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雨の後楽園続いてます、の巻 [折々散歩]

昨日の記事の続きです。


まずは追記を一件。


後楽園に入園する際に、マスクがないことに気づいたものの、駐車場の車まで取りに帰るのが億劫で、雨傘で顔が隠れるのをよいことに、こわごわノーマスクで歩いたことは書きました。その顛末です。遠慮しながら園内を一巡し、人の出入りが比較的少ない南口から退園し、一二歩歩いたとき、ふっと上着の胸ポケットに手をやると、あんなに探して見つからなかった布マスクが、済まして鎮座しているではありませんか!!!可笑しいやら情けないやらの、おなじみの失敗談でした(トホホ)


さて、人目を忍んで遠慮がちに歩いた後楽園でしたが、写真はかなり写しました。


昨日の記事で紹介した園内マップは、「じっくりコース」でしたが、今日は所要時間約1時間ほどの「スタンダードコース」をご覧ください。


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昨日の記事の最後に話題にした「延養亭」が、このスタンダードコースの地図では②の番号が付されています。


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「廉池軒」は、「園内に点在する亭舎の中で、築庭を指示した藩主池田綱政がもっとも好んで利用していたといわれています。/廉池軒からの眺望は水の景色に優れています。』と、後楽園HPに紹介されています。


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「唯心山」はこう紹介されています。


池田綱政(いけだつなまさ)の子、継政(つぐまさ)の時に築かれ、平面的だった庭園が立体的な景観へと変化しました。 山腹には唯心堂(ゆいしんどう)があり、斜面には石組に合わせて、ツツジやサツキが植えられ、季節には紅白の花で彩られます。


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見事なツツジの向こうに見えている建物が、⑤「流店」でしょう。


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中央に水路を通し、色彩に富んだ奇石六個を配した全国的にも珍しい建物です。藩主の庭廻りや賓客の接待などで、休憩所として使われました。 戦災をまぬがれた建物の一つで、簡素なたたずまいを今に伝えています。


その近くに「八橋」、「花菖蒲園」があります。


古い記事に何度か書きました。たとえばこんな記事。


お名前は?しらん!(2014-05-07)


下の写真は、昨年、岡山市後楽園で写したものです。「八橋」と案内表示がありましたので「カキツバタ」なのだろうと勝手に推測しています。

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もとネタは、伊勢物語の有名な「東下り」の段。

昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。もとより友とする人、ひとりふたりして行 きけり。道知れる人もなくて、惑ひ行きけり。三河の国八橋といふ所に至りぬ。そこを八橋といひけるは、水行く河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてな む、八橋といひける。その沢のほとりの木の陰に下りゐて、乾飯食ひけり。その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人のいはく、「かき つばたといふ五文字を句の上に据ゑて、旅の心をよめ。」と言ひければ、よめる。
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ
とよめりければ、みな人、乾飯の上に涙落として、ほとびにけり。

【解釈】
昔、男がいたんだってさ。
その男は、自分を世の中の役に立たない不要人物だと独り決めに思い込んで、「都にはもういねえつもりだ。オイラみたいのものでも受け入れてくれる住みよい国を求めて、遠く東国地方を訪ねていこうじゃないか。カールブッセも”山のあなたの空遠く、幸い住むと人の言う、、、”と歌ってるじゃないか。」と言って、旅立って行ったってさ。
古くからの友人、一人二人と一緒に、行ったんだってさ。道を知ってる人もいなくて迷いながら旅して行ったんだって。
そうするうちに、はるか愛知県は三河の国の八橋というところに到着したんだ。そこを八橋と言ったわけは、流れる川が四方八方に分かれて蜘蛛の手のようだったから、橋を八つ渡していたんで、八橋と言ったんだってさ。
その水辺のほとりの木の陰に馬から下りて腰を下ろして、携帯用乾燥メシを食ったんだ。。その水辺にかきつばたがチョーイイ感じに咲いていたんだなあ。それを見て、ある人が言うのに、「かきつばたといふ五文字を句の上に据ゑて、旅の心をよめ。」と言ったので、男が詠んだ歌がこれなんだ。
唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ(唐衣を繰り返し繰り返し着て、糊がとれて体にぴったりなじんだみたいに、慣れ親しんだ妻が(都に残って)いるので、着物をピンと「張る」のと語呂が同じ、はるばる(遙々)、三河くんだりまで、着物を「着た」みたいに「来た」旅の長い道のりを、しみじみ思って感無量だよ。)
と詠んだもんだから、居合わせた人はみんな、携帯用乾燥メシの上に涙を落として、乾燥メシがふやけてしまったんだってさ。塩味がきいて、さぞおいしかっただろうよ。とっぴんぱらりのぷぅ。


上の記事の写真の八橋は先代のもので、しばらく前に架け替えられました。


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調子に乗って、にわか仕込みの知ったかブリッコで、またまた長い記事になりました。今日はここまで。記事はまだまだ続きます(汗)


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