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かなしみを背負うたるらし冬蝸牛(ふゆかぎゅう) [折々散歩]

昨日後楽園の周縁の遊歩道を歩いた時、カタツムリを見つけました。後楽園のカタツムリ

後楽園のカタツムリ posted by (C)kazg 後楽園のカタツムリ

後楽園のカタツムリ posted by (C)kazg 後楽園のカタツムリ

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後楽園のカタツムリ posted by (C)kazg





そういえば、ブログを始めたばかりの頃、やはり同じ場所でカタツムリを見つけ、記事を書いたことがありました。

◇舞へ舞へかたつぶり 秋の雨に濡れたとて

一部を再掲します。

 童謡にも歌われるとおり、一般に「デンデンムシ」とも、「カタツムリ」呼ばれますが、地方によるとデデムシとももナメクジとも呼ばれるそうです。

民俗学者柳田国男は「蝸牛考」(かぎゅうこう) で、地方による呼び方のちがいを全国的に調べ、その分布が、京の都を中心とする同心円状に広がっていることを明らかにし、「方言周圏説」をとなえました。以下、wikiの要約を引用します。



近畿地方 デデムシ 最も新しい

中部地方・中国地方など マイマイ 新しい

関東・四国 カタツムリ 中間

東北地方・九州 ツブリ 古い

東北地方の北部・九州の西部 ナメクジ 最も古い

そして、この事実を一般化して、(カタツムリの名称に限らず)一般に方言というものは時代に応じて京都で使われていた語形が地方に向かって同心円状に伝播していった結果として形成されたものなのではないかとする方言周圏論を展開した。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9D%B8%E7%89%9B%E8%80%83



都ではすでに廃れた古語の名残りが、地方に残っている例も、ここから説明できそうです。

「きょーてー」(岡山弁)-「けうとし」の転。

「いぶせー」(広島弁)-「いぶせし」の転。

「いぬる」「しぬる」(岡山弁)-ナ変活用『往ぬ」「死ぬ」の連体形。

「え行かざった」-「え行かずありたり」=行くことができなかった。

「よういわん」(関西弁)-え言はず。

etc.



ところで蝸牛(かぎゅう)は中国語で、「荘子」を出典とする「蝸牛角上の争い」という故事成語もられています。ちなみに「デジタル大辞泉」の解説は次の通り。

蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の争い
《「荘子」則陽の、かたつむりの左の角(つの)にある国と右の角にある国とが争ったという寓話から》小さな者同士の争い。つまらないことにこだわった争い。蝸角(かかく)の争い。



ところで、『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』は、平安末に、当時流行の「今様」という歌謡を集めたもので、白河法皇によって編まれたものです。そこに印象深い歌が採録されています。



舞へ舞へ蝸牛(かたつぶり) 舞はぬものならば 馬の子や牛の子に蹴(くゑ)させてむ 踏み割らせてむ  

 まことにうつくしく舞うたならば 華の園まであそばせむ



口語訳:舞え!舞え! カタツムリ。 もしも舞わないのならば、 馬の子や牛の子に蹴らせてしまうよ。 その足で踏み割らせてしまうよ。 もしも本当にかわいらしく舞うたなら、素敵な花の園まであそばせてあげようよ。

 

これに曲をつけて初音ミクさん(合成音声)が歌唱したものを、ユーチューブで発見しました。

http://www.youtube.com/watch?v=g-8tlCijZ2Q



有名な「遊びをせんとや生れけむ、戯(たわむ)れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動(ゆる)がるれ。」もあわせて歌唱されています。
念のため口語訳:人間って、遊びをしようとして生まれてきたのだろうか。じゃれ遊びをしようとして生まれてきたのだろうか?遊ぶ子供の声を聞くと、ひとりでに自分の体まで揺れ出してくるよ。



その後も、カタツムリの写真は何度か登場しますが、会えば何かと撮影しておきたくなる被写体です。

下の写真は10月の半ば頃、郷里の実家の庭で見かけたカタツムリです。

10月のカタツムリ

10月のカタツムリ posted by (C)kazg



ところで、新美南吉の童話に「でんでんむしのかなしみ」という作品があります。

青空文庫から引用します。


デンデンムシノ カナシミ


新美南吉


 イツピキノ デンデンムシガ アリマシタ。
 アル ヒ ソノ デンデンムシハ タイヘンナ コトニ キガ ツキマシタ。
「ワタシハ イママデ ウツカリシテ ヰタケレド、ワタシノ セナカノ カラノ ナカニハ カナシミガ イツパイ ツマツテ ヰルデハ ナイカ」
 コノ カナシミハ ドウ シタラ ヨイデセウ。
 デンデンムシハ オトモダチノ デンデンムシノ トコロニ ヤツテ イキマシタ。
「ワタシハ モウ イキテ ヰラレマセン」
ト ソノ デンデンムシハ オトモダチニ イヒマシタ。
「ナンデスカ」
ト オトモダチノ デンデンムシハ キキマシタ。
「ワタシハ ナント イフ フシアハセナ モノデセウ。ワタシノ セナカノ カラノ ナカニハ カナシミガ イツパイ ツマツテ ヰルノデス」
ト ハジメノ デンデンムシガ ハナシマシタ。
 スルト オトモダチノ デンデンムシハ イヒマシタ。
「アナタバカリデハ アリマセン。ワタシノ セナカニモ カナシミハ イツパイデス。」


