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大晦日の蘊蓄 その他 [今日の暦]

いよいよ大みそかです。
大晦日と言えば、井原西鶴の句が浮かびます。

大晦日定なき世の定かな  西鶴

モラルハザード、偽装表示、公約違反、ウラガネ受領etc.「定めなき世」を地でいくエピソードには事欠かぬ昨今ですが、時間の推移という「定め」は揺らぐことなく、今年も最終日となりました。
西鶴といえば、『大晦日あはぬ算用』という面白い小品があります。
「二十八日まで髭をそらず、朱鞘の反りを返して、春まで待てと云ふに、是非に待たぬかと、米屋の若い者を睨み附けて、直ぐなる世を横に渡る」という貧乏浪人原田内助は、窮迫して、医者である義兄(女房の兄)半井清庵に無心します。清庵は、金子十両を包み、「貧病の妙薬金用丸万づによし」と上書して送ってくれたので、内助は親しい浪人仲間七人を呼んで年忘れの宴会を開き、小判十両の由来を披露します。浪人達は大いに感心し、杯を重ねて、宴も終わりにさしかかった頃、後片付けとともに小判を集めたところ、一両不足しています。さてこれは、、、。という騒ぎの顛末は?
大岡裁きのように痛快でしみじみ温まるラストです。

太宰治は、これを下敷きに『新釈諸国噺』の冒頭に、『貧の意地』と題する作品を載せています。
その、『新釈諸国噺』の凡例に、太宰はこう記して西鶴を絶賛しています。

「西鶴は、世界で一ばん偉い作家である。メリメ、モオパッサンの諸秀才も遠く及ばぬ。私のこのような仕事に依(よ)って、西鶴のその偉さが、さらに深く皆に信用されるようになったら、私のまずしい仕事も無意義ではないと思われる。」


落語にも、大みそかを扱ったものが数あるようです。
掛取」とか「掛取万歳」とか呼ばれる演目は、年末に押しかける「掛取」=借金取りを、しての趣味や性格を利用して撃退するという痛快なハナシ。
たとえば、狂歌の好きな大家さんには、「貧乏のボウ(棒)も次第に長くなり 振り回されぬ年の暮れかな」「貧乏をすれど我が家に風情あり 質の流れに借金の山」などの歌を並べると、大家は感心して、「貸しはやる 借りは取られる 世の中に何とて大家つれなかるらん」(歌舞伎の『菅原伝授手習鑑』に登場する「梅は飛び桜は枯るる 世の中に何とて松のつれなかるらん」のパロディ)と引き下がる。他にも、芝居、義太夫、三河万才など、相手の趣味に応じてあの手この手。次々と繰り広げられる「コント(寸劇)」のようなおかしさが楽しい演目です。
昔の決算時期が年末だったことから、大みそかには集金人が大挙してあらわれる。年を越すとひとまず催促は猶予されるという、当時の社会・経済の仕組みがうかがい知れます。

芝浜」という人情話も、年末が舞台。
腕はいいが酒好きの魚屋熊五郎(演者により活五郎、勝五郎、勝など多様)が、ある朝、魚河岸のある芝浜で、財布の落とし物を拾いますが、、、。

ところで、「大みそか」とは、「大」+「三十日」。正確には三十一日ですから「みそひとか」とか「みそひとにち」とか呼ぶべきでしょうが、そんな呼び方は聞きませんね。
「大みそか」は「大つごもり」とも呼びました。月末は、「月隠り(つきごもり)」から転じて「つごもり」と呼びますから、その最大のものが「大つごもり」です。パソコン入力で、漢字変換してみると。「おおつごもり」も「おおみそか」も「大晦日」と、同じ漢字に変換されてややこしいですネ。
「大つごもり」といえば、樋口一葉の小説。
デジタル大辞泉では次のように解説されています。
「大つごもり」:樋口一葉の小説。明治27年(1894)発表。大みそかを背景に、女中奉公をしている薄幸の娘お峰の哀感を描く。

というわけで、今も昔も慌ただしい大晦日に、のんびりブログなんか書いてる場合か?という突っ込みが入りそうなのでこの辺でまとめに入ります。
今日は散歩してません。
昨日の散歩が今年の歩き納め、撮り納めになるでしょうか?
我ながら、見せびらかしたい画像がゲットできました。

 

青空をバックにホバリングしながら獲物を狙うミサゴ

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捕ったどお!
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バン。何かくわえてます。
 
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いつものシギ。
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センダンの木に止まる ツグミ
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スズメもいます。
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 ゴイサギ
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アオサギ
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今年の年越し蕎麦は、手作りにチャレンジ。
蕎麦粉は、故郷の実家の畑で取れた今年の蕎麦粉です。
さっきまで、こねて切って、悪戦苦闘の結果がこれです。

 

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夕食にゆでて食べます。
では、良いお年を。




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コメント 2

えんや

おめでとう!!
ご訪問ありがとうです。
よろしくです。
by えんや (2014-01-04 20:42) 

kaz

えんや様。
こちらこそよろしくお願いします。
by kaz (2014-01-05 07:39) 

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