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難波津の孫を見んとてバスの旅 [家族]

昨日の朝は雨でした。
かなりの本降りでしたが、傘を持って、予定通り、早朝の高速バスで、大阪まで日帰りの旅に出かけました。パートで休日が不定期な妻と、私の休日が、たまたま重なりましたので、久しぶりに次男の所へ孫の顔を見に行く事にしたのです。
前々からうすうす計画はしていたのですが、前日急遽確定し、慌ててネット検索して、朝7:20岡山駅発、夜8:10大阪駅発の高速バスを往復で予約したのでした。ネット予約後、チケットは近所のコンビニで入手できるので、便利な時代ではあります。

自宅から高速バス発着場所まで、何らかの移動の手段を算段する必要がありますが、車で行くには、岡山駅近辺には適当な駐車場がありません。交通機関を利用しようにも、最寄りのJR駅は徒歩では遠いです。
そこで、駐車場の便のよいJR駅まで車で行き、電車で岡山駅へ、そこから、バス発着場まで歩くということになります。
余裕を持って移動するため、6時過ぎには出発。帰りは深夜0時過ぎと、少々慌ただしい旅となりました。

激しい雨は、早朝のうちだけで、バスに乗る頃は小降りになりましたし、東へ向かう高速道路上は、雨も上がり、山々が深い霧に包まれて、車窓から紅葉の景色を楽しむことができました。
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大阪に近づく頃には次第に晴れ間も見えてきました。
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八百八橋というだけあって、橋が多いです。
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次男一家の住まいは、大阪駅(地下鉄梅田駅)からは地下鉄で小一時間。付近のどぶ川には、カルガモの姿も見えました。
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早いもので、孫は1歳と1ヶ月あまり。この前会ったときには、人見知りが激しくて、爺、婆が抱っこすると大泣きしたものでしたが、今回は終始上機嫌で、いろいろな笑顔を見せてくれました。
ボーイッシュに見えますが、姫です。初対面の方などから、よく確かめられるそうですので、念のためお断りしておきます(笑)。
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このポーズは、最近彼女にとってのブームらしく、ET(のポスター)さながらに、指先を人の指先と接触させて、ニコリとします。それを何度も繰り返して、飽きることがありません。爺も婆もその洗礼を受けて、宇宙エネルギーをたっぷり注入してもらいました。
ここでネット由来の雑学ですが、ETのポスターで印象的な、宇宙人と少年が指と指を合わせるシーンは、本編にはないんですってね。
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ところで、今度の旅の目的は、孫の顔を見て、写真を撮って帰ることだったのですが、PENTAXQ7でひとしきり写した後、メインカメラのK5Ⅱを、いざ取りだしてみると、なんと!SDカードが空っぽです。カードなし状態で、大事そうに運んできたのが情けない。
すごすごと重い荷物を持ち帰るのもシャクなので、近所の家電量販店まで、次男に車で連れて行ってもらい、間に合わせに8GほどのSDカードを購入することにしました。

道すがら「なみはやドーム」という標識が見えました。 次男が言うには、前日からNHK杯国際フィギュアスケート大会が開かれているのがこの会場だそうです。
    そういえば、大阪が会場だったっけと、今更気づくのもうかつと言えばうかつです。
「なみはや」ということばがしっくり意識に刻まれていなかったのですね。
車の中で、ぼんやりと、そうか「浪速」を訓読みしたのかと気づきました。

あとで調べてみますと、正式名称は「大阪府立門真スポーツセンター」で、1997年の「なみはや国体」(夏季大会)のメイン会場として建設されたそうですね。

大阪には、一時期「なみはや銀行」という銀行も存在したそうです。なにぶん田舎者で、知りませんでした。
ウィキペディアの知恵を借りて「なにわ」を調べてみると、こうありました。
なにわは、大阪の古称・古地名(古代から使われ、呼ばれている地名)。漢字では「難波」「浪速」「浪花」「浪華」、万葉仮名では「奈尓波」「奈仁波」などと表記される。

ちなみに、次男の車のナンバープレートは、ひらがな書きの「なにわ」です。


ところで「枕草子」にこんな場面があります。
「清涼殿の丑寅(うしとら)の隅(すみ)の」という長い章段です(能因本・第20段、三巻本・第23段)。
清涼殿は、宮中にある天皇の御殿で、その丑寅の方角(北東)にある部屋が舞台です。ここに、この日も、清少納言が仕える憧れの中宮定子と、一条天皇、そして定子の兄である大納言・藤原伊周(これちか)らがいて、従者や女房たちが側にはべっております。