 ソレヂヤ シカタナイト オモツテ、ハジメノ デンデンムシハ、ベツノ オトモダチノ トコロヘ イキマシタ。
 スルト ソノ オトモダチモ イヒマシタ。
「アナタバカリヂヤ アリマセン。ワタシノ セナカニモ カナシミハ イツパイデス」
 ソコデ、ハジメノ デンデンムシハ マタ ベツノ オトモダチノ トコロヘ イキマシタ。
 カウシテ、オトモダチヲ ジユンジユンニ タヅネテ イキマシタガ、ドノ トモダチモ オナジ コトヲ イフノデ アリマシタ。
 トウトウ ハジメノ デンデンムシハ キガ ツキマシタ。
「カナシミハ ダレデモ モツテ ヰルノダ。ワタシバカリデハ ナイノダ。ワタシハ ワタシノ カナシミヲ コラヘテ イカナキヤ ナラナイ」
 ソシテ、コノ デンデンムシハ モウ、ナゲクノヲ ヤメタノデ アリマス。



すべてカタカナ書き、しかも歴史的仮名遣いで読みにくいので、漢字仮名交じりの現代表記になおします。


 でんでんむしのかなしみ

 一匹のでんでんむしがありました。
 ある日、そのでんでんむしは大変なことに気がつきました。
「わたしは今まで、うっかりしていたけれど、わたしの背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっているではないか。
 
 この悲しみは、どうしたらよいでしょう。
 でんでんむしは、お友達のでんでんむしの所にやってきました。
「わたしはもう、生きていられません。」
と、そのでんでんむしは、お友達に言いました。
「なんですか。」
とお友達のでんでんむしは聞きました。
「わたしは、なんという、不幸せものでしょう。わたしの背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっているのです。」
と、始めのでんでんむしが、話しました。
 すると、お友達のでんでんむしは言いました。
「あなたばかりではありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです。」


 それじゃ仕方ないと思って、始めのでんでんむしは、別のお友達の所へ行きました。
 すると、そのお友達も言いました。
「あなたばかりではありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです。」
 そこで、始めのでんでんむしは、また別の、お友達の所へ行きました。
 こうして、お友達を順々に訪ねて行きましたが、どのお友達も、同じことを言うのでありました。


 とうとう、始めのでんでんむしは、気がつきました。
「悲しみは、誰でも持っているのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしの悲しみを、こらえていかなきゃならない。」
 そして、このでんでんむしは、もう、嘆くのをやめたのであります。

先日、アジア人留学生向けの授業で教材にしてみました。ちょっとミョーでしたが、、、。



昨日新しい洗濯機が配達されました。ちょうど小3の男の子も学校帰りに立ち寄っている時でしたので、備え付けられる様子や、試運転の様子を一緒に見物して、喜んでいました。元のものに比べて、グレードも機能も容量もダウンしたのですが、不調状態が続いていただけに、快調に働いてくれる新機は、何はさておきありがたいものです。

というわけで、今朝は、洗濯物の仕上がりを待つ時間のロスがほとんどなく、洗濯物干しをさっさと終えて、午前中、畑仕事→郵便局→買い物→カメラ散歩が余裕を持って楽しめました。カメラ散歩といっても特筆すべき出会いはありませんでしたが、「作品」は、後日紹介することにします。



今日の付録は、昨日の後楽園散歩で出会ったこんな鳥さんたちです。

ハクセキレイ。



ドバト。







カラス。





アオサギ。





シジュウカラ。









コゲラ。







なぜだか露光が狂って、ハイキーな仕上がりとなりました。秋の明るい日差しを強調したようで、帰って面白いかも知れません(負け惜しみ)。

今日はこれにて。
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コメント 8

majyo

でんでんむしのかなしみは 良いお話しでした
最後にニコッとします。皆同じなんですね
アジアの若者に教えているのですね
良い先生でしょう
by majyo (2016-11-02 20:07) 

kazg

majyo 様
自分だけが辛いと思うと、苦しくて耐えられなくなりますからね。
「みんな我慢してるのだからあなたもがまんしなさい」という結論に持って行かれたのでは、現状固定化、進歩なしになってしまいますから、要注意ではありますが、、、。



by kazg (2016-11-02 20:42) 

馬爺

カタツムリは最近見なくなりましたね、やはり一時期の農薬のせいでしょうかね。
by 馬爺 (2016-11-03 10:49) 

yakko

こんにちは。
この詩を初めて知りました。うちでも時々カタツムリをみかけます。悲しみをイッパイ背負っているのでしょうか〜
by yakko (2016-11-03 15:41) 

kazg

馬爺 様
農薬の影響はあるのでしょうね。
生き物にとって住みにくい自然になっていることは確かでしょうね。それは回り回って人類にも跳ね返ることを懼れます。
by kazg (2016-11-03 22:12) 

kazg

yakko 様
悲しみも喜びも、いっぱい背負っているのだと思いますが、、、、
by kazg (2016-11-03 22:14) 

momotaro

蛙は庭に棲み付いたのですが、カタツムリは未だに孫に見せてやれません、5ミリぐらいのを除いて。
詩、カタカナのを読んじゃいました。
おもしろかった
by momotaro (2016-11-06 06:41) 

kazg

momotaro 様
小3の孫は「カエルが大好き」と友達にも公言し、アマガエルを見つけると嬉々として手に載せて遊びます。
そういえば、カタツムリは、滅多に見ませんね。
by kazg (2016-11-06 06:55) 

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