう付け加えるのを忘れた。一度は偉大な悲劇として、もう一度はみじめな笑劇として、と。( カール・マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日[初版]』(植村邦彦訳)/平凡社

 「歴史は繰り返す。最初は悲劇として、二度目は茶番として。」などとも引用されますね。

安倍内閣の「暴走」が、みっともない笑劇(茶番)で終わるなら、まあ結構。でも、国民を巻き添えにされてはたまりません。

 


 

 今朝の散歩の携行カメラは、pentaxq7にマウントアダプターを介してタクマ-55mmf1.8を装着してみました。

 

 

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素直にマクロレンズを持って出ればよいのに、軽さ、コンパクトさを狙ってみたかったのです。

でも、このレンズ、見た目は確かに小振りですが、決して軽くはないですね。また、マウントアダプター自体に。存在感たっぷりの重みがありますし。

予報は雨でしたが、散歩の間はもとより、午後三時に至るまで、今のところ雨は降りません。一度雨で流れて、今日に延期になっていた「夏祭り」が、結局中止になったのに、これならなら出来そうだと

子ども達は残念がっています。その代わり、久しぶりに蒸し暑いことです。

朝露!でしょうか?雨粒でしょうか?

 

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サトイモの葉。
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これなあに?

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こたえ:長いこと謎でしたが、先日行った倉敷自然史博物館の展示によると、「アメリカコナギ」らしいです。
やっと疑問が晴れて、少しすっきりしました。 
水田の中に咲く花で、可憐に見えますが、帰化植物で、在来種を追いやっているらしい。 
 
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これなあに?

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こたえ:ピーマンです。 
これがピーマンの花。
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これなあに?
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こたえ:ピーナツの花です。はっきり豆科とわかりますね

これなあに?
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この花、毎年同じ場所(農家の畑)で見ますが、何でしょう? 
わかりません。
 
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野生の朝顔
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ニラの花に止まるセセリチョウ
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カナブン
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大豆の葉に止まるアゲハ
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  これなあに?

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こたえ:ローズマリーの花でした。

 


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Mitch

ピーマンの花って、初めて見ました^^
by Mitch (2014-08-17 18:31) 

kazg

Mitch 様
ピーマンの花、白くて、結構清楚な感じがしますよね。
by kazg (2014-08-17 20:02) 

johncomeback

僕もレンズ資産を生かしたくてマウントアダプターを
購入しましたが、カメラのコンパクトさが台無しになりますね。
by johncomeback (2014-08-18 07:02) 

kazg

johncomeback様
全くおっしゃるとおりです。
by kazg (2014-08-18 16:00) 

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