陪 膳つかうまつる人の、男(をのこ)どもなど召すほどもなく、わたらせ給ひぬ。「御硯の墨すれ」と、仰せらるるに、目は空にて、唯おはしますをのみ見奉れ ば、ほとど継ぎ目も放ちつべし。白き色紙(しきし)おしたたみて、「これに、ただ今覚えん古き事、一つづつ書け」と仰せらるる。
外に居給へるに、 「これは、いかが」と申せば、「疾(と)う書きて参らせ給へ。男は言(こと)加へ侍ふべきにもあらず」とて、さし入れ給へり。御硯とりおろして、「とくと く、ただ思ひまはさで、難波津も何も、ふと覚えん言を」と責めさせ給ふに、などさは臆せしにか、すべて面(おもて)さへ赤みてぞ思ひ乱るるや。

【解釈】
お食事の配膳係の方が、食膳を下げる男たち(蔵人)を呼ぶ間もなく、帝(一条天皇)がおいでになった。
(中宮定子様が)「お硯の墨をすりなさい」とおっしゃるが、私の目はうつろで、ただいらっしゃった帝のお姿だけを拝見しているので、うっかり墨ばさみと墨の継ぎ目を外してしまいそうになった。
(中宮様は)白い色紙を折り畳んで、「これに、今思い浮かぶ古い昔の歌を、一つずつ書いてごらん」とおっしゃった。
御簾の外にいらっしゃった大納言(伊周)様に、「これはどのようにすればよろしいでしょうか?」と申すと、(大納言は)「早く歌を書いて差し上げなさい。男があれこれ申し上げるべき状況でもございませんので」と、色紙をこちらに戻してこられた。
(中宮定子様は)お硯私の方へ差し出して、「早く早く。何も深く思い悩まずに、難波津(なにわづ)でも何でも、ふと思いついた歌を」と強いなさいますので、どうしてそんなに気後れしてしまったのか、もう顔までも真っ赤になってしまって頭が真っ白になってしまいましたわ。

清少納言は、著名な歌人であった清原元輔(もとすけ)の娘であり、彼女の曽祖父(祖父との説もある)は、『古今和歌集』の代表的歌人、清原深養父(ふかやぶ) でした。ですから、彼女の和歌の素養は、その生い立ちからして群を抜いたものがありました。でもその故に、かえって、特別のプレッシャーも持っていたよう で、彼女が残したとされる和歌はわずかです。
しかも、中宮定子に対しては比類のない憧れと敬愛の念を抱いており、その前では、とても和歌の素養をのびのびと発揮するような心の余裕はなかったのでしょう。
「難波津でも何でも、ふと思いついた歌を書いてごらんなさい」という定子の言葉は、いたわりを込めた思いやりでしたが、清少納言の緊張はほぐれるものではなかったようです。
ところでこの「難波津」とは、古今集「仮名序」に、王仁(わに)の作として紹介されている
「難波津に  咲くやこの花  冬ごもり  今は春べと  咲くやこの花」
の歌をさします。
「難波津に、咲いたよ、この花が。今はもう春になったので、咲いたよこの花が。」というような意味になります。「この花」は、桜ではなく梅の花だと伝えられています。
応神天皇の後継を巡って、3年間も譲り合いが続いたあと、仁徳天皇が難波高津宮で即位したことを祝って、百済(くだら)の王仁(わに)博士が、梅花にこの和歌を添えて奉ったと伝えられているそうです。
この歌は、前述の古今集「仮名序」に「手習ふ人のはじめにもしける」とあるように、古来、お習字の手本として用いられ、誰もが欲知っている歌とされていたようです。
この歌にちなんで、現在、大阪市には「此花区」と「浪速区」が存在しますね。また、「難波」と書いて「なんば」と読む地名もあって、ややこしいです。

古 くは、『古事記』に、神武天応が東征するくだりで、「浪速(なみはや)の渡(わたり)」を経て白肩津(しらかたのつ)に停泊していたところ、登美能那賀須 泥毘古(とみのながすねびこ)の攻撃を受け苦戦するエピソードが語られていますし、『日本書紀』にも、浪速(なみはや)は浪花(なみはや)とも言ったが、 今はなまって難波(なには)と言うとの記述があるそうです。
「なにわ」より「なみはな」のほうが古い呼び名だなんて、知りませんでした。 

お後がよろしいようで。  

 

 

 


 

 


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johncomeback

孫を思えば「千里も一里」ですね。
僕も静岡に住む孫(1歳10カ月)の顔を半年見てないなぁ。
by johncomeback (2014-12-01 11:20) 

kazg

johncomeback様
刻一刻成長して可愛いさが増します、、、ものね。
by kazg (2014-12-01 13:53) 

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